蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ダ・ヴィンチ・コード」





書籍名:ダ・ヴィンチ・コード
著者名:ダン・ブラウン
出版社:角川書店

感想:毎晩チビチビと読んでいた 「ダ・ヴィンチ・コード」
惜しみながら読了。
絵画鑑賞が好きな私にとって、ルーブル美術館や名画が鍵になる、この作品はこたえられない。
下巻には、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の口絵がある。
その有名な絵を見ながら、上質のミステリーを楽しんだ。

ハーバード大学教授ラングドンは、その夜会うことになっていたルーブル美術館館長ソニエールが殺されたことを知る。
ソニエールの死体は、ダ・ヴィンチの素描「ウィトルウィウス的人体図」を真似た形で横たわっていた。まわりには彼の遺した数々のダイイングメッセージが。
犯人扱いをされるラングドン。
ソニエールの孫娘であり、フランス司法警察暗号解読官でもあるソフィー・ヌヴーは、ラングドンと共に複雑なダイイングメッセージの解読をはじめる。
真犯人は一体誰か?
ソニエールがソフィーに遺したものとは、一体何だったのか?

キリスト教についての知識に乏しい私だが、この作品を読んでいくうちに興味が湧いた。
宗教的な興味というより、歴史的或いは思想的な背景に面白みを感じた。

20年ほど昔、貧乏旅行しながらヨーロッパを歩いたことがある。
主な目的は美術館めぐり。
ロンドン(ナショナルギャラリー)、マドリッド(プラド美術館)、バルセロナ(ミロ美術館、サグラダファミリアほかガウディの作品群)、ニース(マチス美術館、シャガール美術館)、フィレンツェ(ウッフィツィ美術館)などを訪れた。
そのとき、名画を贅沢に眺めながら思ったのは、もっときちんとキリスト教についての予備知識を頭に入れてから、見ればよかったということ。
ウッフィツィ美術館に所蔵されている絵画は、キリスト教に纏わるものが多く、特にそう思った。

「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ時も、同様に感じた。
シオン修道会、オプス・デイ、聖杯、ローズ・ライン、十字軍、テンプル騎士団、マグダラのマリアなどキリスト教について精通している人ならば、おなじみの言葉が、いちいち気にかかる。
まあ、この本を読んだことで、かなりキリスト教の知識が蓄えられたが。
あとがきにある関連書も読んでみたくなり、こうして知識というものは得るものなんだなぁ~と実感する。




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