蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「立花隆秘書日記」

書籍名:立花隆秘書日記
著者名:佐々木千賀子
出版社:ポプラ社

感想:面白かった。
   紀伊国屋で平積みしてあったので、手にとって最初のほうを読んでみた。引き込まれてなかなか本を元の位置に置けない。無理やり手から引き剥がして、置いた。
   そして数ヵ月後、図書館で借りたのだが、夢中で読んでしまった。
   以前立花隆氏の「ぼくはこんな本を読んできた」という著書で、彼の秘書を募集した時の顛末を読んだことがある。それは立花氏から見た佐々木千賀子さんのことなのだが、今回の本は、佐々木さんからみた立花氏、秘書募集の顛末、秘書の仕事などを書いてある。
   「知の巨人」といわれている立花氏の秘書とは、どんな仕事をするのか興味があったのだが、私の好奇心を満足させてくれる内容だった。
   特に心に残った箇所は、立花氏が原稿を書くときに集める資料についての記述だった。集めるだけ集めて、使わない資料もあるが、それはムダではないそうだ。彼女は、資料のボリュームはまちがいなく文章に力強さや厚みを与え、執筆者の自信となって文章を支えるのだと言っている。いい言葉だなあ。
   ただ、最後に立花氏批判のような部分があった。もちろん批判するのは結構なのだが、どうしてこの本で?と疑問に思った。

   「はじめに」の最後に「評論家の秘書もなかなかいいものだ」という一文があり、「さいごに」 では立花氏に対して意見を言っている。なんだか一貫性に欠ける印象を受けた。それが筆者のねらいか?






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