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2010.08.01
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SSS

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たった一目で恋しあった


「そういえばさ」

なあに、と尋ねながらコーヒーをテーブルに置くドラえもんに、僕はありがとうと呟いた。
未来を夢見ていたあの頃から数十年。法律も変わり、人と共存する権利を得たロボットは今こうして当たり前に僕の傍にいてくれる。
僕は決して独りになってしまった訳ではない。愛する妻と子供に恵まれて生活しているが、たまたま今日に限って仕事が重なり、一緒に実家に戻るという機会を無くしてしまっただけだ。(もっとも、この時間に行くのは相手方に迷惑だというだけで、明日の朝には向かう手はずになっているのだが)

「ドラミちゃん。今はキッドと一緒に暮らしてるんでしょ?」
「……まあね」
「ドラえもん、眉間に皺寄ってるよ」
「別に今更許さないなんて思ってる訳じゃないさ。ただ、ドラミだってたまには帰ってくればいいのにって思ってるだけ」
「先週顔を出したばかりじゃない」
「あれはセワシくんの忘れ物を届けに来ただけでしょ!しかも急いでるとかですぐに帰っちゃったし!」
「まあまあ落ち着いて落ち着いて」
「……大体、キッドもキッドだよ。どうせドラミが来られないのだって、アイツがドラミにベッタリ甘えてるからなんだ」
「そうかなあ」
「そうだよ!前に僕らと結婚式の二次会で騒いだ時に言ってたでしょ!?『初めて逢った時、可愛くてついヘチャムクレなんて言っちまったけど…思えばあの時から好きだったのかもしれねえ』って!まあドラミは可愛いし優しいから仕方ないけど!」
「ドラえもん物真似上手いね…」
「はぁあ……ドラミの奴、なんでキッドなんかと結婚しちゃったんだ……」
「ドラミちゃんも一目惚れだったんじゃない?」
「そんな事知るもんか」

その後ドラミに逢いに行くんだ!と大騒ぎしたドラえもんを押さえ込むのび太の姿があったとか。


「ぶえっくしゅ!!」
「あらキッド、風邪?」
「……なんか、嫌な予感……」


(機械猫/の/.び太とドラえ./もん)








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Last updated  2010.09.12 01:03:36


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