蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「レンブラントへの贈り物」

兵庫県立美術館で、「レンブラントへの贈り物」を見た。
最近「美の巨人たち」というTV番組で、レンブラントを取り上げていたので、ちょっと興味があった。本来は印象派の明るい色彩の絵画が好きで、レンブラントのような重厚な作品は苦手なのだが。
映画も、レンブラントの絵のごとく、重厚すぎて暗く感じた。
「美の巨人たち」でも解説していたのだが、レンブラントの生涯は、あまり恵まれていなかったらしい。
最愛の妻サスキアとの間に生まれた子を、三人とも赤ん坊のうちに次々と亡くし、サスキアも亡くす。四人目に産まれたティトゥスの乳母ヘルティエと結ばれたものの、後に婚約不履行で訴えられ、ヘンドリッキエという二度目の妻(内縁だった)を迎えたが、彼女にも先立たれ、息子のティトゥスも27歳の若さでレンブラントを残して死んでしまう。その間に破産もしているのだ。
これだけ見ると、寂しい人生だ。
しかし彼は絵を残している。彼が辛い人生を送ろうとも、後の世に残した絵は確かに存在している。そして後世の画家に、多大な影響を与えた。映画の最後にゴッホの言葉が書かれていた。
「幾度も生死の境を彷徨ったレンブラントだからこそ、あのような素晴らしい絵が描けるのだ」
ゴッホの生涯も恵まれていなかったし・・・。
他にゴヤ、ドラクロワ、ピカソにも影響を与えている。

出演していた俳優が、なかなか良かった。
ヘンドリッキエ役に「野生の夜に」「伴奏者」のロマーヌ・ボーランジェ、「トゥルプ博士の解剖講義」作品のニコラス・トゥルプ役にパトリス・ルコント監督作品では常連のジャン・ロシュフォール。説教師役に「サブウェイ」「タンゴ」のリシャール・ボーランジェ。
私の好きなP・ルコント監督や、リュック・ベッソン、フランソワ・トリュフォー、ピーター・グリーナウェイ、ジャン=ジャック・ベネックスetcこういう監督の作品にでている俳優がキャストに名を連ねている。
独特の映像世界を持っている監督ばかりで、けっこう私好み。
ルコントはもちろん、グリーナウェイの作品も一時凝って見たことがある。

画家の生涯を知った上で、彼らの作品を見ているのもいいかもしれない。





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