2004年01月
トラディショナル ド カオール(2000)
2004/01/16 ル・ポレンにて 今日は、家族のちょっと遅れたお誕生日ディナーということで、久々に ル・ポレン にお邪魔しました。 ル・ポレンは東横線妙蓮寺駅から西に少し歩いた、住宅街の中に隠れ家的に建つフレンチのお店なのですが、お料理の味とデザートの素晴らしさでジモティーには結構人気のお店です。 ただ、残念なことに妙蓮寺での営業は今月までで、2月からは自由が丘に移るとのことでした。 鯖とサーモンと鮃のスモーク、ゼリー寄せ 田舎風スープ(カボチャを裏ごししたポタージュにけんちんの具を入れたようなアット・ホームな感じのスープで、大根が美味!) 鶏の白ワイン蒸し デザート(これが毎回凄い!レモンシャーベット&リンゴシャーベット&チョコレートケーキ&アップルパイのドッシリ・タップリ盛り合わせ、いづれも甘すぎない、上品でほのかな甘みが絶品!) コーヒー というシンプル(デザートが異常に豪華)なコースでしたが、重い赤命のとしのすけは最初から「カオールの2000年の赤」にしてみました。 2000年のカオールはまだ飲んでないし、マルベックとも久しくご無沙汰でしたので。(^^;) カオールというアパラシオン、ボルドーの東南東の内陸部のロット川に沿う地方色豊かな比較的平坦な所で、葡萄より穀類や向日葵の栽培が一般的とのこと。 以前は「黒いワイン」と異名をとっていた、あまり長期熟成を意図しない造りのカオールのワインも、最近では新樽を使うなどスタイルの変化が激しいそうです。 ル・ポレンのリストにあったカオールが、このトラディショナル ド カオール(2000)です。 コルクは短めの中庸の品質です。 染みつきは薄目ですが、僅かなコーヒー、杏とプルーンの香りが凄い! 新樽の香りはあまりしませんね。 さてテイスティング、カオールにしては薄目の色合いです。黒っぽく、透明度が低いイメージがあるのですが、赤いニュアンスたっぷりで結構澄んでいます。 ちょっとライトボディーか? 香りはもう・・・果実香タップリ、やはり杏とプルーンが支配的です。 少しだけフルーツケーキのような香りが混じるのはメルローのせいでしょうか。 (セパージュ:オーセロワ=マルベック 80%、メルロー 20%) タンニンは意外なほどに極小です。 スルスル飲める感じ。 やはりボディーは痩せ気味ですね。(^^;) (ボトルにも「ミディアム・ボディー」と書いてある) フィニッシュは果実味、渋みはすぐに消失してしまいます。 まあ、食事に合わせるには、申し分ない赤と申せましょう。 HP:8+ アットホームなレストランの雰囲気と美味しいお料理に助けられて、お味以上の満足感で高得点。(^^) 単独で飲むには、やはり「テーブル・ワイン」の域を出ていませんが、たまにマルベックの果実味を味わいたい時や、渋みの苦手な女性の方などにはお勧め出来るお味かと思います。 レストランで3500円(3800円だったか?うる覚え)というお値段も納得プライスです。(^^) |
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クロ・デ・ボリ(1999) 2004/01/18 自宅にて コート・ド・フランという珍しい?アパラシオンのワインです。 ドルドーニュ川の上流北岸、リュサックの東側に位置する、所謂ボルドーの外れの地域にあります。 地理的には、コート・ド・カスティヨンと同様のワインを産すると考えられますが、最近はサンテミリオン界隈の大地主のお金持ちが投資に積極的らしく、騒々しくなっている様子です。(^^;) セパージュは、メルロー75%、カベルネ・フラン25%という好きな方(誰?)には興味津々のスペック。(笑) 残念ながら楽天では検索に引っかかりません。 強いて言えば、 シャトー・ピュグロー なども、コート・ド・フランのワインですね。 ボトルの上げ底は中庸、さほどの長期熟成は意図していないかも。 5センチ級でまずまずのコルクを開栓すると、若々しいメルローの良い香りがします。 ロースト香もタップリで、としのすけの信奉するミッシェル・ロラン系? 色はエッジに僅かに煉瓦色のニュアンスを湛えた濃いもので、透明感とツヤに満ちています。 カベルネ・フランの茎臭さは上手く押さえ込まれていて、赤・黒の果実のコンポートといった印象です。 甘ったるいジャムのような、ネットリとした濃さは無く、上品にスッキリと創られているところに好感が持てますね。 