蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ピカ☆☆ンチ ダブル」




一気に見てしまった嵐主演の映画 「ピカ☆☆ンチ ダブル」 についての感想を。

「ピカ☆ンチ」を見て、一気に彼らの世界に浸ってしまい、続けて「ピカ☆☆ンチ ダブル」を見たんですが、1作目でアメリカに旅立ってしまったタクマが3年後に再び八潮団地に戻ってくるところから、お話は始まります。

青春真っ只中の高校3年生だった彼らが、どのようにして社会に出て行ったのか、また大人の世界でどんな風に暮らしているのか・・・少しずつ見えてきます。
折りしも、懐かしの八潮団地は再開発の波に襲われようとしています。
六本木ヒルズのような「八潮ヒルズ」(笑)建設を推進する自治会派とそれを阻止しようとする住民一派「八潮ピース」が日夜小競り合いを繰り返しています。
ガウス八潮店で働いているハルも、「八潮ピース」の一員として活動をしています。
シュンは編み物学校に通い、今は教える立場に。ボンはさすらいの板前修業に出たまま行方不明。バリバリのツッパリだった忠にいたっては、サラサラヘアで白い歯も眩しく、家電量販店で働く一児の父になっているのです!

新開発の問題を絡めながら、物語の核は、あの5人がどのような大人になったのか・・・あるいはなっていないのかを検証していきます。

家庭を持つようになり、背負うものができた忠が、出世のために屋形船に乗らなくてはいけなくなります。苦渋の決断をする忠の姿に、涙が出てきてしまいました。

「オレは絶対にあの船には乗らねぇ」そう言っていたあの頃。
でも当時は、背負うものは何もなかったんです。守るべきものが増え、安全な道を選択していくのが大人・・・。まっすぐに生きてさえいればよかった、あの頃とはもう状況が違う・・・のでしょうか。

私は思いました。「あんな船に乗って、接待をしなければいけないことが、間違っている」と。根回し、接待、ワイロ・・・そのようなものを必要としなければいけない社会のほうが間違っているんだと。

きっと私もまだ青いんでしょう。彼らのように。
でも屋形船に象徴されるような大人の醜い部分を飲み込んでまで、大人になりたくないですね。それを大人というのならば。

でも忠は、再開発問題に巻き込まれた仲間を助けるために、再びあの頃の瞳に戻ります。

板前修業がなかなかうまくいかず、だしのとり方でつまずいているボンも、師匠に「だしには生き方が出る」と教えられ、技術ではなく、心で味を取ることに気づきます。

タクマも、ハルやだまされている地元住民の眼を覚ますために、みんなの心の歌「道」を熱唱します。ニノのその歌声のステキだったこと・・・。まさに癒しの歌声。胸がじ~んとしました。

みんなの心が一つになって、彼らはまた一歩ステキな大人に近づいていきます。

カリフォルニアに戻るというタクマを見送りにきた4人は、ハルからそれぞれノートを受け取ります。表紙には「LIFE IS HARD だから HAPPY」の文字。
1作目のラストで、アメリカに行くタクマが団地にかかる橋の裏に書いた「LIFE IS HARD だけど HAPPY」の文字と少し違っているのですが、この違いがもう最高にステキで、感動しまくりました。

「だけどHAPPY」も、前を向いている感じでよかったけど、「だからHAPPY」というのは、もはや哲学的ですらあると思うんですよね。

この2つの言葉を見たときに思い出したのは、イタリア映画の名作 「LIFE IS BEAUTIFUL(ライフ イズ ビューティフル)」

いえ、確かに単語が似ていますけど、タイトルにこめられた意味が、とっても似ているような気がするんですよね。人生楽しいことばかりではなくて、いやもしかしたら辛いことのほうが多いかもしれない。でもだからこそ、より多くの人生の滋味を味わうことができる。
そんなことを感じながら、「ピカ☆☆ンチ ダブル」の5人の成長を見守りました。

映画の主題歌「PIKA☆☆NCHI DOUBLE」の歌詞も味わい深いです。映画を見た後聞いたら、涙がこぼれてしまいました。

歌詞全部イイんんですが、特に感動したのは、以下。
眩しすぎる時間を大分過ぎてしまった大人にとって、心にヒリヒリと染みてくる歌詞です。

「終わったはずの夢がまだ 僕らの背中に迫る 刻まれた想い出が騒ぎ出す
限られた愛と時間を 両手に抱きしめる せめて今日だけは消えないで」


(おまけ)
こんなの見つけました。
「ピカンチ占い」


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