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息抜きの間の人生
第 一章 ~1~
アルバイト初日
「おはよう」
ガラガラと木戸を開ける。
「おう、おはよう」
奥から刹那の声が返ってくる。
「おはようございます。刹那さん」
「おはよう、高村さん。暑かったでしょう」
聞いたことのない声がして、レトリバーが出てくる。
「おわ、犬だ。」
「紗絽って言います。よろしく」
「えっ?」
紗絽はお座りをして、前足を出す。握手のつもりらしい・・・。
「・・・ソロモンの首輪か?」
大手パソコンメーカーが動物の言葉を翻訳する首輪を出したのを思い出す。
「なんですか?それは?」
レトリバーは首をかしげる格好をする。
「よく出来てんなー、こんなに性能がいいのか~」
関心する。こんなに会話が出来るとは・・・。
「・・・会話・・・」
「ソロモンの首輪は確か・・・」
そう、こんなに性能は良くない、音声ではなかったような気がする。
しゃがんで紗絽の首輪を見る。
バンダナしか巻いてはいない、首輪はしていない・・・。
「え?、ない」
「なにしてるんですか?」
耳もとで紗絽の声がする。
「いや・・・、しゃべってるなぁ・・・」
「はい、そうですよ・・・。あっっ」
紗絽は顔を本棚の上に向ける。
「そうだよ、言ってないぞ」
刹那の声が上からする。
「え?」
つられて上を見ると、本棚の上に黒猫がいる。
「よお。俺が刹那だ」
機嫌よさそうにひげをそよがす。
「・・・いや、」
言葉が出ない。
「刹那を知ってるから・・・、知ってるもんだと思ったよ」
「バイトに教えると思うかよ。考えてみろよ。わかるだろう」
「ああ~、悠里に怒られるよ」
「お前が悪いな」
「そんな~、刹那がしゃべらなかったら、こんなことにはならないよ~」
くぅ~んと鼻を鳴らしながら紗絽は伏せる。
「俺は声しか聞かせてない」
「ええっ卑怯だよ」
二匹は高村を無視してしゃべり続ける。
「・・・いや~、いいものが出来たんだな~」
「・・・あっ、現実逃避してるよ」
これはチャンスと言いたげに紗絽が刹那を仰ぐ。
「・・・何?」
「「あっ」」
「悠里~、刹那がしゃべったんだよ~」
紗絽が先手を打って泣き付く。
「・・・あ~、やっちゃったよ・・・。刹那!」
「昨日、何も言わなかったじゃないか」
本棚の上からは降りてこない、
「くぅ~ん」
耳を伏せて、紗絽は悲しそうにする。
「え~と、高村君、大丈夫?」
「ああ、うん」
「ねえ、混乱してるよ。今なら、大丈夫かな?」
「やめとけ、力の無駄だ。そいつにも力があるんだ、すぐに解ける」
「そう?」
「そう」
「・・・なぁ、こいつらは・・・」
「おっ、戻って来てるぞ」
刹那がうれしそうに言う。
「奥に連れて行け」
「大丈夫?」
紗絽が湿った鼻を顔に押し付けた。
「おわっ」
「高村君、大丈夫?」
悠里の顔が覗き込んで来た。
「ああ、高森・・・。おはよう」
「ん~と、結局、俺は非現実的なこの状況を認めないといけないんだな・・・」
「そうだね~、申し訳ないんだけどね」
悠里の膝の上で黒猫があくびする。
「俺はこいつのばぁさんの代からここにいる」
悠里にとって刹那は生まれた時から一緒にいるから、しゃべっていても気にはならないらしい。
「で、どうすれば、いいんだよ」
「まあ、本屋さんの店員をしてくれたらいいんだけどね」
「力がいるってたのは、こいつらの声が聞こえる事なのか?」
「・・・ああ、昨日の話ね」
「いや、関係ない」
「そう、力が要るのは別の仕事だから、本の回収と修理もするけどね。そっちに力が要るの、それは私がするから、いいよ。店を留守にすることがあるから、その間の店番をしてもらえたらいいよ」
「はぁ・・・」
(本の修理と回収に何の力がいるんだ?)
