★我家の1.17

　＊＊＊　我家の1.17　【1】　＊＊＊

11年前

わたしはその前の年の11月末　次男を産んでから　阪神間にある実家に里帰りをし

お正月をのんびり過ごし　1月15日　大阪の自宅に帰ってきた

ひと月半もの間　留守にしていた自宅は　散らかり放題　埃だらけ

16日午後　実家の両親が　家事が大変だろうからと

２歳の長男を　数日預かってくれることになり

長男は　再び　阪神間にあるわたしの両親の元へ　喜んで泊まりにいった

1月17日　早朝　わたしは次男の授乳を終え

ベットに入りうとうとしてたら　すごく揺れた　　地震だ！！

でも我家のあたりは　すごく固い地盤で　

ものが倒れたり　壊れたりの被害はなかったし

まさか　あんなにすごい地震だとは思ってもみなかったので

再び　わたしも主人も　寝入った

地震がおきてから30分後　電話が鳴った･･･　出ると実家の母からで

　　大丈夫？？　こっちはみんな　生きてるから大丈夫！！

　　長男も無事　寝相が悪くて　たんすの下敷きにならず助かった

　　家の中はもうめちゃくちゃで　足の踏み場もない

　　あなたの寝てた部屋は　悲惨で

　　こっちにいたら　次男と共に　生きてなかっただろうね･･･

多分　そういうことを言ってたと思うけど　半分寝ぼけてたし

そのときのわたしは　事情がつかめなかくて　起きてテレビをつける

信じられない光景が　目に飛び込んできた

阪神高速が　落ちてる。。。？！

すぐ主人を起し　実家からの電話の内容を伝える

主人はその頃　２４時間勤務の　泊まり勤務の仕事をしていて　

その日は出社日だったが　会社に電話をいれても　誰も出ない

長男や実家のみんなが　怪我もなく無事だと言うことで

とりあえず　歩いて　職場まで向かった

テレビを見ながら　何度か実家に電話をしたけど　なかなかつながらない

やっとつながり　状況を聞くと　ガズ漏れし　水道は使えないし

家の中はものが散乱して　足のふみがもなく

食器類もほとんど割れて散乱し危なく

（実家には法事などのために５０人分の食器が置いてあった）

長男は　靴をはかせ　食卓の椅子に座らせたまま　動けない

その上　余震もかなりあり　長男はかなり怖がっている･･･とのこと

地震の時　長男は　寝ている頭もとのたんすが　１０cm横に倒れてきて　ぎりぎり助かった

わたしが実家で寝ていた部屋は　百科事典などを入れた大きな本箱が

壁一面にあって　それがまともに部屋一杯に倒れ

部屋においてあったベビーベットや　ものがすべてぺちゃんこになったが

わたしは　２日早く帰ってきたので　次男共々　被災せず　助かった

母は　『もう少しで３人を死なせるとこだった･･･』と大きくため息をついてた

それが母の正直な感想と実感だったんだろう

職場から主人の電話があり　実家の状況を伝える

長男が実家にいると　返ってみなの邪魔になってるから

わたしが車で迎えに行こうかなといったら　『あほか』と一言で却下される

そのときのわたしは　正常な判断ができてなかった。。。

生まれたばかりの次男を連れては　無理なのにね

主人は　『明日帰っってから　長男を迎えに行く』といった

主人の実家からも連絡が　あり

長男を預けてるので明日　迎えに行くというと

水や食料品でいるものは　店から持っていってといってくれた

（主人の実家は　店を経営していた）

地元の友達と　連絡を取り合ったり　神戸の友達の安否を心配したりしてたけど

自分は何をどうすればいいのか　まったく頭が働かない

とりあえず　実家で必要なもの　足りないものを用意する

実家には次男より　少し早く生まれた甥っ子がいたので　オムツやミルク　

他に　飲み物や　水　インスタント食品などなど。。。

買いに行きたくても　生まれたばかりの次男がいては　無理

長男を迎えに行けない　買い物にも行けない　実家にもいけない

何もできない自分が　すごく歯がゆかった

ご近所の神戸が実家だという奥さんは　連絡が取れないと心配していた

わたしは　実家の母から　地震後　すぐ連絡があったので　本当に良かった

実家の父が　公衆電話の方がつながり安いと言うので　ご近所さんに伝える

でもまさか　被害の少なかったこの街の公衆電話に　

人が殺到し　行列ができてたとは　そのときはまったく知らなかった･･･

少し落ち着いてから　阪神間に住む友達から連絡があったり

わたしも安否が心配で　あちこちに連絡を取る

実家が全壊したり半壊した人もいたが　みんな無事で　ほっと安心できたのは

震災後　数週間以上たってからだった

地震の次の日　１０時過ぎに帰宅した主人は　（前夜は勤務で寝てない）

水用タンクや　飲みもの食料品などを買いに行き　主人の実家にもより　長男を迎えに行った

実家から　主人がついたと連絡があったのは　もう日付が変わった真夜中だった。。。。

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