歩き初めは1月3日、スタートは東京メトロ東西線「門前仲町」。
駅上の永代通りはすでに初詣客で溢れる。
その人混みをかき分けかき分けて、深川不動尊の山門前。
境内への参道もすでに身動きの出来ない状態、
すぐお隣の富岡八幡宮に移動するも、こちらもお参りの列は延々。
仕方がない、列を外れて不動尊の裏側に回る天邪鬼。
ここ富岡八幡宮は「勧進相撲」の発祥の地、
「横綱力士碑」をはじめ、相撲に関わる石碑が多く立ち並ぶ。
さらに周りこむと、そこはお参りする人影の全く無い「七渡弁天神社」、
喧騒から隔離されたように、静かな佇まいの地主神が現れる。
初春そうそう弁天様にご縁を頂き、ゆっくりお参り。
これから本格的に歩き始めることに・・・
八幡橋東から平久川に並行する道を亀久橋~平野~三好と、
やがて見覚えのある一角、 「深川江戸資料館」
前に出る。
江戸の下町を代表する深川で、趣向を凝らして江戸のあれこれを
紹介展示する、単純にそして大いに楽しめる資料館だ。
(残念なことに7月までは大改修で閉館)
資料館の周りには多くの寺社、そして名物「深川めし」や
駄菓子などの店が点在し、懐かしさと共に江戸の趣を思わせる。
すぐ前には清澄庭園、清澄通りを清澄白河~森下~本所二之橋、
横切る京葉道路を渡り、両国に入る。
宮内庁御用達
お誂え足袋の店
「喜久や足袋本舗」には巨大な力士の足袋、お土地柄だ。
両国にはお馴染みの 江戸東京博物館
、ここで暫しのコーヒータイム。
特別展「いけばな~歴史を彩る日本の美~」開催中。
興味は大いに有ったが時間の都合で割愛。
その後、初めて訪れる「慈光院本願寺」に足を向ける。
鐘楼が印象的な「慈光院」は、関東大震災の直後、
被災者の救護、その犠牲者の追悼のために建立された、
浄土真宗のお寺である。
そう広くない境内には旅姿の親鸞像がこちらを向いて立つ。
道を挟んでその前が「横網公園」、
そこには震災と空襲の犠牲者を悼む「東京都慰霊堂」(昭和5年竣工)、
その資料館として「復興記念館」(昭和6年竣工)が建つ。
慰霊堂には震災の遭難死者58,000人の遺骨、
東京大空襲の身元不明遺骨が安置されている。
講堂の内部は教会のような厳かさが漂う。
震災後の火災で溶解した車や鉄柱の野外展示。
震災の恐ろしさを思い起こされた「横網公園」を後に、
公園裏側から蔵前橋通りに出る。
隅田川に掛かる蔵前橋を渡り、
蔵前1丁目を右に、江戸通りを進む。
蔵前から厩橋、駒形から浅草方面に向かう。
「駒形どぜう」の看板が見えてくると、
ゴールに決めた都営浅草線「浅草」駅まではもうすぐだ。
この日は、新年を祝う門前町の賑わいと、
それとは対照的な震災の慰霊堂という、
明暗の入り混じった空間を歩き抜けた
不思議な一日だった。
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