蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「女の悩みは男の数ほど」





書籍名:女の悩みは男の数ほど

著者:久田恵

出版社:洋泉社

なんだか洒落たタイトルだが、ラブストーリーにあらず。
副題の「久田恵の人生案内」にあるように、読売新聞紙上に掲載された、人生相談の本である。
読売新聞を購読している私は、もちろん家庭面の人生案内にも目を通している。
毎日繰広げられる人生相談の数々は、自分と身近な問題だったり、あるいは想像もつかない話だったり。
回答者の答えも、その人の人生や考え方が反映されていて、共感したり反発したりする。

映画監督の大森一樹さんも回答者の一人で、私は彼の回答に共感することが多いのだが、2ちゃんねるではかなり辛辣に批判されていたなぁ。
久田恵さんの回答も、私はかなり共感できる。

で、 「女の悩みは男の数ほど」
頁を開くと、いきなり「タイプ別悩み診断」が始まる。
「質問に答えていくと、あなたのタイプがわかります。その下の番号は、本書に登場する悩みの番号です。今、何か悩んでいるならば、その番号のページから読んでみてください。あなたの悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません」
このような説明が続く。
私は「人間関係にとまどいやすいあなた」らしい。

あとがきにもあるのだが、古典的な価値観が崩れつつある今でも、女の悩みは男にってもたらされていると感じる。
結婚した男性がどのような人間か、によって女の人生が左右されてしまう。
大酒飲み、浮気性、ギャンブル好き、浪費家に当れば目も当てられない。
反対に、子煩悩で家庭的な人だとラッキー。

ん?本当にそう?
久田恵さんはこう訴える。
「私は思います。女は、人生観、結婚観、家族観を変えねばならない、と。
『結婚したら、夫が私に幸せをもたらしてくれるはず』とか『子どもが私を幸せにしてくれるはず』とか、『誰かが自分を幸せにしてくれるはず』、という根拠のない願望を捨てなければならない、と。自分の幸せは、自分で掴み取るしかないのです。」
(「女の悩みは男の数ほど」久田恵 洋泉社 より抜粋)

男性にすべてを頼ってばかりいるから、何かがあればすぐ倒れてしまう。
自分の足で立てば、相手が倒れても一緒に倒れることなく、むしろ支えてあげることができる。
そんな生き方を勧めている。
もちろん女性ばかりではなく、男性側の意識改革や社会制度の整備も不可欠なのだが。
それに悩みのない人生なんて面白くも何ともないよ、と説く筆者。

人生悩みがあってなんぼ。
悩みながら成長していきましょう、そんな力強い筆者の言葉に、勇気をもらえる一冊。







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