蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「鬼が来た!」

「鬼が来た!」を見る。やりきれない。
無味無臭のコールタールが、私の体内にゆっくりと流れ込んでくるような感覚。誰が悪いのか?日本人の軍人?中国人の農民?それとも国家?戦争?完璧な悪が存在しないが、誰でもなりうるその状況が、やるせない。様々な考えが、頭の中でせめぎあう。そのうちに、体内に入り込んだコールタール状の感情は、ゆっくりと冷えて石になるのだ。
監督&主演の姜文は、’87年「芙蓉鎮」という映画に出ている。
私はその映画を見て、姜文のファンになった。
圧倒的なその存在感。東洋の男のフェロモンを発散しているセクシーな魅力。これこそ「男」だと思った。
「紅いコーリャン」以来、久し振りに見た姜文は、画面という二次元の世界から覗いても、三次元の肉体を感じさせる素晴らしい俳優だった。

公式サイト http://www.gaga.ne.jp/onigakita/index.html




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