草色のブランケット

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2006.07.15

【アトピーに鍼灸？】　初診

(2)

テーマ：アトピーを治すまでの道(54)

カテゴリ：アトピー

とまあ、前置きがやたらと長くなってしまいましたが、

こうして先々週の月曜日に鍼灸治療を始めました。

元来、喜怒哀楽がかなりはっきりとしている私も、この二年間でさすがに少しは成長し、

アトピーを含む、人生のアップダウンにいちいち振り回されず、

ある程度、淡々と対応できるようになったと自負している手前、

鍼灸治療にものすごい期待をして行ったわけではない、、

、、、はず、、、

な、の、で、す、が、

やっぱり結構リキんでいたというか、テンションがうわずっていたようで、

先生とのやりとりの出だしが、ちょっとうまくいかなかった。

言葉少なに質問してくる先生に、

私が勢い込んで、ワーッとたくさんの情報を浴びせかけ、

それに対し、先生がちょっと苛立ったような口調で応答し、

舌や、脈や、お腹の張りなどを何度も確認したあと、

私が分かっているけれど簡単には言われたくないことを指摘してきた。

あのね、玄米菜食やっている、っていうけれど、

あなたの胃腸、かなり弱ってますよ。

玄米とか野菜とか、消化するのに胃腸が結構大変だから。

ちゃんと、誰かの指導を受けてやってる？

人間、理由があって雑食なんだから、あまり無理するのも良くないんだよね。

それに、食事療法だけじゃアトピーは治らんよ。」

淡々とした大人だ、なんていう自負はどこへやら、

自分の二年間をいきなり否定された気がして、

カーッと頭に血がのぼり、腹が立つと同時に、

なんだか泣きたいような情けない気持ちが押し寄せてきた。

帰ろうかとさえ思ったけれど、頭のてっぺんにハリが突き刺さってるので、そうもいかず、

とりあえずそのままじっと感情の波が過ぎ去るのを待つ。

とんちんかんな翻訳に混乱しているらしい私のアメリカ人の友達が、
↑この文章を読んだら、すごい場面を思い浮かべそうだなあ。

頭からベッドまで斜めにハリを刺されて、まな板の鯉状態のsuko 、、、みたいな、、ぷぷぷ。

しかも彼女、大の注射恐怖症。）

しばらくして先生がハリを抜きに戻ってきた。

ちょっと深呼吸して、意識してゆっくりと話しかけた。

「あの、確かに玄米菜食を始めたときは、玄米の炊き方も知らなくて、

なんかいまいち美味しくないけれど、からだに良さそうだからこんなものか、と思って食べていたけれど、

そのうち、ちゃんとした炊き方とかを知ると、ものすごく美味しくて、

いまや、玄米食べ過ぎて、太っちゃったくらいなんです。

玄米菜食してて、どうやって太るんだ、って感じなんですけど」

先生が、くすっと笑って、のんびりと関西弁で答える。

「そりゃあ、まあ、玄米だろうと野菜だろうと、たくさん食べれば、太るわなあ」

その場の雰囲気が少しふんわりとしたのを感じて、ちょっと安心する。

「で、二年間やってきて、やっぱりこの食事法のおかげでここまで自分のアトピーが治ったって思ってるし、

これからは、アトピーのためということではなく、美味しくて好きだから続けていきたいって思ってるんです。

今は、超厳密にやってるわけじゃないし、肉・魚・乳製品を食べたいと思わないから、

別にものすごく無理しているということはないんです。

砂糖とパンは、やっぱりアトピーに響くから控えるようにしているけれど、

食べちゃっても、まあしょうがない、くらいの気持ちでいるし。。」
」

私の脈やお腹を診ながら聞いていた先生がうなずき、あっけなくさらりと答える。

「なら、いいんや。自分のからだに合ってて、無理せず続けていきたいんだったら。

でもね、 自分の食べたいものが何か、自分のからだにちゃんと聞いてあげる ようにな。」

にこっと笑って、

「はい、今日はこれでおしまい」

鍼灸院をあとにしながら思った。

ああ、よかった、初回でいきなり決裂しないで。

この先生、私が二年かかってたどりついた考え方と、ぴったり合ったことを言ってた。

それをすぐに素直に受け入れられなく、過剰反応しちゃったってことは、

それだけまだまだ自分が、アトピーというトピックに対して感情的になっているってことなんだなあ。。

アトピーの人、特に脱ステロイドを経験している人を治療するのって、すごい大変なことだと思う。

重度のアトピー患者は、必死に自分なりの方法を模索してきている分だけ

まさに、こころもからだも、 「いじくりすぎて」 いて、

極端な考え方に固執していたり、逆にすべてに懐疑的になっていたり。。。

そんな人たちの、こころとからだを解きほぐしていって、

バランスのとれた状態に導きつつ、

ある程度の結果をできるだけ早く出す（そうじゃないと、やっぱりダメか、と通わなくなるだろうから）、、、

治療するほうの負担も結構重い。

私が、ハイテンションでワーッと （私にしては普通のテンションだったつもりだったけれど）

自分のアトピーのことをしゃべるのを聞いて、

これはガツンと最初に言っておかないとダメなタイプかも、

と思ったのかもしれない。

特に深く考えずに、私のテンションを受けて、反射的に、

ちょっときつめの言葉が出てきてしまったのかもしれない。

その後、週三回通っているけれど、

先生はとても優しくて、

私の食生活や習慣を責めるような言葉は一切なく、

真剣に私のからだの状態を観察して、治療を施してくれています。

私も、この鍼灸院を紹介してくれたＫさんと、数ヶ月前から鍼灸でアトピー治療を始めたというぴのこさんと同じように、

からだの上のほうに、氣と熱がたまっているのが、一つの原因らしい。

ん？

あのとき、カーッと頭に血がのぼったのは、

もしかして、そのせい？

それもあるかもだし、おそらく、治りかけているとはいえ、

やっぱりアトピーが知らぬ間にストレスとなっているんだろうなあ。

そして、あのとき、思ったよりすぐに感情のムラがすーっとひいたのは、

もしかして、頭のてっぺんのハリのおかげ？

それもあるかもだけれど、

日々の精進と年の功

ってことにしておきましょう。（ほんとか、おい、、、）

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