江戸東京ぶらり旅

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銀座散策

銀座の老舗4題

 銀座に行っても予備知識がないとつまらない。それに東京に昔から住んでいる人は,あんなとこ田舎者の行くところだ,と思っているふしがあるのです。でも老舗はやはりそれだけの行く価値がありますので,どんな批判をも気にせず,一度は行ってましょう。そんなお店をここではご紹介します。


●ビアホールの ライオン銀座7丁目店

 昭和9年(1934年)にオープンの歴史あるビアホール。一歩足を踏み入れれば昭和のロマンが満ちあふれる世界。生ビールにはローストビーフがオススメ。お昼のメニュー,ビーフカレーや昔風のナポリタンスパゲティーなどもありますよ。アールデコ調の塔屋や外壁の一部が残っています。ガラスモザイクによる大壁画も圧巻。中央通り7丁目の角にあります。夏の暑いお昼,ちょっと立ち寄って明るい内からほろ酔い気分,さてお次はどこへ,ってな調子で楽しみましょう。



●Barの ルパン

 それでお次ですが,創業は昭和3年(1928年)英国調インテリアのカフェとしてスタートした銀座のバーの草分け的存在の老舗です。戦後は泉鏡花,菊池寛,坂口安吾,太宰治,遠藤周作,開高健など数え切れないほどの作家が出入りした有名な文壇バー。秋山庄太郎,林忠彦,など多くの写真家も出入りしたそうですよ。昭和初期の雰囲気の中で正統派の味をじっくり堪能できます。人気のカクテルはチャーリー・チャップリンだとか。銀座5-5ですから中央通りから少し有楽町駅側に入ったところにあります。いっぱしの文人になった気分で,「金沢の鏡花も出入りしたんだってな」なんて友人と会話をすると,あの人って誰,なんて小声で言うのが聞こえますよ。「遠藤君はカトリックだったからね・・・」

●洋食の 煉瓦亭
 明治22年(1889年)の創業,池波正太郎も贔屓にしていたお店です。1250円のポークカツレツはここ煉瓦亭生まれといわれています。元祖オムライスやハヤシライスなどもおすすめです。松屋デパートから中央通りを有楽町駅側へ一本入ったところにあります。丸善の創業者の元祖ハヤシライスも美味しいけれど,ここもなかなかです。なにせ時代の草分け,洋食ですからね。明治,大正のナウイお食事を味わってみましょうよ。


●洋食の つばめグリル
 さて,最後です。昭和5年(1930年)の創業。建物もレトロな雰囲気。名物「ハンブルグステーキ」が人気。アルミホイルに包まれたハンバーグ,これを開けるとデミグラスソースの香りが鼻腔をくすぐります。化学調味料は一切使わず,後味のよさを引き出す味つけにこだわっているそうです。京橋の近く銀座1丁目,中央通りに面しています。わー,これで銀座を食べ尽くした,という感じですね。ただ旨いだけのレストランなら全国どこにでもあります。けれども,ナポリやソレントで食べるスパゲティーは同じ味でも日本で食べるより遙かに美味しいと思いませんか。ともかく歴史のあるつばめグリルです。

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木の葉天目盃.2
15,000 円(1.0%)

油滴天目釉ぐいのみ.3
15,000 円(1.0%)



銀座の老舗5題


 いやはや,梅雨入りですね。この蒸し暑さは海外からおいでの方々にも厳しいらしいですね。それなら銀座のいいのもを見て,食べて,もういやなことは忘れましょう,といきたいですね。これから主に中央通り(銀座通り)を中心に,私の知っている老舗をご紹介しましょう。

 *最初はやはり,銀座のシンボル的存在の 和光 から

 これが銀座,という晴海通りと中央通りの交差点にある象徴的なデパートです。服部時計店の小売り部門が昭和22年(1947年)に発展・進化。時計や宝飾品,ワイシャツ,ネクタイなどの海外一流ブランド品がずらり,ウインドーショッピングもまた楽し。最近はお手頃価格の商品も置いてありますので,目の保養に入ってみてはいかがでしょう。ビルのてっぺんにある時計塔は関東大震災でも銀座で唯一生き残った年代物,ランドマークのような存在になっています。私は和光で買ったネクタイをすると,しゃきっとしますね。



 お次はバッグの老舗 銀座タニザワ です

 明治23年(1890年)に人形町から銀座に移転してきた紳士用ビジネス鞄の老舗です。流行やブランドに流されないオリジナリティが評判。変化するものより不動の価値,これこそ本物ですね。「広くさかんに誠の品を売る」が社是(会社の方針)だそうです。京橋の交番からすぐのところ,銀座1丁目,中央通りに面したところにお店があります。



