家庭保育室太陽

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障害児保育④自閉症児


 その特徴
① 幼児期までは他動でこちらからの関わりを嫌うような「ひきこもり」傾向が見られる。
② 話し言葉の獲得や、ことばの理解に困難が見られる。「エコラリア」とよばれる反響言語。心地よいフレーズのCMソングなどを繰り返す「常同語」。欲しいものを要求する「クレ-ン現象」が顕著に現れる。
③ 初期には扇風機や車両などの回転するもの、ペラペラめくれるもの、数字や文字などのかたちある「視覚刺激」に固執するようになる。又 ミニカーやブロックなどを決まった順序で並べる。物をおく位置にこだわる。道順や順序にこだわる姿を「同一性保持行動」といいます。

自閉症の原因は不明です。
しかし、「母子関係」に原因がある障害ではありません。
ことばの理解や対人関係をつかさどる「虫枢神経機能」に何らかの異常を持っていると現在では考えられます。

自閉症の子ども達
いろいろなこだわり「固執傾向」は障害の現れと発達段階の特徴のあらわれというふたつの理由が作用しているのです。
ある発達の力がなかなか獲得できない、あるいは乗り越えられない。「発達のつまずき」の現れといってよいでしょう。
子供たちはみな、新しい人や物や空間に強い不安を抱く発達段階があります。
それが「安心できる自分の世界」とそうでない「他者の世界」。「他者の世界」にをもつ「二分的世界」です。これは普通8ヶ月頃の発達的特長です。
自閉症の子どもはこの矛盾した心を乗り越えていく事がむづか。しいのです
その不安を「物によって紛らわし、支えられようとしている」それが、「こだわり」の現れる一つの理由と思われます。
自閉症の子供たちは、何故心の支えとしての信頼できる人間関係を結ぶ事が難しいのでしょうか。
子供たちには多くの「得体の知れないものへの不安」があります。
自閉症児にとって「人」は「得体の知れない存在」の代表格なのです。

自閉症児の保育
信頼できる人間関係を結ぶ事が大切だからと言って、大人の方から無理に目を合わせようとする「直接的指導」をするのではなく、「人という存在への不安」が大きいのですから子どもが怖がらないように、距離的、時間的な間を持って関わる事が大事です。チョッとゆったりした気持ちで寄り添うならば子どもの不安な心は軽くなるでしょう。そして、子どもの方から視線を合わせてくれるでしょう。(遠回りの指導)
滑り台が上手に滑れたり、積み木が上手に積めた時、「上手に滑れたね!」「上手に積み木がつめたね!」と言葉を添えると、子どもなりの、達成感が生まれるのです。大人の自然な感情を表す事により、子どもは自らの活動への受容感をもって相手のまなざしを受け止め、子供のほうから視線を合わせてくれるようになるでしょう。そして、しだいに子どもの方から距離をちじめて来るでしょう。すると、大人の背中や膝を求めてくるようになります。
相手が得たいの知れない存在から安心してよい信頼できる関係に変化してくるのです。
自閉症児の子どもは人という得体の知れない存在に強い不安を感じつつ、実は相手の反応をうかがっているのです。
自分の思いが伝わったと言う実感が子どもの中に相手への信頼感を生みます。信頼される関係を大切にすると「おんぶや抱っこ」をその人に求めます。それが、子どもの安心できる事であり大人に期待している反応です。しかし「おんぶや抱っこ」が長く続くとそこからの人間関係を広げる事ができません。    
楽しさと意味を共有する。
プール遊びをとうして自閉症児が子供たちの輪の中に入れるようになった。と言う話は良く聞く話ですがこれは「プールが自閉症児に効く」と言うことでは有りません。その子達にとってプールが本当に楽しい事であれば、自分からプールの友達の輪の中に入っていこうとするでしょう。本当の楽しさを感じているならばその感情に導かれて「場面」の中に自分の居場所を作れるよううになるのです。
人間関係は「共有」できる「仲立ちの世界」です。
その「世界」をやい説に育てる事です。そのことによって自閉症児の子どもたちは「集団」の中に自分の居場所を作る事が出来ます。
次に 「○○がで来た」「○○をつくった」と言う結果や意味が理解しやすく、共有しやすい活動がたいせつです。子どもには生活の中で経験し、イメージしやすい活動が大切です。子どもに「挑戦できる活動」「憧れる活動」を広げていきましょう!
生活の活動はそのわかりやすさに加え、活動が連鎖的に広がり、それが子どものイメージや生活の流れを見通す力に繋がり自分への自信を広げます。
 問題行動と子どもの願い
障害がもたらす困った行動を「問題行動」と呼ばれることがあります。しかし「問題行動」のうらには子供たちの前向きな葛藤が横たわっているのです。
自閉症児の見せる「パニック」も多くの場合何らかの要求が生まれてきているう結果です。
「自傷行為」もイライラした気持ちの発散であると共に我慢し様としている葛藤の現われです。
「常同行動」は「何かをさせよう、何かを言わせよう」とする相手の意図を読み取りそれを回避しょうとしているのです。
このような行動を障害の現れと見るだけでなく「背景にある人としての心の世界を理解しようとする姿」です。

障害が有ろうと無かろうと「人の矛盾を乗り越えて発達していく」存在です。
どんなに障害が重くとも発達への願いを放棄する子どもはいません。
矛盾を乗り越える時の葛藤は強いものです。そんな子どもの心の世界にはいって障害と向き合い共に「矛盾葛藤」を乗り越えていくような保育姿勢が大事と思います。
そのとききっと「問題行動」の裏の子どもの心の様を見ることができるでしょう。



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