蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「暗い日曜日」



シャンソンの名曲「暗い日曜日」の制作秘話をからめたラブストーリー。
他のレンタルビデオで、この 「暗い日曜日」 の予告編を見たときから、気にかかっていた。
陰鬱なメロディとミステリアスなテイストの予告編が、脳裏に刻み付けられた。
ミステリーの要素が濃い作品だと思っていたが、歴史に翻弄された男女の愛が主題だった。

ブダペストにあるレストラン・サボーには、美しいウエイトレス、イロナがいた。
彼女はサボーの経営者ラズロの恋人で、ラズロはイロナの自由を認めながらも、心から彼女を愛していた。
レストラン・サボーには、彼女に心奪われたドイツ人観光客ハンスの姿もあった。
レストランで演奏するピアニストを雇い入れようとしていた二人は、オーディションに遅れてきたアンドラーシュを雇い入れる。
イロナの美しさに、アンドラーシュもまた彼女を愛するようになった。
アンドラーシュは、イロナに捧げる曲を作った。
「暗い日曜日」と題されたその曲は、美しいメロディであったが、聴いたものの心をかき乱す何かがあった。
アンドラーシュの部屋へ行くイロナを止めようとしないラズロ。
一人悶々とした夜を過ごすはずだったが、イロナにプロポーズし断られたハンスがラズロの前で川に身投げをした。
あわててラズロはハンスを助けあげる。

「暗い日曜日」は世界中で大ヒットしたが、同時に不名誉な噂もささやかれた。
この曲を聴きながら自殺をする者が続出したのだ。

イロナ、ラズロ、アンドラーシュの三角関係にハンスが加わり、「暗い日曜日」の旋律と共に、翻弄されていく男女の悲劇を描いている。

個人的には、ラズロのキャラが好き。
アンドラーシュは二枚目で(どこかで見た顔だと思ったら「カストラート」のステファノ・ディオニジだった)屈折した音楽家の雰囲気たっぷりなので、女としては惹かれるものがあるのだろうが、私はいまいち。
あんなに神経が細い人とは、一緒にいて疲れるんじゃないかなぁ~。
私はラズロがいい。
大人の魅力たっぷりで、それでいて情熱的に愛してくれる。
レストランでも、客の目も気にせず、イロナを抱きしめてはキスをする。
ハンスがうらやましそうに横目でみていたが・・・。
それにラズロとイロナの、あの入浴シーンも、ちょっと憧れる。
予告編からは、シャンソン「暗い日曜日」のジンクスに焦点をあてたストーリーだと思っていた。それで面白そうだと期待していたのだが、そういう点では少々期待はずれだった。
しかし、ラストはある意味どんでん返しで、衝撃を受けた。
彼女が洗っているもの、それは・・・・。
見てのお楽しみ。



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