猫といねむり。

猫といねむり。

September 7, 2007
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カテゴリ: 腎不全
★この記事の更新は 新ブログ にて行います。

一緒に暮らしている猫さんが慢性不全だと診断されたとき、獣医さんからの説明が頭に入らないほどに動揺してしまうことがあるかもしれません。血液検査で腎不全と診断されるときには腎機能はほとんど機能していないと理解しなければならないからです。

老齢期にさしかかった猫さんとご一緒に暮らしていらっしゃる場合、獣医さんからすすめられなくても(自ら申し出るなどして) 尿検査を定期的に行っておく と腎不全の端緒を早めにつかむことができます * 1 。猫さんが腎不全のために食欲低下したこと、体重が減り始めていることなど 猫さんの異変に人間が気づくときには中期から末期にさしかかっている からです。

ときには検査数値からは信じられないほどに元気にふるまう猫さんもいます。しかし 腎臓は再生しない臓器 です。外見からは分からなくても病状は日々進行しています。

診断されたあとは 心を落ち着ける ことと同時に、腎不全の猫さんとの 生活に必要なものをそろえる 必要があります。

フリーページに「 慢性腎不全猫のお手伝い 」として、 症状の進行にあわせて 処方食(療法食)や活性炭、皮下補液のときに便利な道具、強制給餌の道具のご紹介をまとめてみました。自宅でできる病状把握として 体重管理 ・体温管理などに役立つものもご紹介しています。

[目次]

●猫の慢性腎不全の治療

●猫ごはんについて
 ■自分でご飯を食べることができるなら
  ・処方食(療法食) 
    dry food, wet food
  ・このほか    
 ■処方食(療法食)以外のごはんも食べるなら
  ・活性炭の利用
クレメジン コバルジン ネフガード
 ■自分で食べるご飯の量が減ったら
  ・流動食の利用
    ウェットフード・粉末、経腸食、一般食、栄養剤の利用
 ■自分で食べるご飯の量がさらに減ったら
  ・強制給餌の道具

Bec Doux , 医療用のシリンジ、 ベビーフィーダー ジェントルフィーダー

●脱水改善・尿毒遅延のため 自宅で皮下輸液療法 をするなら
 ・自宅で輸液療法をするときにあると便利なもの
   手指の消毒剤、秤、ベビースケール(電子体温計)

●腎不全の症状がさらに進んでしまった場合は‥ 
 ■身体に炎症が起こりやすくなります
  ・清潔を心がけて予防& 中耳炎 外耳炎 は動物病院で治療します。
 ■スムーズな歩行が難しくなります
  ・ 緑内障 網膜剥離 による失明、 痙攣発作 に備えます。

●トイレに自分で行けなくなった場合は
 ・十分な量のペットシーツと ツメのお手入れ も大事です。

●おわりに


[注釈] New!

* 1 慢性腎不全の猫は「健常ネコに比べて尿中でのみTGF-β1レベル(TGF-β1/Cre比)が有意に上昇」しており「尿中TGF-b1はネコの慢性腎不全の診断および治療反応性のマーカーとして有用である可能性が示唆された。」荒田明香・大参亜紀・水越文徳・馬場健司・大野耕一・瀬戸口明日香・辻本元「ネコの慢性腎不全における尿中Transforming growth factor-β1」J. Vet. Med. Sci. 67(12):1253-1255[ 短報 ][ 要約 ]参照。
Sayaka ARATA, Aki OHMI, Fuminori MIZUKOSHI, Kenji BABA, Koichi OHNO, Asuka SETOGUCHI and Hajime TSUJIMOTO, "Urinary Transforming Growth Factor-β1 in Feline Chronic Renal Failure" 目次 ][ 抄録 ][ 全文PDF


[参考になるサイト] New!

・定期購読雑誌 Veterinary Focus--世界の小動物臨床 サンプルPDF(WALTHAM Focus Vol.12 No.2 (2002)) (マスターフーズリミテッド提供)
獣医師向け。日本語。カラー印刷。画像も豊富で分かりやすい。
*各分野の第一人者による執筆なので患者が腎疾患のプロトコルを知るのに役立ちます。

・「高齢の猫の慢性腎不全」
p4-9. Jonathan Elliott MA, Vet MB, PhD , Cert SAC, DipECVPT, MRCVS., Royal Veterinary College, London, UK
・「猫と犬における腎機能の評価」
p10-14 Dr. Markus Haller Dr. Med. Vet., Dipl ECVIM-CA.,Kleintierpraxis HallMa, Oberdorfstrasse 4, Boniswil, CH-5706, Switzerland
・「犬のタンパク尿:タンパク尿の測と解釈法 何故それが重要か?」
p15-20 Gregory F. Grauer DVM, MS, DipACVIM (Internal Medicine) Department of Clinical Sciences, College of Veterinary Medicine, Kansas State University , Manhattan, Kansas, USA. c.f. @THE WSAVA 2002 CONGRESS
・「WSAVA最新情報 猫の高カルシウム血症」
p21-23 Dennis J. Chew DVM , DipACVIM.,Ohio State University, Colombus, Ohio, USA
・「ウォルサム切り抜き保存用ガイド 尿検査の手引き」
p24-25 Gregory F. Grauer DVM, MS, DipACVIM (Internal Medicine) Department of Clinical Sciences, College of Veterinary Medicine, Kansas State University, Manhattan, Kansas, USA
・「WALTHAM Viewpoint 慢性腎不全の猫の管理-個々の猫の必要に応じて…」
p26-27 Jonathan Elliott MA, Vet MB, PhD Cert SAC, Dip ECVPT, MRCVS Royal Veterinary College, London, UK
・「慢性腎機能障害を伴う高血圧症の猫」
p28-33 Scott A. Brown VMD, PhD DipACVIM.,Departments of Physiology-Pharmacology and Small Animal Medicine, College of Veterinary Medicine, University of Georgia, Athens, GA 30602, USA





[猫の腎不全に関する記事]

・[ 2007-11-06

 腎不全の端緒のつかみかた、治療方法、待たれる新薬について書いています。
・[ 2007-10-24

 腎性貧血の治療として使われることのあるエリスロポエチンについて少々。
・[ 2007-09-02

 石灰化現象とその治療について理解するのに参考になる記事紹介。
・[ フリーページ

 猫の皮下輸液療法(皮下点滴、皮下注射、皮下補液)のtipsをまとめています。
・[ フリーページ

 いわゆるプレミアムフードの猫缶をあけた画像を一覧にしてみました。


はじめに ]をご覧ください。





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Last updated  March 23, 2008 08:51:45 PM


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