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2007.10.16

医療崩壊のこと

テーマ：今日の健康状態は？(10621)

カテゴリ：医師として

医療崩壊、医療崩壊とよくいわれていますが、
医療現場にいる実感としては
マスコミが騒いでいるよりずっと事態は深刻です。
都会でさえ入院先を探すのが大変です。
産科、小児科でなくても、です。
少し前まで
「医は仁術」、
24時間365日医者は戦うもの。
「戦いを拒否する医者＝ダメ医者」という感じでした。
そのボランティア精神に頼って
日本の医療は成り立ってきました。
でも、それってやはり
「ありがとう」
と感謝されてこそ、だと思うのです。
最近の患者さんは感謝の気持ちがない人が多すぎます。

人はいつか必ず死にます。
でも、それを「医者が悪かったから死んだ」と
言われても困ります。
人にはそれぞれ寿命があり、
みんながみんな100歳まで生きられるわけではありません。
正直、
ガンの患者さんを手術したら亡くなった→訴訟
みたいなニュースには強い違和感を覚えます。
だったら手術しなければいいのにって。
医者が治療しようとして責められるのなら
治療したくなくなるのは当然ではないでしょうか。

アメリカの調査では
医療ミスの７割はミスではなくリスクだったそうです。
ミスとリスクの違い、おわかりいただけるでしょうか！？
たとえば
何のミスがなくても、お産は１００％安全ではありません。
最初から神様が決めた「リスク」があり、
何百例、何千例に一例は母体も赤ちゃんも危険なんです。
その安全じゃない部分を
「医者のせい」にされたらやってられない、ということです。

なぜ、今日こんなことを書いたかというと、
そうだそうだ！な記事を読んだからです。
患者塾、医療と報道
マスコミがいいかがげんな報道をし、
それを世間が信じている限り
医療崩壊、止まらないと思います。
結局、みんなの首が絞まっていくというのに‥

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