彼の放浪の人生には、私自身の人生が反映されている。自ら創作した架空の人物の心は、私自身の心でもある。まさに 「人生とは旅のようなもの」("Life is like a voyage.")
という諺を、身を持って体験した私が、人生の辛さ苦しさ、そして喜びと希望といった感情を、 「国を持たず様々な地を彷徨する」
パレスチナ人アルブラートという架空の人物のヴェールを通して語っている―そんな感じがする。
それに対し、別の組織が台頭して来る。それが、 「パレスチナ解放人民戦線(PFLP)」(Popular Front for the Liberation of Palestine)
である。このグループは、先ほどの「ハイジャック事件」の主犯グループであるらしい。設立者は ジョージ・ハバシュ氏
(George Habash, 1926年8月2日~ )であり、彼はパレスチナの「解放運動」指導者であると同時に、医学博士である。(Wikipedia 参照)