香りのパワーはさほどありませんが、程良い酸(イチゴ&杏系)とタンニンが非常に長く楽しめます。 フィニッシュの長さと心地よさは2000年のラフィットに匹敵するかも?! もう少し寝かせたものを味わってみたい逸品。 HP:9- ちょっと点が甘いかもしれませんが、ここまでの味を期待していなかったので、驚きました。 もしこれが、「高貴な血統」のワインだったら、簡単にもっと感動すると思いますね。(^^;) P.S. どなたか、このワインの素性、ご存じありませんでしょうか? 2004/01/21追記 ちょっとわかりました! 灯台下暗し、ちゃんとボトルに書いてるジャン。(^^;) コート・ド・フランのニコラ・ティエポン葡萄園の葡萄をCh.ピュイグローで醸造したもののようです。 一応、ちゃんとシャトー元詰め(Ch.ピュイグロー)ですね。 そっかぁ・・・こいつから推して・・・ピュイグロー、きっと美味しいですね。 |
ナパ・ヌック(1999)
2004/01/21 自宅にて 今日は、凄く久しぶりに新橋の海鮮居酒屋で飲みました。 結構有名な店らしく、お客さんは一杯。 上品な香りの芋焼酎(銘柄忘れ)を、新鮮な宮城の生ガキ、鰹・アイナメの刺身、焼き白子、スペシャルオーダーの白子の天麩羅等々とともに頂き、早めに退散。(^^;) 今は、フランスパンをかじりながら、今日のワイン、ナパ・ヌック(1999)を頂いております。 ナパ・ヌックは、ポムロールの雄、Ch.ぺトリュスのクリスチャン・ムエックスがレイルとのジョイントで1982年に始めたドミナス・エステイト(現在はムエックスが単独所有)のスーパー・プレミアム・ワイン、ドミナス(ナパヌック・ヴィンヤードの古い樹齢の区画のブドウを手選別してで創られた上物)のセカンドワインです。 ペトリュスと言えば、メルローを連想しますが、ドミナス、ナパ・ヌックはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体で、セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン85%、メルロー9%、それにプティ・ヴェルドが6%入っています。 コルクは非常に上等な5.5センチ級。 いきなり、カカオタップリのチョコレートの香りのお出迎えが来ます。(^^) どこまでも濃くつややかで透明感もあり、エッジは僅かにレンガ色・・・期待しちゃいますね。 クルクル回してクンクンすると、控えめながらドライフルーツ、スパイス、そして大好きなヴァニラの甘い香りが感じられ、弱い樽香がかえって好印象です。 口に含むと、重い! 甘みが勝っている感がありますが、黒い果実を主体に、丁字、甘草、なめし皮、クリームといった複雑で心地よい味わいが去来します。 (カリフォルニアって、ホント甘い。酸も入っているんだけど・・・バランスが完全に甘方向) アルコールのアタックがありますが、タンニンも意外に丸まっていて飲み頃かも。 残念ながらフィニッシュは短めですが、キレは良いです。 (そこそこ古いドミナスもアルコールがガツンと来るので、アタックは恐らくこんなものなのでしょう) HP:8+ ヴァニラタップリのミルキーなカリフォルニアを期待すると、ちょっと物足りないかもしれませんが、逆に、カリフォルニアにあって洗練されたフィネスを感じさせる上等なワインと申せましょう。 もう少し濃くて、ミルキーフレーヴァーで樽が効いていたら・・・大好きな味なんですがね。(それって・・・オーパス・ワンの味?) |
Ch.タルボ(1999)
2004/01/24 自宅にて 夕方から、買い物に出かけて、久方ぶりに究極ラーメンの横浜家で夕飯にしました。 横浜家は、極太麺に超絶濃厚な豚骨醤油系の独特のつゆ(冷めるとスープの表面に脂が膜を張るほどのもの)で、とても毎日は食べられませんが、時々無性に食べたくなる癖になる味です。 (癖になる味と言えば、吉野屋の牛丼もそう。実はそろそろ食べたい・・・アメリカさん、そろそろ全頭検査してよ~) ひょっとしたら赤ワインにも合わせられるかも? 車だったので飲酒は帰宅するまでオアズケ。 で、帰って開けたのがCh.タルボ(1999)です。 Ch.タルボは、クリュ・クラッセの密集するサン・ジュリアン村の中でも、一際広大な葡萄園を有する、由緒正しいシャトーです。 Ch.タルボの名は、英仏の100年戦争における英国軍の英雄、タルボ将軍に由来するもの。 