蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

おおさか・元気・能・狂言




NHK大阪ホールでの「おおさか・元気シリーズ」は、親子ペアチケットが安価で手に入るのがうれしい。
一流の演者が出演するにもかかわらず、親子ペアでなんと¥2500ポッキリ。
チケ1枚が¥2000なので、子どもは¥500ってこと?
うれし~。

この「おおさか・元気シリーズ」は2003年秋から毎年、いつも親子ペアで見に行っている。

まず「能・狂言への招待」
葛西聖司アナと生稲晃子さん二人による、能・狂言の解説。
概略を解説したビデオをみた後は、待ってましたの萬斎さん登場。
いつもながら飄々とした風貌。
葛西アナや生稲嬢の“営業用”スマイルに比べ、彼の周りだけ違う空気が漂っているよ。(笑)

少々お髭が気になり、つい染五郎さんと比べてしまった。
染五郎さんも“髭が濃い”
私の好みは、つるつるのお肌の人なのだが、なぜか古典芸能系で好きになる人は髭が濃い。
ま、歌舞伎の場合は隈取などで髭の濃さは消えてしまうが。

観客に子どもが多く、特に最前列の上手側に小さい(といっても就学児だが)子どもが数人座っていた。
萬斎さんは、その子ども達が気になるのか、お話をしながら、チラチラ見ていたなぁ~。
葛西アナたちが舞台に出てきたとき、舞台後方にスクリーンがおりてきて、舞台上の人物を映し出していた。
もちろん萬斎さんも大写しになり、彼の視線の先がよくわかったので、萬斎さんが誰を見ているのか、気になりチェックしたのだ~。
萬斎さんが狂言「附子(ぶす)」の解説を終え、退場。

次は能「安達原(あだちがはら)」の解説のため、大西礼久さんが登場。
「安達原」の中で使う小道具、枠かせ輪(糸繰り車)の説明をする。
大西礼久さんは、ぽっちゃりとして色白のかわいい雰囲気の人。
こういう場所で話をするのに慣れていないのか、少々あがっているように見受けられた。
萬斎さんとは正反対。(笑)

いよいよ狂言「附子」がはじまる。
主が外出する前、太郎冠者と次郎冠者を呼んで言い聞かせる。
あそこにあるのは附子(毒)なので気をつけるように・・・と。
主が外出した後、太郎冠者はその附子が気になる。
駄目だと言われれば、よけいに気になってしまう。
止める次郎冠者をよそに、附子の入っている器のふたをあける。
最初はこわごわだった太郎冠者だが、だんだんと大胆になり、附子を舐めてしまう。
あまりの美味に、次郎冠者も附子を食べ始め、とうとう附子はなくなってしまう。
さて、彼らは主の怒りをどのようにしてかわすのだろうか。

狂言はこども達にもわかりやすいのか、大声で笑っていた。
その子ども達の大笑いを聞きながら、萬斎さんたち演者はのりにのって演技をしていた。

舞台はナマモノ、観客の反応がすぐ舞台上に伝わる。
そして演じるほうも、その反応に答えるべく、演技に力が入る。
双方向のやりとりが、舞台の醍醐味。
まさにその旨みを享受した舞台だった。

能「安達原」は・・・。
少々疲れていた私は、睡魔に襲われた。
やっぱり私にはまだ能ははやいのかな~。
同行した娘も「(演者が)全然動いていない!」といって退屈した様子。
後半、老婆が鬼女になって戻ってくるあたりから集中して見ていたが、前半は辛かったようだ。


2005年2月25日 NHK大阪ホール


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