蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「おおさか・元気・歌舞伎」

「おおさか・元気・歌舞伎」を見るため、初めてNHK大阪ホールへ行った。NHK大阪局の近くにあるんだろう、と漠然と思いつつ行くと、同じ敷地内にあった。
以前BKプラザに来た時、全然気がつかなかったので、隣にでも立っているんだろうとおもっていたのだが、まさか階上にあるとは・・・。びっくりしながらNHK大阪ホール直通専用エスカレーターに乗って、ホールへ到着。

演目は、まず演劇評論家・渡辺保氏と、中村翫雀さんによる「歌舞伎へのご招待」
歌舞伎の約束事から、今回の演目「引窓」のあらすじを説明してくれる。軽妙なやりとりで、笑いをとる部分もあり、なかなか面白い。
次は、先ほどあらすじを説明してくれた「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」より「引窓」
南与兵衛は中村翫雀さん、濡髪長五郎は坂東亀三郎さん、お幸に上村吉弥さん、お早には片岡孝太郎さん。
翫雀さんは、以前南座で公演していた、花形歌舞伎で拝見したことがあるが、なかなかさっぱりとした演技をするなあ、という印象を受けた。
義理・人情が絡む話の中で南与兵衛も、義母への孝行心とお役目への忠誠心との間で悩むのだが、その悩み方がネチネチしていない。
きっぱり決心した後は、決めたことに向かい邁進する。
孝太郎さんも、以前染五郎さんとの共演で拝見したことがあるが、若い女房役が似合っている。
元遊女で、今は南与兵衛の妻となっているお早を、ちょっとはすっぱな部分を残しつつ、けなげでかわいらしい女房を演じていた。
ろうたけた色気はないのだが、おきゃんで瑞々しい女性を感じることが出来た。
大向こうさんも、けっこう掛け声をかけていて、なかなか楽しい舞台だった。
最後の演目は「団子売」
杵造は翫雀さん、お福に孝太郎さん。
舞台背景も一転、華やかな色彩に変わり、とても綺麗な舞台だった。セリフはなくても、踊るしぐさや表情などで十分楽しめた。
「引窓」でじっくり見せて、「団子売」で華やかさを楽しませる。
なかなか考えられた演目だったと思った。

これでS席¥2800はお得!親子ペア券なら¥4000!
子ども(就学前は不可)の姿もチラホラあった。
小さいうちから古典芸能に触れるのって、いいことだと思う。
こういう機会をどんどん増やして欲しいものだ。

2003年11月16日 大阪NHKホール





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