ストーリー 捨てられた、折れたサーフボード。でも、二人にとっては宝物だった。
北野武の第3作は、前2作と打って変わって青春映画。主人公は聴覚障害者のカップル。ごみ収集車のアルバイトをする茂(真木蔵人)は、ごみ集積所で偶然サーフィンボードを拾ったことをきっかけに、すっかりサーフィンに熱中していた。
彼の練習する砂浜には、彼を見守る聴覚障害者のガールフレンド貴子(大島弘子)の姿があり、茂はサーフィン大会に出場するほどに上達した。
ほとんどセリフのない作劇は、聴覚障害者を主人公にすることで成立した監督北野武の策士ぶりを遺憾なく発揮している。2人がそろって歩くシーンや、武らしいナンセンスなコメディ部分のユーモアに加え、茂が貴子の部屋の窓に小石をぶつけて呼び出すシーンのリリシズムなど、それまでの暴力の北野映画の定評を覆す作品だ。(堤 昌司)
出演 真木蔵人 他
この映画にいくら出せますか? 500円~~1500円
音楽☆☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出 ☆☆☆俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆
コメントただ主人公のカップルは耳の聞こえない。 聾者。従がって台詞も無い。
武監督の映画は、必ず肉体的、或いは精神的に、不具を抱えた人が登場します。 これは、最新作「座頭市」の台詞に集約されている。
「盲目の方が、人の気持ちが良く解る」 「眼玉ひん剥いてても、見えねえもんは見えねえよな」 そういうメッセージが昔から描かれていた。 ということでしょう。
癒し系と言って良い本作で、ラスト近く唯一ショッキングな出来事が...主人公はいつも通り、 浜辺でサーフィンをしているはずなのに 彼女が駆けつけると姿が見えない。 浪打際には、彼のボードがたゆたう。
「死」を意味するとしか思えない。 その状況...
彼女はその サーフボードを抱え歩き始めます。 「想いで」も一緒に抱えて...
一人ゆっくりと寛ぎたい時にお勧めの。 爽やかで、少しだけ悲しい逸品です。