蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「僕は妹に恋をする」




ドラマ「花より男子」をイッキに見て、その後レンタルしたのは、映画 「僕は妹に恋をする」

松潤が、兄妹の禁断の恋をどう演じるのか、興味津々でした。
見終わった今でも松潤演じる頼の切ない気持ちが、私の心に染み込んでいて、まだ苦しい気分です。


<ストーリー>

頼と郁は双子の兄妹。幼い頃、遊んでいた草原で頼にシロツメグサの指輪をもらい、「郁は僕のお嫁さんだよ」といってもらった言葉を郁は今でも覚えている。彼女は勉強ができてカッコイイ頼が大好きなのだ。
しかし最近の彼女の心配事は、頼が郁にそっけない態度をとること。
頼の親友の矢野に交際を申し込まれた郁だが、頼のことが気になって、なかなか返事をすることが出来ない。
そんなある夜、頼は郁の寝顔を見ていて、もう自分の気持ちが抑えられなくなった。
彼は郁のことが、ずっと好きだったのだ。
郁の手にキスをし、自分の気持ちの高まりが抑えられなくなった頼は、彼女の唇に触れようとした。そのとき郁が目を覚ます。驚く郁に頼は、「ずっと好きだった。僕か他の男か選んで。」と言う。とまどう郁。しかし彼女は頼の気持ちを受け入れ、この夜2人は結ばれる。
その日から、頼の苦悩の日々が始まった。禁断の恋に身をやつした2人の行きつく先は・・・?


人を好きになると、幸せな気分になることもあるけれど、それ以上に辛く苦しい気持ちにもなりますよね。恋した相手が、好きになってはいけない人だったら、よけいに。
頼のその気持ちが、見ている私にもどんどん伝わってきて、見ながら辛くて辛くて仕方がありませんでした。

本当ならば、ずっと好きだった人と結ばれてからの時間は、幸せで仕方がないはず。それなのに頼にとって幸せの始まりが、そのまま彼にとって苦しみの時間のスタートになってしまったんですよね。自分だけでなく、最愛の人郁にまでその苦しみの時間を与えてしまった苦悩。

人目を避けて放課後の理科室で抱き合う2人。禁断の恋は、スリリングさをも併せ持っていて、その甘美な時間を手に入れただけで満足していた頼ですが、その時間をクラスメートの友華に盗み見されていたと知った瞬間から、2人の関係を隠すための努力を始めます。
そして友華も矢野も、郁までも傷つけてしまうんですよね。
頼と郁の甘いシーンを見てしまった友華もまた頼に好意を寄せていて、郁に付き合って欲しいと申し込んでいた矢野も、実は禁断の想いを持ち続けていたんです。
誰も悪くないのに、ただ人を愛しただけなのに、ただそれだけなのに、苦しみは果てしなく覆いかぶさってくるという現実。

双子の兄妹なのに、全く似ていない2人なので、「禁断」という雰囲気はあまり感じられず、ただ頼の苦悩が哀れで、『ど~して、好きな人と相思相愛なのに、苦しまなくちゃいけないの!』とちょっと腹が立ってしまいました。(笑)俳優2人が似ていないからこそ、できれば2人が結ばれるまでの生活の部分をもう少し見せてくれていたら、観客は否が応でも「2人は兄妹なんだ」と理解し、頼のその後の苦しみがもっと伝わってくると思ったんですが。
そうなるとラストシーンが、もっと共感できるものになったかな。あまりにも頼の苦しみが哀れで、このまま2人、誰も知らないどこか遠くに行って、ひっそりと愛を育みながら生きていって欲しいと思ってしまいましたから・・・。

それにしても松潤の制服姿は萌え萌え度バツグンでございました。
私の大好きな、ペッタンコのブラウスの胸にストンと落ちるネクタイが、めちゃくちゃセクシーで、ため息をつきながらの鑑賞でした。さりげなくズボンのポケットに両手を入れて立っている姿も、憎いほど絵になりますね~。美しくセクシーな男が苦悩する姿は、凄艶でさえありました。



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