畑の表層は小石が多く、下層は鉄分に富んだ地層で、約束されたテロワール。 樹齢30年の古木、カベルネソーヴィニョン66%、メルロ26%、プティヴェルド5%、カベルネフラン3%のセパージュです。 コルクは5.5センチ級の上等なもの。 染み付きは今のところ1センチくらいなので、20年ぐらいは保ちそうですね。 直後香るのは、重いコーヒー系のロースト香。 あまり新樽を感じさせないクラシックな印象です。 色は濃い赤黒色で、エッジは煉瓦色のニュアンスが出始めています。 濃厚なカシス・ブラックベリーのコンポート、皮革、ほんの少しの土臭さ・・・それらが重厚に混ざり合ってとても古典的な印象を醸し出しています。 華やかな新樽のヴァニラ香を身に纏ったアーティフィシャルなプレミアムワイン達とはひと味違う、流石はグランヴァンと思えるような風格。 やや酸が尖っていて攻撃的ですが、それもまた凛としていて良し。 フィニッシュは、酸味と心地よいタンニンが舌の両側下部に長く残ります。 HP:9 とろみを感じるほどに濃厚で「ちょっと田舎臭い」と悪口を言う方もいらっしゃるかもしれませんが、華やかな新樽のヴァニラ香ばかりを楽しんでいると、たまにはこういうワインも良いかなと、とホッとするのでは? レストランで、肉の赤ワイン煮などと一緒に飲みたいワインです。 |
今日は、待望の DIVA
が届きました。 嬉くって、早速レポート。(^^;) 思った通り、ワインボトルに迫る大型で、リーデルのソムリエ並。 本当にこれがそんなに丈夫なのか? ステムは細めだし、ボールとの接合部はむしろ細くなっていますし・・・(^^;) でも、指で弾くと「チ~ン」となかなか澄んだ音がしますし、透明度もまずまず。(^^) これが一個1000円しないのかと思うと、非常にお買い得感がありますね。 3日目のタルボを注いで暫くクルクルとグラスに馴染ませていると、タルボ復活! 重いコーヒー系のロースト香とジャムを思わせる濃厚な果実香が蘇って来ました。 やはり大きなグラスの威力は凄いですね! 欠点は2つ。 ・ステムに2枚のガラスを接合したような縦線がうっすら2本入っているのがちょっとチャッチくて残念。 ・ボールが大きく深いので、グラスを洗うのが大変 (その点、バカラのボルドーはちょうど上手く手入れできる程良い大きさです) シェフトミーさん、良い品を教えてくれてありがとう。 これで、お誕生日のグラス&デキャンターの追加購入、決定です。(^^) |
オー・カルル(1998)
2004/01/27 自宅にて DIVA が具合良いので、ちょっと美味しいワインをより美味しく頂こうと、オー・カルル(1998)を開けました。 知る人ぞ知る フロンサック のワイン、 ミッシェル・ロラン監修 、年間約800ケースという希少性、ほぼ メルロー100% 、 新樽100% 、18~20ヶ月熟成、ノンフィルターと垂涎スペック目白押し。(^^) 6センチの長いコルクを開けると、いつものように重厚な黒い果実の香りが、適切な樽香とともに香ってきます。 非常に濃く深い血のような黒赤色でネットリとしたオーカルル、香りはやや閉じ気味ではありますが、DIVAの容積が強制的?にワインを目覚めさせてくれます。 僅かに残るフレッシュな果実味、やや土を感じさせる熟成香、皮革、クリーム、弱いロースト、スパイス・・・ タンニンは半年前と比較して明らかにマロ味を増していて、水のような喉ごし。 フィニッシュも端正な酸味が長く味わえます。 良い年をとっている感じですね。うんうん。(^^) HP:9 DIVAに助けられているとは言え、オー・カルルはなかなか素晴らしいワインだと思います。 クロ・デ・ボリ(1999)とどっちが良いかと聞かれたら凄く迷う。 クロ・デ・ボリがソフィスティケートされた今風のメルローだとすれば、オー・カルルはタルボ系の古典的な味わい。 お好みで飲み分けるのが宜しいかと。(^^;) |
シャトー・グリヴィエール(1998)