 さてさて,今度は子供服・婦人服の ギンザ・サエグサ ですよ

 明治2年(1869年)創業の高級子供服の老舗です。銀座7丁目,中央通りに面したところにお店がありますよ。ブランド品にない着心地,機能性の高さが親子三代に愛用されていますよ。玩具や絵本なども扱っていますので,子供やお孫さんのいらっしゃる方は是非立ち寄ってみましょう。2005年3月に全面リニューアルしました。



 お次は文具(ステーショナリー)の 銀座・伊東屋 ですよ

 文具のデパートといわれる伊東屋の創業は明治37年(1904年)で,日本初の文具店として開業したのです。銀座を訪れた人々が必ず立ち寄るお店のナンバーワンです。ガラスペン,レターセット,ブックカバー,色鉛筆など欲しいものが何でも入手できますよ。伊東屋の便せんに書いた手紙を貰った人は喜びますよ。銀座2丁目,中央通りの明治屋の向かい側にあります。



 今回の最後は香・筆・墨の 鳩居堂 だよ

 いやはやこれこそ老舗,寛文3年(1663年)の創業です。伝統の調合でつくられた香りの良いお香や筆,墨などの書道用品を扱っています。半紙や折紙などの和紙や封筒,便箋,カレンダーなども揃っています。画廊もあって,書や水墨画など期間限定でテーマが変わりますが展示されています。これを見に行くだけでも優雅なひとときを過ごせますよ。

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●おすすめ,これが美味いんだ●





 昨日は選挙の投票日,ちょうど昼頃からぽつりぽつりと雨が降り出し,やがて雷と激しい雨。選挙の結果が,逆風どころが雷鳴とどろく豪雨を予感させるような模様。そして与党である自民党が大敗。公明党も今後どのような身の振り方をしたら良いのか,内心不安ですね。

 銀座線で銀座へ。4丁目交差点の和光の前に出たところやはり雨。和光の上にある時計はランドマークのような存在ですが,震災時に唯一生き残ったもの。ところが昨日は日曜日だったので肝腎の和光はお休み。それで向かい側にある鳩居堂(きゅうきょどう)へ立ち寄り,そのあとみゆき通りのちょっと入ったところにあるピエールマルコリーニ銀座でチョコレートのドリンクを頂きました。若い女性を中心に行列をつくっていましたが,時間もたっぷりあったので,我慢して並んだというわけです。店は4階まであるのでしょうか,私は3階でくつろぎましたが,狭いフロアにテーブルが3卓あるのみ。これでは需要に追いつけない。チョコレートカフェは最近流行なのか,和光の裏手の別館や5丁目のデルレイなど,チョコレートサロンが私が知っているだけでも銀座にはいくつかあります。

銀座和光.JPG


 そのあと,8丁目方向へ銀座通りを歩き,くのや,サエグサとお店をのぞき,こんなことしている間に雨もすっかり止みました。今度はまた和光のある4丁目方向へ。7丁目のかどにあるライオンにも触手が伸びたのですが,今日は静かに夕食を銀座でと思い煉瓦亭に行ったところ,これが定休日。それではと,1丁目にあるつばめグリルへ。いつものハンブルグステーキ(ハンバーガーステーキとは言いません)を注文。熱い鉄板の上にジャガイモが一個どんと,そして銀紙につつまれた ハンブルグステーキ 。この銀紙を破ると,ふわーっと湯気が立ち上り,中にはハンブルグステーキが。ナイフで切って口に放り込む。肉は包丁で叩いた程度の粗挽き。旨い旨いとあっという間にたいらげてしまいました。

つばめグリル1.JPG


 レトロな感じの店内,壁に架かっている照明器具もひんまがって傾いていたりして,これがまたレトロ調を醸し出す。子どもづれのお客が日曜日の晩だというのに次々と入ってきます。昭和のはじめもこうして親は年に一回,子どもに洋食をたべさせようと,電車で銀座へ足を運んだのですね。今ではどこでも,何でも食べられる。でもレトロな雰囲気を味わいながら,昔を懐かしむというのも結構おつなものですよ。日本は本当に貧しい国から裕福な国になってしまった。でも貧しさを知らない政治家が政治を行うとどうなるのか。もう日本は国として豊かさのピークは過ぎ,下り坂を一気に下っているような気がしてなりませんね。

夜の銀座1.JPG



 銀座は燃えにくい街として再開発され,それで煉瓦が登場したのですね。柳もきっとこのときに植えられたのか,邪魔になったり,道路の拡幅工事で切られたりで姿を消したのですが,二世が誕生,復活してきました。でも煉瓦つくりの建物で残っているのはどこでしょうね。このつばめグリルには壁の一部に煉瓦が使われていますがね。

 こうして昨日の午後は5時間ほど銀座をぶらぶらし,楽しみ,食べ,そして考えたのでした。

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