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ベルは野獣の胸に刺さった黄金の矢じりを、力を込めて引き抜いた。生命の泉から頭を浮き上がらせた野獣は大きく激しい呼吸をした後、ひととき静かに浮かんでいた。野獣の姿は、弱々しくちっぽけに見えた。心の中で祈りながらじっと彼を見つめ
ていたベルは、恐ろしい状況にも気丈に、精一杯の笑顔で彼に声を掛けた。
”食事の時間に間に合わなかったわ”
野獣は力無く目を開けるとベルを見つめて答えた。
”君は強がりを言っているのか?、、それとも習慣がそれを言わせるのか?” そしてベルから目をそらせて言った。”なあ、いつの日にか君は俺を愛してくれるんだろうか、、” ベルは愛情溢れるまなざしで彼の目を見つめて答えた。”、、もうとっくに愛しているわ”
今この現代にこそ古典の名作が求められていると感じたんです。何度も舞台、映画、テレビなどで作られてきたこの作品ですが、今回物語の新しい解釈をストーリーに織り込んで作品化しています。
一般に受け入れられていると思われる男女の愛のお話だけでは無く、母性愛を核とした家族愛の、そして過ちから妃を失いさらに強大な森の神に呪われ野獣に姿を変えられた王国の領主に対する、傷ついた心の救済の物語なのです。
おとぎ話の体裁をとっていますが、その内容は十分に共感できるもので、クリストフガンズ監督は、その辺を新たな観点で描ききっていると思いました。自分の出産で亡くなった母と家族に申し訳ない思いを胸に精一杯生きてきたベルは、人一倍自分に厳しく生きてきたのです。幼い頃から一家の母の代わりになろうと決意して!だから人一倍自分に厳しくそしていざとなれば家族の為に死ぬ覚悟まで出来ているのです。凛として毅然に家族を守るため城に現れた彼女。そんな彼女に、野獣は胸を打たれ、だんだんと心を開いていきます。
森の神によって広大な緑の監獄と化した領地で野獣に姿を変えられ、孤独に暮らしていた王は
彼女の愛を得るためにやり直そうと思うのです。
恋愛映画はたくさん作られていますが、本当に心を打つ作品はなかなかないと思います。ハッピーエンドでああ楽しかったなあ。でも持って2年くらいじゃない?この作品のカップルは。みたいな(笑)だからこそ今の時代、家族、特に女性に母性愛が問われる、求められるんだと思うんです。恋愛映画の本場フランスの監督もそんな思いを込めてこの映画を作ったんじゃないでしょうか。
あと、久々にサウンドトラック盤(仏盤)がバッツグンです!!もう毎日ヘビーローテーション状態(笑)
そしてなんといっても、レアセドウのドレス姿は最高です!なんて美しい!!千の顔を持つ女優、コケティッシュでメランコリーな眼差し、久しぶりに夢中な女優さんです、もう最高にお気に入り! 来年公開の007のスペクター要員で敵手を演じることになりました 。 ぜひ007をコテンパンにしてほしいと思います!