2004/01/29 自宅にて 今日のワインは、以前(2003/12/06)にレポートした、シャトー・グリヴィエール(1998)です。 その時は、 HP:8 分厚いボディーと力強い酸味が印象的なワインですが、香りが弱いのがいただけません・・・少し落ち着かせてから、再度試してみたいです。 としたのですが、そろそろ良かろう、大きなグラス(DIVA)もあることだし・・・ と言うことで、再トライ。 ベットリと濃い赤紫がコルクのお尻0.5ミリ程度に染みついています。 98年でこれはなかなか優秀なのではないでしょうか? それとも、ずっとボトルが立ってたか?(^^;) 赤い酸味のある果実の香りとタバコの香りは以前と同じ。 暫く置くと酒石酸の結晶がキラキラ。 開栓後の香りがあまりたってこないのも前回同様。 「例の」コンクリート系の香りは今回は感じられないものの、大きなグラスでこれですから、やはり香りのパワーはイマイチと言わざるを得ませんね。 ちょうど香りが閉じている時期なのかな? 今回も全然時間を感じさせない程にフレッシュ! 酸っぱい系の杏、プルーン、弱い樽香・・・ バランス的には果実味が勝ちすぎですね。 フィニッシュは酸味が上顎の奥に長く残りますが、ちょっと絡みつく感じ。 HP:7 メルローリッチの割には熟成感がなく、果実味だけで飲ませるワインのように思います。落ち着かせれば良くなるかなと思いましたが、やはりとしのすけにはイマイチでした。 ま、好みですから・・・(^^;) |
シャトー・モンローズ(1993)
2004/01/31 自宅にて 今日は楽天三昧の一日でした。 バレンタイン絡みであれこれ検索していると、ショップそれぞれ、色々な切り口でバレンタインワインを紹介していて・・・お店も大変だなぁ・・・などとちょっと同情。 それでも、そんなこんなで見つけた面白いワインを日記で紹介していると、結構な数のアクセスを頂き、やはり「成果は努力に比例する」ことを再認識しました。(^^;) (結局過去最高の431アクセス/日!嬉しいです) で、今日のワインは「アクセス数過去最高記念」シャトー・モンローズ(1993)です。(^^) シャトー・モンローズは、メドックの肝である4つの村の中でも最北端、ジャルと呼ばれる小川のような水路でポイヤックと隔てられるサンテステフ村のワインです。 メドックもサンテステフ村まで来ると、ジロンド河のかなり下流になるので、砂利が少なくなり、重く排水の悪い粘土の混じる割合が高くなります。 しかし、このシャトー・モンローズは、そんなギリギリのサンテステフ村の中にあって飛びきり恵まれた、ポイヤックに近い、ジロンド川を望む砂利質の丘の上に位置していて、カベルネ・ソーヴィニョンの出来が良い為、シャトー・ラトゥールのような濃くタンニンの強靱な長熟タイプのワインを産することで知られています。 そんなシャトーの93年ものは、果たしていかがなモノでしょうか? コルクはグランヴァンにしてはやや短い方の5センチです。 既に10年の歳月を重ねているのですが、染み付きは極小で、まだ後数十年は大丈夫そう。 開栓直後の香りはやや弱いものの、時間を経るに従って、熟成した黒い果実の香りと重々しい樽がジワジワとわき上がってきます。 しっかりしたタンニンは酸や果実味の低下をしっかり抑えていて、10年を経ているとは思えない若々しさ。 スッキリとした酸がまろやかになったタンニンと調和して、大変結構な味わい。(^^) 色は、透明感の高い深い色調で、全体に煉瓦色のニュアンスが感じられます。 特筆すべきは、そのツヤ。 熟成したグランヴァンの持つ艶やかな煉瓦色の域に入ろうとしていますね。 フィニッシュは、渋みはスッと消え、一瞬フッと甘みが現れ、その後、上品でキレのある柑橘類を思わせる酸味が長く続きます。 HP:9 流石はモンローズ、脱帽でございます。 同系統の味わい?の ラトゥール や レオヴィル・ラス・カーズ と比べると、 ・色が赤黒い(ラトゥールやラス・カーズは青を感じます) ・現時点で熟成感・フィネスを感じさせる ・柑橘系の酸味がある という点でモンローズらしさが出ていると思います。 もう、ここまで来ると・・・個性ですね。 どっちが美味しい・不味いではありません。(^^;) P.S. シャトー・モンローズの名前の由来、シャトー内の随所に薔薇(ローズ)が見られるので、モン・ローズ(薔薇の丘)となったとのことです。 ちなみに「薔薇」は、花を愛でる為だけに植えているのではなく、むしろ「病気予防のセンサー」として重要な役割を担っています。 薔薇は非常に病気にかかりやすい植物で、葡萄より先にウドンコ病などになるのです。 ちなみに、厳密には薔薇のウドンコ病と葡萄のウドンコ病は病原が異なり、同じ病気ではないのですが、2種類の病原菌が繁殖しやすい条件は非常に似通っているため、センサーになるとのことです。 |
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