綿を植えよう。

綿を植えよう。

「月と心」





何年かぶりで

月の上に行ってみた。




受付のうさぎに

「わたしの心、ここに預けておいた私の心を
今日はここまで取りに来ました」

そう言うと

うさぎは
「そろそろ、いらっしゃる頃だと思っていました」

そう言って

後ろの重厚そうな扉をあけて
No2551のロッカーまで
私の心を取りにいってくれた。


私の心は、
真っ白な真綿にくるまれて
大事にだいじに保管してあった。


まだその心には
暖かい体温が残っていた。



私は、その心を
自分の体に、再び装着しよう。



そうすればきっと
足を地に付けて
心とともに、生きていけるような気がするから…。






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