lovely days

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はじまり




2005年4月

Sさんと、たまたま一緒に帰った。
駅までじゃなく。また歩きたいと言うので。

前から1ヶ月経っていて、
私はYさんに失恋したこともほぼ乗り越えていた。

歩いて、のど渇いたねと彼が言って、自販機で飲み物を買って、
途中の公園のベンチでおしゃべりをしてた。

この時点でもう既にちょっとまずかったんだ、と今は思う。

自分でも、おかなしいな、何してるんだろうとは思っていた。
でも居心地がよくて切り上げられなかった。

公園でしゃべっていた時間は・・・30分くらい?
もうちょっとかも。座ってじっとしてるのはもの凄く寒かった。

彼に、「すごく寒いんだけど」(だからそろそろ帰ろうか)と言ったら、
彼は私の肩をさすってくれた。

言い訳かもしれないけど、私は失恋から立ち直って、
かなり頑張ってるところだったので、
少し甘える日があってもいいかなって思ってしまった。

彼が何回か私をさすった後、
私は彼の肩に頭をのっけた。でも少しだけね。

前一緒に帰った時の雰囲気から、
そういう時が来るのは予感していたかもしれない。
ただ、甘える日があってもいいと思ったものの、
せいぜいちょっとキスするくらいで、
後で振り返って、そんなこともあったなっていうくらいの事を
私は思っていた。

その時、彼はキスしなかった。

しばらくして帰ろうか、となり、立ち上がって
私は、そうかここまでね、と思った。


で、歩き出したけど、彼は私の肩を抱き寄せた。
抱きしめられて、彼が「こんなことしていいのかなぁ」と
言うので、私は「少しくらいならいいかも?」と答えた。
ただ離れたくなかったからだし、本当に少しだと思っていたから。
ちょっと抱きしめて、それで終わりだと思っていた。

だから、キスされた時は驚いた。
さっきは予想していたけど、もうないかと思っていたし。

でも、私の想像ではここまでが限界で、
それ以上のことはあるはずがないことだった。
家族や会社にばれる危険を冒してまで、
自ら同僚に手を出そうという人がいるとは思いもつかないことだった。

二回目にキスされた時、彼の手が胸に伸びてきて
また驚いたけど、ほどほどのところでやめてくれると思っていた。
(甘いですね。。)

なんでそんなことができるのか私はわからなくて、
かなりパニックになっていた。
やめて、とはあまり言えなかったかもしれない。

結局、私の思っていた「少し」をはるかに超えたいろいろがあり、
その後送ってもらったけど、頭の中はずっと「なんで」が駆け巡っていた。
この日からずっと。


Next ~ 翌日 ~





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