無題



新聞やテレビで報じられているフィブリノゲンでの薬害肝炎について、有識者や自分の意見を交えながら、本当のところどうなのか考えてみた。
あくまで一般人の見解・予想なので、どう受け止めるかは個人の意思にゆだねる。


まず言えることは、ニュースを鵜呑みにしてはいけないということ。
もちろん、(一部を除いて)間違ったことを言ったりしてるわけでは無いのだが、これだけでは製薬会社や医師、国が悪者のように聞こえてしまう。
だが、実際は悪者などいないのだ。

ここで、フィブリノゲンについてさらっと説明しておこう。
まず、この薬を一言で言うと「止血剤」
「問題」(私は「特徴」としか思ってないのだが)は、人の血液から作られているということ。
このせいで肝炎に感染している人がいるのだが、この薬で肝炎に感染するということ、というか血液製剤では肝炎に感染することは無いと考えられていた。
もちろん、考えられる危険性を除くために様々な処理はされていたので、発明当時は「安全」だとされていた。

そしてこの薬は、出産時の大量出血で母体に危険が及ばないように投与され、実際に何万人もの命を救った。
そしてアメリカでは、この薬を使わずに母体が死亡してしまった出来事で医師に対して有罪判決がなされることもあった。
以上のことから、医師はあくまで「人の命を救うため」にこの薬を使用した。
ではなぜ今、この薬について悪く言われているのか。

それは 「薬によって命を助けられた患者」 が、不運にも肝炎に感染し、(助けられたことは棚に上げ)感染したことに対し製薬会社や国を相手に裁判を起こしたからである。
もし、今テレビに映って「私たちの声が届かない」と言って泣いている原告の人たちにこの薬が投与されていなければ、今生きていることすらできなかったのかもしれないのに。

この問題は、ただ単に裁判を起こすだけならばすぐに収まるはずだった。
なぜなら、一部の原告に対してHCV感染とフィブリノゲン製剤の因果関係を認定したが、それ以外は国、製薬会社に責任は無しとの判断。さらに、同時に提訴された第9因子製剤によるHCV感染に関する訴訟はすべて棄却されているのである。
ではなぜこの問題はこんなに大きくなっているのだろうか。

ここでニュースの映像などをよく思い出してほしい。
大抵、原告側のコメントは女性が行っている。
しかも泣きながら。
これは恐らく、弁護側が用意した演出だ。
男女差別を言いたいわけではないが、実際にお茶の間でテレビを見るとき、アップで女性が泣いているのと男性が憤慨しているのを見て、どちらに同情してしまうだろうか?
ほとんどの人が前者だと答えるはずだ。
そしてその演出は、マスコミに見事に引き継がれ、同情を誘うドキュメンタリー調の報道がなされている。
まさに、原告(目立つ・同情を誘う)とマスコミ(視聴率を上げる)の利害が一致してここまで大きくなったのだろう。(弁護団は原告からのお金で動くのでここでは利害関係に無い)

そしてもう1つ、もうすぐ選挙だ。
恐らく、政府は選挙が近くなければこのような法案を通すつもりも無かっただろう。
だが、選挙が近い(世論の支持率をあげるため)と言ってあっさり認めてしまうと困る。
もちろん、税金から保証されるという金銭的問題もあるが、大きいのはこのことで「前例」ができてしまうことだ。
裁判でも多くは「前例」によって結果が出されているが、こんな(原告には悪いが)あつかましさすら覚える主張がまかり通ってしまうようでは、新薬など作れないし、医師も責任を恐れて最善の治療ができなくなってしまう。
そうなってしまえばまさに本末転倒なのだが、テレビも新聞も「過大気味な報道→視聴者が興味を持つ→視聴率が上がる」というループで、一向に被告側を守るような報道をしたがらない。(朝日新聞はこういうことをしっかり書く人がいるそうなので、どう書いてあるか見てみたい)
というか、厚労省もばっさり切ってやればいいのに・・・


このように複雑な思想が絡んでいそうなこの問題。
あなたはどう捉えますか?


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