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そこは、たくさんの車線が重なり合う巨大な交差点でした。 信号機はなく、大型車が埃を巻き上げて往来していました。 その交差点の先には、犬や猫や動物たちの屍が沢山ありました。 交通事故に遭い内臓破裂で死んだ者や 熱中症にかかり泡を吹いて死んだ者や 理由も告げられずガス室で殺された者がいました。 幸福な最期だった。とは、とても言い難い動物たちでした。 でも、屍たちにはまだ魂が宿っていて、誰かに何かを伝えようと 耳をピンと立て、悲しくもやさしい眼差しで天を仰ぎ 一意専心に念じていました。 万が一を確かめつつ、その場を静かに立ち去っていきました。 誰が運転して、何処に向かっているのか分からないまま 景色のない景色の中を走り続けました。 同乗者が数名いましたが、沈黙だけが流れていました。 長いのか、短いのか、時間経過は皆無でした。 そして、景色のない景色の中を走り続けました。 灰色のような、白のような・・・。 広野のような、トンネルのような・・・。 突如、道路の両側にアーケードが出現し また、巨大な交差点に差し掛かりました。 交差点の先に目を凝らすと、先程とは異なる屍たちがいて やはり、誰かに何かを伝えようと、天を仰いで念じていました。 しだいに、屍たちが念じるときに、口もとから漏れる小さな声が 読経のように聞こえてきました。 それは、忠実で、思慮深い、見えない力に導かれるように そして、目覚めても忘れないでと、優しく諭されているように 欠けてしまった心に、じんわりとしみ込んできました。 わかったよ。ありがとうね。
2015年07月13日
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タクト、見てるのかい。
2015年07月12日
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職場の仲間たちが高尾山のビアガーデンに誘ってくれました。 20年以上も前に友人たちと来ましたが、歩いたコース等はほとんど忘れています。 多分、20代の頃に2回位来たと思います。 高尾山のケーブルカーに乗るのは、初めてです。 昔来たときは、頂上までのハイキングコースを歩きました。 たしか1度目は梅雨時で、2度目は秋だったと思います。 ケーブルカーは50周年になるんだね。 シャトルの貸し出しもあるんだね。 登山シーズンになると「みんなで登ってみたいね。」と話していました。 でも、結論は「山道はタクトの腰に負担がかかるといけない。」と言って諦めていました。 降ったり、晴れたりの山の天気でしたが、全員集合完了です。 ビアガーデンは、食べ放題and飲み放題のバイキングでした。 焼き鳥やおでん等の定番料理でしたが、山の上では各段と美味しかったです。 お酒も進みましたよ。(^^)v おかわりを持って来てくれた若手が 「最近、元気ないみたいですが・・・。」と声を掛けてくれました。 「そうかなぁ。いたって元気だよ。」(^^)v 本当は・・・。 楽しい時間って、ほんと過ぎるのが早いですね。 「みんな、ありがとうございます。 とっても楽しかったよ。」 タクト、聞こえているのかい。
2015年07月11日
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タクトへ もう一度だけでいいから、会いたいよ。 あの朝、お父さんは仕事に出て、お前の最期を看取ってあげられなかった。 このままで次の季節を迎えていくのは辛いよ。 だって、来年の公園の桜は、もう一緒に見れないってことなんだよ。 ね、どこにいるのさ。 迎えに行くから、お父さんに居場所を教えなさい。 もう一度だけでいいからね。 だからお前からも、神様にお願いしておいてくださいな。
2015年07月06日
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先日も、わんこ仲間からお花が届きました。 本当にありがとうございます。タクトの祭壇はいつも季節の花に包まれています。 買い物に、通勤にと、この街を歩くと 何処も彼処もタクトとの思い出の足跡ばかりです。 紫陽花の花 市民体育館横の紫陽花をよく見に行きました。 この時期から夏に向かっては、タクトの苦手な高温多湿な季節の到来でした。 私鉄とモノレールの乗入れ駅 帰宅時にエスカレーターで降りていくと、駅の出入口まで迎えに来てくれました。 気づくと耳を寝かせて、お辞儀をしながら歩み寄って来て、甘えてくれました。 玉川上水 橋の欄干から顔を出して、波間に浮かぶカモを眺めていました。 カモが突然に飛び立つと 吠えて欄干に頭をぶつけたりして、バツの悪そうな顔をしてました。 バス会社の出車口 夜は、背丈の低いタクトは死角になるので、抱っこで通りました。 途中に自販機があって、きれいに並んだドリンクのサンプルを見るのが好きでした。 近所のスーパーマーケット 散歩途中に寄ると、自動ドアから店内を覗き 買い物をしているママさんを一生懸命に探していました。 小学校裏の歩道 白線の上を歩いて、時々得意気な顔で見上げてくれました。 歩調が合わないときに、タクトの足を踏んだりすることもありました。 小さく「キャン!」の後、踏まれた前足を上げてプルプルします。 その足を両手で包み「痛いの飛んでけぇ~」と唱えながら、撫でてあげると また、ご機嫌で歩き出しました。 箱根駅伝予選会 この街は大会コースです。 いなげやの交差点からTSUTAYAまでの、風冷たい沿道で応援しました。 タクトの位牌の前には、タクトが好物だったお供えが置いてあります。 そして、日に何度もお線香をあげて、笑顔で話しかけます。 それ以外は、タクトが生きていたときと変わらない毎日です。 朝起きて、食事をして、出勤して、洗濯して、テレビを見て、掃除をして コーヒーを飲んで、会議に出て、買い物に行って、帰宅して、夕食を食べて 時々お酒を飲んで、風呂に入って、PCを見て、寝る。そして、また目覚める・・・。 「前に進みたいとか、しんどいから止まっていたいとか。」 そういったモチベーションはまったくありません。 常に喪失感だけで、フワフワと宙に浮いている感じです。 実体はこの世から消えてしまいました。 それでも、タクトのアルバムを整理したり、生前のDVDを観たり わんこ友達と電話やメールをしたり、このブログを書き続けるなど それぞれが気持ちの赴くままに過ごしています。 多分無意識で、満たされない気持ちを、埋めようとしているのだと思います。 「なんで、こんな可愛い子が死んでしまった・・・。死なせてしまった・・・。」 きっと、自己分析が届かない、心の深いところでは ドロドロでグチャグチャの、底なしのペットロスなのかもしれません。 でも、今はこのままでいようと思います。 今後、心身共に健康な生活を取り戻していくには 楽しい会話したり、外食をしたり、映画を観たりして、自然な気分転換等を繰り返して 感情と感覚のバランスを整えていくことが必要だと思うのです。 タクトが息を引き取った日の午後に、職場の同僚が亡くなりました。 時代の大きな波を共に乗り越えてきた、例えると「戦友」でした。 仕事のできる優秀な男でした。 よく一緒に酒も飲みました。強面だけど、世話好きで真っ正直なやつでした。 先日、お葬式のお手伝いに行って来ました。
2015年07月03日
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