蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「PROMISE」




「博士の愛した数式」「美しき野獣」と迷ったんだけど、新聞の広告を見て 「プロミス 無極」 に決めました。なぜって・・・?そ、それは・・・。

新聞広告で見たニコラス・ツェーさまがあまりにも美しすぎたから・・・。(撃沈)

あ、もちろんストーリーにも惹かれたし、チェン・カイコー監督の新作映画も見てみたかったからです。(汗)なんたって「さらば、わが愛/覇王別姫」の監督ですものね。

アジアのどこかで、まだ人間と神が共存していた頃のこと。
戦の後、死体が累々と重なっている場所に、一人の少女が立っていた。
彼女の名前は傾城。死者の手から、饅頭を奪い取ってきたのだ。飢えに苦しむ彼女の前に、運命をつかさどる神「満神」が現れ、こう言った。
「世の中のすべての男から望まれる姫にしてあげましょう。そのかわり、あなたは一生本当の愛を得ることができない。それでもいいですか?」と。
傾城は即答した。
「それでもいい」
そこから、すべてが始まる・・・。
傾城と、光明と、崑崙と、無歓と彼らを飲み込む運命が、その時幕をあげたのだ。

ストーリーは、なかなか楽しめました。ファンタジーなので、あんまり難しく考えないで見られたし。(笑)

ただとっても違和感があったのは、CGを多用しすぎたところですね。
真田さん演じる大将軍「光明」が、味方の何倍も多い敵を倒す時の描写にCGを使いすぎていて、かえって興ざめしてしまいました。たぶんCGを使うことによって臨場感あふれる戦いシーンを描きたかったのかもしれないけれど、逆効果かな。
パンフレットを見ると以下のような記述があったので抜粋しますね。

「同じように中国を代表する巨匠であるチャン・イーモウの『HERO』(03)、『LOVERS』(04)に刺激されたのか、香港映画的なアクションとCGを駆使した時代劇調のファンタジー・スペクタクル大作である。実は『HERO』『LOVERS』は『始皇帝暗殺』と同じ香港のプロデューサー、ビル・コンが手がけている。非常に大規模なオープン・セットを建設してリアルな迫力を出そうとした『始皇帝暗殺』よりも、CGを多用したファンタスティックな『HERO』『LOVERS』がヒットしたのは、チェン・カイコーとしてはくやしく思うところもあったのではないかーというのは、ぼくの勝手な想像にすきないが。」(映画評論家:宇田川幸洋氏)

なるほど、「HERO」「LOVERS」ではそうだったかしらね。たしかにワイヤー・アクションは多いな~と思ったけれど、CGを使っていたのは、あまり気にならなかったはず。
「始皇帝暗殺」は見ていないのでなんとも言えないんだけど、CGを多用しすぎるよりも、オープン・セットでリアルな迫力を出す方が、私は好きだな・・・。ま、費用がかかるんですよね・・・。(汗)

戦いの他のCG場面も、なんだか笑いを誘うと言うか、コミカルなシーンではないのに吹き出してしまいそうになりました。傾城(セシリア・チャン)が崑崙(チャン・ドンゴン)にお城の鳥かごから救出される場面。鳥の羽をふんだんに使った上着を着ていた傾城に縄をくくりつけて、崑崙は全速力で走るんですよね。そうすると凧の原理で、傾城は空高く舞い上がります。映像的には美しく、夢のあるシーンなんだけど、どうしても崑崙が凧揚げしているようにしか見えず、おかしくって・・・。敵に見つかって縄を切られ、文字通り糸の切れた凧状態で傾城が地上に落ちてくるし・・・。

この映画でなんたって素敵だったのは、前述の無歓役ニコラス・ツェーさま。お姿が美しいのはもちろんのこと、悪役の演技が際立って上手かったんですよね。傾城を求めながら、いつももう少しのところで手に入らない彼女を、愛憎混ざった感情で見つめる瞳が魅力的・・・。衣装もいろいろ変わって、(コスプレ状態)彼の魅力満載でした。私は主役の崑崙よりも、無歓に感情移入しちゃいました。
この役、ジヌくんがしたらどうだろう?なんて考えたりもして。(笑)きっと似合うと思う!

ニコラスについての記事をパンフレットから抜粋。

「真っ白のシンプルな着物、手には扇、人の目を見て話さないようなカリスマ貴公子ぶりがこれほど似合う若手スターはそうそういない。
北の公爵・無歓について、監督は「『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)のレスリー・チャンのようなソフトなうわべと内面の毒を持つイメージ」と言っている。
『さらば、わが愛/覇王別姫』は言うまでもなくチェン・カイコー監督の多々ある代表作の中で最も有名な作品であり、そこで今は亡きレスリー・チャンが演じた役柄は、彼にとっても畢生の当たり役であった。そのイメージを無歓というキャラクターに与えた監督の言葉には、万感の思いがうかがわれる。そしてニコラスも、無歓を演じたことで無歓から離れられなくなったと語り、自分と似ている部分は?と問われて『極端で、完璧主義で、わがままで、卑屈ですらあって・・・。すべて似ている』と言うほどの思い入れを見せている。」

香港の俳優、レスリー・チャンも大好きな俳優でした。コメディもラブストーリーもアクションも、何でも来いの役者で、セクシーなんだけれど愛嬌があり、男女ともに好かれるタイプでしたね。本当に魅力的な俳優でしたね。ニコラス・ツェーもレスリーのような俳優になる素質は充分です。先が楽しみな俳優です~。←目をつけたらしい。(ニコラスも乙女座なんですよね・・・)

しかし、真田さんにしてもチャン・ドンゴン氏にしても、北京語をよくあれだけ覚えたな・・・と感心しました。
最初ドンゴン氏の話す北京語を聞いて「あれ?中国人なのに言葉が変だな~」と思っていたのですが、すぐ「彼は韓国人だった」と気づき、それほど無国籍で汎アジア的な映画だったんだな・・・と思いました。





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