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2008.11.13
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カテゴリ: ドラマ


最後の謎解きで「あっ」と思ってしまった。不覚。

なり代わり……あれ、入れ替わり?なりすまし?とにかく「オレがオマエでオマエがオレで」です。宮部みゆきの『火車』ですね。

幼くして両親と死に別れ、兄は殺人犯で服役中という不幸な女。偶然にも隣に住む女も天涯孤独で不倫中という幸薄い類友だった。ある日お隣さんが自殺し、女は自分の境遇から脱出する方法を思いつく。この女と入れ替わって、この女として生きていけば……!
ところが6年後、この女が殺人を犯していたことが発覚し、自分がその罪まで背負わされそうになる。


あ、ほんとに「火車」だ。(私は『火車』が宮部みゆきの最高傑作だと思う)

誰かと入れ替わるなどということを思いつくのは、それこそ失くすものが何もないド不幸な人だけです。さらに相手が身寄りも友達もいないというのが必須条件。世の中でこんな不幸同士が出会ってしまったときに起こるんですね。なんか切ない。

犯罪者の身内の苦労、贖罪についても触れられていました。
妹はオシャレも旅行もせず、遺族に現金を送り続け、そして遺族はそれを開封することもない。毎年命日には顔を出し、追い返される。
誰にでもできることじゃありません。右京さんも感心してました。
そんな人が、自分を守るためについた大きな嘘かあ。
あーあ。特命係さえいなきゃなあ……。(禁句)

最後、女の兄が「見逃してくれ!」と土下座するのですが、やっぱり特命係は見逃したりしないのです。例え真実を明らかにすることで誰も幸せにならないとしても。
うん、ほんとに誰も幸せにならないね。

「杉下の正義は時に暴走するよ」と官房長も言ってました。
彼の存在って、一体なんだろう……











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Last updated  2008.11.13 10:40:38
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