○・。Mooncalfの絵本。・○

○・。Mooncalfの絵本。・○

26-30



26■■強くも儚いもの■■

あの鳥綺麗ねと私が言ったから、
あなたはその鳥をそっと
両手で抱えて持ってきた
弱るとわかっていて手元に置けないから、
私はその鳥を空へと放った
あなたは笑ってそんな私を許してくれたけど、
でもきっと優しいあなたは傷ついた
あなたがあんまり優しく笑うから、
余計に悲しくなって
私はあなたを抱きしめた
何も考えずに言葉にしてしまったせいで
優しいあなたを悲しませてしまったから
私は最近考える
強くも儚いもののことを

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27■■さまざまなあいしかた■■

この世界にいる すべてのひとを
おなじくらい おなじように
愛せるわけはないと思う
だってみんな 違うから
この世界にいる ひとのぶんだけ
愛し方があると思うの。

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28■■道標■■

この世は
複雑きわまりない迷路
ならば貴方は
道標となりえますか?

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29■■はみだし者■■

はみだし者って
どこからはみだしてる人のことなんだろう
どこまでがはみださない境界線なんだろう
人々はあの人のことを呼ぶ
はみだし者と
誰よりも美しい瞳をしているのに
誰よりも優しく微笑むのに
人々はあの人のことをこう呼ぶ
はみだし者と
あの人は誰も知らない
柔らかな唄を知っているのに

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30■■私は。1■■

「白村江の戦い」を「はくすきのえのたたかい」と読まなきゃ気にくわないし
 頭がいいわけでもないのに プライドはいっちょまえに高いし
 お金持ちってわけでもないのに ハコ入り娘で
 生まれてこのかた
 電車にひとりで乗ったことがなければ
 料理もちゃんと作ったことがない
 炊飯器のスイッチを押したのも
 つい最近が はじめてだし
 言い出したらキリがない
 人は私を変だと言うでしょう
 私自身もそう思います
 だけどそれも個性だと
 自分に言い聞かせてきましたが
 そういうわけにもいかないのが
 セチガライ世の中ってもんなんです
 だけど詩っていうのは魔法使いで
 全てをゼロにしてくれる
 他の人が考えたことを 私は考えられない
 私が綴ったあの言葉を 他の人は綴れない
 詩を書いてる時は 万能な人なんていないんだ
 私ができないことを 他の人ができて
 他の人ができないことを 私ができて
 みんなみんな +-(プラマイ)ゼロ。
 だから詩を書いてるときの私は 私になれるんだ。

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