ぼんやりと思う。
「今はわからないですが。そのうちわかります」
紗絽が足元で言う。
「そうか?」
「はい」
「で、今日?12時からで良かったのに、まだ、10時じゃん」
「ああ、暇だからさ」
「そう?ちょうど良かったよ。急ぎの回収の仕事が入ったのよ。店番しててくれる?」
悠里は立ち上がる。
「ええっ、まだ何もわかんないぞ」
「大丈夫、そんなにお客さん来ないから、紗絽!高村君を一人にしないでね」
「わかった」
元気よく、返事をする。
「ええ、紗絽?」
「じゃあ、2時間ぐらいで帰って来るから、レジのところにいてね」
「えっ、いや」
「じゃあ、紗絽お願いね」
「うん」
悠里は返事を聞くこともなく刹那を抱えて、出て行った。
「・・・いいのか?」
「大丈夫ですよ、よろしく、高村さん」
「おお、よろしく」
尻尾をふりながらすりよって来る。
「高村さんは悠里と友人だったのですか?」
レジカウンターのなかで携帯をいじっていると足元から声がかかる。
「そうだな。比較的仲はよかったと思うよ」
「悠里はあまり自分のことを言わないからわからないのですよ」
「飼い主だろう?」
「ん~、そうですね。見た目ではそうですね。でも、僕は正確には悠里と契約を結んでいることになります。この姿は仮の姿でして・・・」
紗絽は口を濁す。
「・・・仮の姿っていったい・・・」
「ん~、聞き流してください」
もぞもぞとカウンターの中に入ってくる。
「わっせま」
「すいません、レジの使い方を説明しようかと思いまして・・・」
「そんなこと出来るのか?」
「はい、出来ます。悠里が言ったでしょう?紗絽、お願いねって・・・」
「はい」
犬なのに妙に器用にレジを打ち、説明をする、紗絽・・・
(犬に教わるなんて・・・)
「本はとりあえずバーコードを読ませれば金額が出ます」
「・・・ああ」
近くの本を手に取り、読み込む。
「なぁ、今は仮の姿って、さぁ」
「聞き流してください。私は話すぎました、帰ってきた悠里に怒られます」
困った(?)ような顔をする。
「・・・レジでどうするの?」
「・・・すいません。これでバーコードを読ませてください」
コンビニで見たことのあるコードの付いた機械を手に取る。
ピッ と軽い音がして、金額が出る。
「で、お金を貰ったら、金額を確認して、入力してください」
犬とは思えない手つき(?)でキーを器用に押す。
(どうやってるんだ?)
「ああ」
「返品も出来ます」
などなど、細かいことも教えてもらい、練習する。
しかし・・・、客がこない
「こんなに暇なのか?」
「そうですよ」
暇なので紗絽は昼寝モードに突入しそうである
「人が入ってきたらチャイムが鳴るので、携帯でゲームでもしていてください」
「・・・おいおい」
~30分後~
ピピッ ピッ
「あ」
本気でゲームをする店員とカウンターの下で昼寝するレトリバー。
ピーンポーン
聞きなれない音がする。
「あっ、高村さん」
紗絽がのそりと起き上がる。
「いらっしゃいませ」
携帯を奥に隠し、顔を上げる。
初老の男性が入り口で帽子を取っている。
「おや?今日は男の方ですね~。いつもは娘さんなのに」
男性はおっとりと言う。
「今は、本の回収に行っていますが・・・」
「おや、そうですか。では、あなたにお願いしましょう」
紗絽が男性に近寄ると、頭を撫でた。
「はい」
カウンターに近づき、鞄から大きな封筒を出す。
「本の回収をお願いします。この中に回収してほしい本の片割れが入っています。いつもの娘さんによろしくお伝えくだい」
「はい、わかりました。お預かりします」
男性から封筒を預かる。
「また、一ヶ月後に来ますので、お伝え下さい」
「あの・・・、連絡先をお願いできますか?」
帰ろうとする男性に声をかける。
「ああっ、封筒に入っています」
笑いながら、出て行った。
「紗絽?」
「何ですか?」
「これはこのまま、高森に渡したほうがいいか?」
大き目の茶封筒にはしっかりと封がしてあり、なにやら、印が押してある。
