猫まんなのもこもこ手紡ぎワールド

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ボスニア料理2種

ボスニア料理
ボスニア料理写真

フィロ(phyllo, fillo)というものを御存じでしょうか。薄い紙を何枚も重ねたようなペイストリー生地です。地中海地方でよく使われ、デリでほうれん草のパイを食べたことがある人も多いかと思います。
今回は、フィロを使った料理です。作ってくれたのはライラ・ヌーヒッチさん(Lajla Nuhic)。食べ盛りの二人の子供たちが、いつもリクエストするのが、ピタと呼ばれるフィロの料理です。詰め物によって呼び名も、見た目も違い、いろいろと種類も豊富だそうですが、今回はほうれん草のものと、ジャガイモのものを教えてもらいました。肉を使わない分、たっぷりと乳製品を使います。
どちらも単独で食事になります。普通、サラダやスープは付かず、コップにたっぷりのバターミルクかケフィールという飲むヨーグルトを添えて供します。また、2種類以上のピタを一緒に出すこともないそうです。出されたときは、「えっ、今日の御飯これだけ?」とびっくりされるかもしれませんが、これだけで結構おなかいっぱいになります。
たいへんに見栄えのする料理なので、パーティーにも最適です。さめても美味しいのでお弁当にしてもよいでしょう。ただし、温めなおしはオーブントースターで一回まで。何回も温めなおすと乾燥してしまいます。電子レンジは不向きです。
フィロは冷凍食品のセクションで、一箱一ポンド、20枚入りで売っています。冷蔵庫で一晩、または室温で5時間位おいて解凍しておいてください。必ず詰め物を先に作り、包みはじめる直前まで、箱にいれたままにしておきます。

クロンピルーシャ Krompirusa

クロンピルーシャ

形は自由ですが、見栄えのする「うずまき」にしてもらいました。フィロはなるべく破れの無いものを使ってください。

【材料】4人分(10個-12個分)
ジャガイモ 5-6個(約800g)男爵、またはRusset
タマネギ 1個半 (約250g)
塩 大さじ1
こしょう 適宜
バター、サラダ油 各大さじ2(溶かす。電子レンジを使うとよい)
フィロ 10-12枚(約1/2ポンド)
サワークリーム 適宜

【作り方】
1. ジャガイモは皮をむき、すぐに水にさらしておく。これを5ミリ角くらいの粗みじんに切り、再び水の中にもどしておく。
2. タマネギも粗みじんに切る。
3. ジャガイモの水気を切って、タマネギとあわせ、塩こしょうをしてよく混ぜる。
4. フィロを箱から取り出し、10枚重ねたまま、カウンターの上に横長になるように置く。
5. 指先に油をつけてフィロの表面にぱたぱたとたたくように油を散らす。刷毛でぬってもよいが、やぶれやすい。天板にも油を塗る。
6. 手前の方から10cm位を内側に折る。二重になった部分にも油を散らす。
7. フィリングを二重になった部分に、巻き寿司の具の要領で細長くのせる。分量としてはカップ半分程。ただし、水気がでているので手で水を切りながらのせる。
8. 手前からくるくると巻き、巻き切ってしまったところで端が内側にくるようにしてうずまきに巻く。
9. 油をぬった天板にのせ、油か、フィリングから出た水を指先でちょんちょんと塗って、乾かないようにする。
10. 全部巻き終わったら、さらに水分と油分をふりかけ、180℃(350°F)のオーブンで20分から30分焼く。きつね色になったら出来上がり。
すこしさましてから各自サワ-クリームを塗り、バターミルクを添えていただく。

ゼリャニッツァ Zeljanica

ゼリャニッツァ

ほうれん草のパイです。フィロは少々破れがあっても大丈夫です。リコタチーズはカッテージチーズの棚に置いてありますが、イタリアン・ストアで上質のものが手に入ります。

【材料】4人分 (20cm四方の深さ4cmの焼き型一個分)
ほうれん草 1束、または冷凍ほうれん草1/2箱(刻んだもの)
リコタチーズ 250g
サワークリーム 150g
フェタチーズ 100g フォークで崩す
卵 2個
塩 小さじ1/2
バター、サラダ油 各大さじ1(溶かす)
フィロ 8-10枚

【作り方】
1. ほうれん草は根元を切り落とし、ざく切りにする。冷凍のものは解凍し、軽く水気を絞る。
2. 油とフィロ以外の材料をすべてあわせる。
3. 焼き型に油を塗り、フィロを一枚敷く。余った生地の端は、型の壁にそわせないで、しわをよせて型にあわせる。油を散らし、さらにフィロを重ね、油を塗る。3回か4回繰り返す。
4. 油を塗ったフィロの上に、ほうれん草のフィリングを薄く塗りつける。均等でなくてもよい。「フィロ、油、フィリング」の順にくりかえす。フィリングははじめと終わりは少な目にする。パイの表面と底をパリパリにするため。
5. 最後にフィロと油だけを交互にのせて、一番上にも油を散らし、所々ナイフをいれて空気穴を作る。切り分けるように切り込みをいれてしまってもよい。
6. 180℃(350°F)のオーブンで30分焼く。一人前をさらに4つに切り、「田」の字のようにして盛ると食べやすい。

バターミルクをそのまま飲むのはちょっと、という人には、プレーンヨーグルトを小さな鉢に入れて、スプーンを添えてすすめてあげてください。ただしバターミルクも慣れると美味しく、やみつきになる人も。体にもよい物ですから、一度はトライしてみて下さい。やっぱり飲めなくて残ってしまっても、ホットケーキやマフィンを作るときに牛乳の代用として使えばとてもおいしいものです。



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