PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ
フリーページ
皆さんは、書店に行って、別に買う気もないのにいつもいつも目に付く本ってありませんか?群青学舎。。。この漫画は何故か書店に行くたびに私の前に現れ、(私は目が合うと言っていますが。)買え買えと言ってくるのです。そういえばエマもそんな漫画でした。奇しくも両方ともエンターブレインの本ですね。
約1年、そんな風に目が合ってはシカトし続けていたのですが、先日ヴィレッジでまで出逢ってしまい、あそこのアホな煽り文句にも負けて、とうとう購入してしまったのでした。
読んでみて驚きました。新人なのだそうですが、画力、ストーリー構成力共に抜群ですし、舞台も日本、ヨーロッパ、異世界ファンタジー(?)とかなり器用にこなしています。
そう。短編集なのですが、1篇1篇舞台も違うしストーリーも千差万別、ただ何かしら「学校」に関連した話なのですね。
1巻2巻共に中篇が収められているのですが、私が気に入ったのはその「白い火」と「北の十剣」です。
「白い火」は優等生の漣子とちょっとドロップアウト気味な静間の物語。漣子は時々静間にお金を借りに来る。でも、何も事情は話さない。実は漣子には暴力を振るうような兄がいたのだが。。。
漣子はとてもしっかりと自分を律するような女の子なのですが、最後にだんだんと鎧っていたものがほぐれていくシーンがとてもいいです。
「北の十剣」は北欧から取材したような異世界ファンタジーです。王の弟によるクーデターによって全てを失ったグゼニア姫の王位奪還と王弟の息子ルーサーとの秘めた恋。
気が強くて色気があってゴージャスな姫が素晴らしい。
入江亜季の描く女性キャラは力強くてとても美しいけれど、ちゃんと女らしさを残して可愛らしく、男性キャラはその女性を包み込んで余りある包容力に溢れていています。そのせいなのか、何となく古風な感じがしますね。読んでいて何度も昔の少女マンガの匂いを嗅ぎ取ってしまいました。萩尾望都とか獸木野生とかをちょっと髣髴とさせます。実は私と同年代なんじゃないかと疑ってもみましたが、インタビューを読むとやっぱりお若いのかな。
その他気に入ったのは鬼気迫る自然描写の「森へ」、小太刀先生ノーブラ疑惑「先生、僕は」、何をやってもだめなブラスバンド部1年生の小番君「彼の音楽」。。。他の作品もどれも優劣が付けがたいです。
さて入江さんが、このままずっと短編を続けていかれるのかどうか知りませんが、この先一度は代表作となるような長編にチャレンジしていただきたいものだと思います。独自の世界観をお持ちのようだし、それだけの力量があると思われてなりません。
それにしても、本屋さんで3ヶ月以上目があってしまうような本は、さっさと諦めて買ってしまうべきだなあと、今回はつくづく思ってしまいました。
コダマの谷 も買わなくっちゃね~。
以下はリンクはコミックビームのインタビューです。漫画の中のカットなども載っていますので興味のある方は是非ご覧下さい。
東京ゴースト†トリップ 葉芝真己著 2009.08.31 コメント(8)
彼は花園で夢を見る よしながふみ著 2009.06.29 コメント(2)