「・・・そうですね。そのほうがいいですね」
紗絽はその印を見て、目を細める。
「・・・じゃあ。奥に持っていくよ」
「持って行きます」
もぎ取るように紗絽がくわえて、奥に持っていく。
その姿を確認し、携帯に手を伸ばし、ゲームを始める。
(こんなんで、バイト代貰っていいのか?というか、どっからあのバイト代が出るのか・・・、疑問だ・・・)
ぼんやりと考えもしたが、ゲームを続ける。
「なぁ、紗絽」
「なんですか?」
「あのお客さんは常連か?」
「回収を頼まれるようになったのは最近です。二回か、三回目です。本は普通に買いにきますよ」
「ふ~ん、で、回収と取り寄せはどこが違うんだ?」
「それは、悠里に聞いてください」
また、困ったような顔をする。
「ふーん」
「もうすこし、時間が経てば、学生さんがきますよ。お昼を過ぎるので・・・。僕寝ててもいいですか?」
大きな欠伸をする。
「・・・ああ」
(店番ね~)
ため息を付いて、携帯を手に取る。十二時を回っても、お客は来ない。
あまりにも暇なので、店の掃除をしてみる。
少し、回って気づく・・・。
「ごみがないな~」
いつも暇のだろう。掃除が行き届いている。
「・・・やることがない」
ぼやきながら、掃除道具を奥に返しに行く。
「本の回収か~」
テーブルの上の茶封筒に目が止まる。
すっと、手が伸びる、あまりにも無意識な行動である。
(何だろう? 本の片割れって)
茶封筒を手にしたとたん、
(・・・開けたい)
妙な衝動にかられる。
(いや、これは開けてはいけない・・・)
理性が押さえつける。これは、お客様の物。自分は預かっただけ、そして、店主は、高森だ。 そっとテーブルに戻す。
「・・・何だ、・・・これ」
手にびっしょりと汗をかいている。掌だけに・・・。
「高村君、大丈夫?」
「えっ」
急に声がかかったので、驚く、そして、なんだか後ろめたい。
「・・・ああ」
悠里が入り口に立っている。
「大丈夫、お帰り。どうだった?回収は?」
ジーパンで汗をぬぐいながら、笑顔を作る。
「今日はちょっと無理だった。・・・高村君、顔が青いよ」
「いや、大丈夫」
まだ、手に汗をかいている。頭がぐらぐらする。
「高村君」
「・・・ん?」
「悠里、こいつやばいぞ」
「刹那」
「紗絽!。来い」
刹那の声が店内に響く。
「悠里、紗絽を元に戻せ」
(なにいってんだ?)
悠里が肩に手を置いた、ソファに座らされる。
自分以外の者があわてているのがわかる、体が思うように動かない。
「・・・あっ」
体の力が抜けるのがわかる。
「悠里、支えろ。紗絽来い」
ぐったりとソファに横になる。そこからの記憶はあいまいである。
「・・・取り込まれたな」
「・・・そうみたい」
「紗絽!遅い」
のそっと部屋に来た紗絽に刹那が怒鳴る。
「あっ、高村さん」
「一人にするなと言っただろう!これはあの老人が持って来たのか?」
テーブルに上がり、紗絽を見下ろす。
「待った、刹那。高村君を先にお願い」
「・・・そうだな」
「これは事故だよ」
「いいもう、やれ、悠里」
「うん」
紗絽の額に手を置く。
『我が名において、命ず、還元、紗絽』
紗絽の体が空間を交えて揺れる、犬の姿が十五歳ぐらいの少年に変身する。
「じゃあ、行ってきます」
高村の手を取り、少年は自分の額にあてると、そのまま、吸い込まれるように姿を消した。
「初日からこんなの嫌だな~」
悠里がぼやく。
「仕方ない、思っていたより力が強かったと言うことだ。この封筒の中身に反応したんだ。鍛えれば、回収も出来るようになるんじゃないのか?しかし、やっかいなものを持ってきたな、あの爺」
「そうか~、でも、そんなことさせないほうがいいんじゃないかな?でさぁ、この仕事私がやってもいいのかな?」
「・・・わからん。なんなら、花代に頼め」
「おばあちゃんか~、そうか、聞いてみよう」
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