江戸東京ぶらり旅

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昌平坂学問所<神田>

昌平坂を歩く

昌平坂2.JPG


 JR御茶ノ水駅に電車が到着したら,車窓から神田川の向こうを眺めてみましょう。鬱蒼とした森が見えますね。その左側の鉄筋のビルは東京医科歯科大学(明治時代は東京高等師範学校があった),そして順天堂大学(同じく,東京高等師範学校があった)です。この森は湯島聖堂のあるところです。駅を出て御茶ノ水橋を渡り,向こう側にある地下鉄丸ノ内線御茶ノ水駅の出入り口付近に行けばわかりますが,聖堂の前の道路は東に向かって下り坂(相生坂)になっています。ここを下っていくと,左手に聖堂の入り口があります。この入り口の先の北側へ登る坂,これが「昌平坂」と呼ばれる坂です。湯島聖堂にも入ってみましょう。無料で見学できます。美しくカーブする屋根,スケッチには最高のロケーションですよ。

 この坂の名前の由来はちょっとくどいけれど,1630年に遡ります。徳川家光が林羅山に上野忍ヶ丘に邸宅を与え私塾を開かせたのです。ここには学寮の他に孔子を祀る孔子廟も置かれていたそうです。次の学問好きな徳川綱吉は1691年,今の湯島聖堂のある場所へこの私塾や孔子廟を移転させたのですね。ここは孔子の生地,魯の昌平郷にちなみ,昌平廣(昌平坂学問所)と呼ばれたのですね。さきほどの坂の名前は,だから「昌平坂」と命名されたわけです。孔子廟は聖堂の敷地内にありますから,これも見学しましょう。
 さらに松平定信は1790年,朱子学を唯一の学問と定め,昌平廣を幕府直轄の学問所としたのです。武士の師弟が学ぶ場所で,試験制度もありました。上級公務員養成所といった色彩が強くなったのですね。明治政府はここを接収,そして廃校になったのです。

 ところで,昌平坂学問所で出題された問題,解けますか? クリックして入手し,やってみてください。

図説江戸の学び 昌平坂学問所記録解題(第1巻) 昌平坂学問所記録解題(第2巻)




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