○・。Mooncalfの絵本。・○

○・。Mooncalfの絵本。・○

21-25



21■あくび2■

「ふあぁぁ」
 縁側に座っていたらあくびが出た
 つられて隣にいた猫のタマもあくびした
 前の道を散歩する犬があくびした
 つられて飼い主があくびした
 あたたかい日差しの下で、またあくびが出た
 ふと見ると、庭の片隅のたんぽぽも
 小さなあくびをして起きだした

aqua

22■Comprise the world.(世界を構成する)■  

世界を構成する物ってなんだろう
虚無と秩序と
それから少しの人間で
神様はお作りになったのよ

aqua

23■初夏の詩。■

陽気な風が
まるでブランコ押すように
私の背中を優しく押して
私は自転車のペダルから足を離して
海の見える坂を駆け下りる

ひまわり 愛読してる本
真っ赤なリンゴ 水滴のついたオレンジ
麦わら帽子 海の砂の入った小瓶
前のかごでおどってる

空で故郷の唄をうたうウミネコ
ひんやり冷たいかべをつたう葉
どこを見ても
私は心おどらせる

私だけじゃないの。
今日は夏の始まりの日だから
景色はみんなみんな うかれてる。



aqua

24【夢案内人】

夢案内人はユニコーン
ナイトメア(夢魔)のユニコーン
白い身体に 銀のたてがみ
いつも私の目の前に立っている
今日は何処へ連れていってくれるの?
翠の香る、創世神が創った天空の楽園?
海底に沈んだ、今もなお生きる古代都市?
それとも天界と魔界を繋ぐ、美しい河?
あなたは私が喜んだのを見届けると
また新しい場所へと連れていってくれる
そんなあなたは何も話さないから
その澄んだ金の目を見る
瞳が何を映していて、何を物語ってるか。
わかりかけた時にはもう
あなたの姿はなくて
私はこの小さなベッドの中
貴方をつかまえようと
空へ手をのばしてる

aqua



home




© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: