蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「陰陽師Ⅱ」

最近、野村萬斎さんのファンなった。いそいそと「陰陽師Ⅱ」を見るために映画館へ。
心待ちにしていた大画面での野村清明さま。
やっとお会い出来ました・・・。
いつ拝見しても凛々しいお姿。涼やかなお声。
ストーリーも、出雲伝説などを盛り込んで、それなりに楽しめた。
しか~し、一番楽しみにしていた、萬斎さんの「女舞」
これはいただけませんでしたな。
メイクと衣装がまずい。これについては、萬斎さんやスタッフの皆さんが、検討を重ねられた様子。
パンフレットにも、女装について書かれていた。
原作者の夢枕獏さんは「女装といっても、古典芸能の女形的なものではなくて、唇に軽く紅をさして、着ているものをちょっと変えたぐらい。あとはほとんど素の萬斎さんで、髪の毛も烏帽子を取った状態にした程度。そのさじ加減は丁度良かったと思っています」
と、言われている。う~ん。私は女の部分が演出過剰だったと思ったんですけど・・・。
萬斎さん曰く、「実際に十二単のようなものを着て、髪も女のカツラをつけたりもしてみましたよ。でもそれだと気味が悪いだけで。(笑)・・・後略」
う~ん、そうでしょうね。萬斎さんの色気は、シャズナのイザム(古いな)のような、「女」により近づこうとするタイプのものではないのだから。
だから、「女舞」の場面で、女を全て模する必要はないのだ。
男が女を演じるのなら、いっそ歌舞伎の女形のように徹底して女になり切ればよいのだが、狂言師であり、安倍清明を演じている萬斎さんが、中途半端に女にならなくても良いと思う。
いっそあの「女舞」のシーンは、いつもの清明の衣装で、髪だけほどけている状態で舞ったほうが、素敵だったのではないだろうか。
舞の型で、女を出してもらえれば、それでよかったと思う。

それにしても、前回は小泉今日子に、今回は深田恭子に(お、どっちもキョウコだ)呪術をかけていたが、そのシーンのエロティックなこと!
「せ、清明さま?何をされているのでおじゃる?」
と、動揺してしまったではないか。

前作のエンドロールでは、萬斎さんの舞が堪能できたのに。今回のエンドロールは、もちろん「女舞」
ふう~。
夢枕獏さんも、萬斎さんにたっぷりと踊ってもらいたい、前作のエンドロールの踊りが好きだったと述べている。
そうでしょ?原作者もそう思うよね?
そうなるとよけいに、今回のエンドロールの女舞が惜しまれる。

女舞の衝撃で、「陰陽師Ⅱ」は私にとって前作を越えなかった。





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