家庭保育室太陽

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悪の道に誘うのは大人



 9月5日は、沖縄の那覇市にあるパシフィックホテルで講演会でした。台風のため来るべきはずの人の半分近くが会場に来ることができませんでした。しかし、このホテルに宿泊し台風のため缶詰となっていた、滋賀県のある高校の生徒たちの一部が講演に来てくれました。うれしかったです。講演の方は台風には負けていなかったと思います。

 また、前日の4日土曜日には、風速25メートルの強風と雨の中、那覇の国際通りを夜回りしました。うつろに街角の屋根の下で座り込む高校生の少女たち、ゲームセンターで夜を過ごす中高生…。多くの出会いがありました。

 ゲームセンターでは、店長と喧嘩をしてしまいました。「なぜ中高生を入れるのか。営業停止ですよ」という私の声に「私服だから歳はわかりませんでした」と答え、私が子どもたちに「中学生、手を挙げてごらん」と言って手を挙げさせると気まずい顔…。

 久しぶりに私も怒りました。なぜ子どもたちを食い物にするのか、なぜ子どもたちを大切にしないのか、話していました。店長は神妙な顔で聞いていました。彼にも良心はあるのです。

 今、多くの大人たちが、大切な子どもたちを食い物にしています。子どもたちを買春する大人、薬物を誘う大人、子どもたちを悪の道に誘う大人、このゲームセンターの店長もです。

 今、日本の多くの子どもたちが、ある一線を越して、非行や薬物乱用、リストカットやオーバードーズ(処方薬などの過剰摂取)に走っています。しかし、このある一線を子どもたちに越させてしまったのは、すべて大人です。

 子どもたちは、私たち大人の明日への夢、未来への希望です。店長の神妙な顔に、私は大人の中に残る優しさや良心を見ました。子どもたちを慈しみ守る、その心を少しでも多くの大人たちが持ってくれれば…。子どもたちは、ただ大人からの優しさを待っています。

 2004年9月15日


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