1 Leitz (Rheingau) ライツ
Rüdesheimer Kirchenpfad カビネット ファインヘルプ 10
2 Bercher (Baden) ベルヒャー
Jechtinger Steingrube ヴァイスブルグンダー カビネット トロッケン 09
3 Fritz Haag (Mosel) フリッツ・ハーク
Brauneberger Juffer トロッケン 09
4 Fürst (Franken) フュルスト
シュペートブルグンダー ‘トラディション‘ トロッケン 08
5 Keller
(Rheinhessen) ケラー
Westhofener Kirchspiel グローセスゲヴェックス トロッケン 08
6 Will Schaefer (Mosel) ヴィリ・シェーファー
Graacher Himmelreich シュペートレーゼ 05
2と4以外は葡萄品種はリースリングです。
1は6月の ドイツワインフェスト
で使おうと思ってリューデスハイムの酒屋にお願いして空輸してもらったワインなのですがフェストには間にあわなかったというものです(フェストには違うライツを使用しました)。ということで日本未輸入のワインです。
3と4はフェストで出したものですが未使用のものがまだあったのでそれを使いました。
そのおかげでケラーのGGのような高額なワインも使うことができました。
料理を紹介しながらその時に出したワインの感想や相性を書いていきます。
グラスは二脚用意してもらって同時に飲み比べができるようにしてもらいました。
ニシンのマリネ サワークリーム風味
タマネギのパイ サラダ添え
料理が主張しない強くない味なのでドイツの典型的といってもよいさっぱりとした白ワインとの相性は抜群でした。
1のライツのほうはストレートな味わいなので、2のベルヒャーのヴァイスブルグンダー(ピノブラン)の樽熟成も加えた少しざらっとした複雑みの感じるほうが食事とのからみ具合は良いと感じました。
ベルヒャーは小売り価格は3000円しないのでコストパフォーマンスが優れていると思いました。日常の食卓でワインを飲みたくなった時にあわせやすい使い勝手の良いワインだと思いました。
ライツのファインヘルプはすっきりしているだけでなく口の中で深み、重みを感じることができて評価の高い優秀な造り手というポテンシャルをしっかり感じることできます。
僕は食事とよりは、単体もしくは軽いつまみで飲みたいと思いました。でも塩をつけて食べる白身の刺身など淡白な和食には最高かもとも思いました。
マスのムニエル リースリングソース
モーゼルワイン(3のフリッツハーク)ということでモーゼルの地域でよく提供されている料理にしてくださいました。
なのでリースリングのトロッケン(辛口)とあわないわけがありません。
まるみを帯びたやらかめの味わいなのでもう少しモーゼルらしい酸の強いだともっと相性が良いかなとも思ったのですが充分満足です。
このワインは単体で飲むより料理と合わせたほうが何倍もおいしく感じることも認識できてよかったです。
ザウマーゲン ザワークラウト添え
鹿腿肉のロースト 赤ワインソース
4のフランケンのシュペートブルグンダーは薄めの飲み口で奥に深いタイプなのですが、ザウマーゲンとは相性が抜群だったのですが、しっかりした味の鹿肉には負けてしまいました。
もしかしたらあわないかもと思っていたのでフーバーのシュペートブルグンダーを少数予備で持ってきていたのですが、こちらのほうが相性は良かったです。
それでもまだ少し弱くて、ピノワールだと収量を減らして凝縮した葡萄からのタンニンもそこそこあるどっしりとしおたものだとジビエ系の味付けも濃いものだとあわないかもと思いました(甘めのソースだとアールのワインはあわせやすいような気もしました)。ドイツだとドルンフェルダーやカベルネソーヴィニヨン、レンブルガーのどっしりとした味わいのもののほうが低価格のワインでもあわせやすいかと思いました。
ザウーマーゲンを持ちながら説明する野田シェフ
ザウマーゲンは豚の胃袋に肉やジャガイモなどを詰めたソーセージのようなもので、日本で本格的なものを食べられるのは現在ツムアインホルンだけだそうです。
有名なプファルツのダイデスハイマーホーフと同じレシピで作っているとのことでした。
5のケラーのGGは相性ではなくワインそのものについて感想を書きます。
GG(グローセウケヴェックス)をたくさん飲んでいるとボリュームがあって口の中で広がるタイプが多いのでそういったものをGGの標準と考えてしまうのですが、このワインはそれとはベクトルの違うものです。
広がりがあまりなく縦に濃縮感がありました。
ケラー
を訪問した時に同じキルヒシュピールの06を購入して飲んだのですが、やはり同じ系統の印象でした。この味わいが畑の個性だというのがよくわかりました。
06ではクリスタルという表現をしましたが、08のほうは凝縮感があって透き通っているというかんじでもありませんでした。この年のこの畑は特に良かったらしく唯一無二なワインになっていると思います。
といってもわかりやすいすごさを感じられるワインではなく、考えて感じないとこのワインの良さはわからない、という通好みなワインだと思いました。それかこういったタイプが好きな人向けです。
最初は本当に固くてそういうことも感じられないくらいだったのですが徐々にすごさが表れてきました。もったいないと思って参加者にも少し待ってから飲んでもらうようアナウンスをしました。
また、キルヒシュピールのGGが10年経つとどう変化するのかが全く想像できないので今とても興味を持っています。
デザートも手のこんだものの盛り合わせで野田シェフには本当に感謝です。
フルコースで食事を楽しんだ後でなおかつデザートのある時は、ボリュームのあるアウスレーゼよりはシュペートレーゼのほうがあうと僕は考えています(もちろんそのあとにもっと甘いデザートワインをだしてもよいですが)。
シュペートレーゼでも酸が強いフレッシュな甘口ワインよりは丸みのあるもののほうがしめにあうと考えていて、このワインについて確認したら酸は強くはないとのことだったので決めました。
そして正解でした。
ほどよく熟成して落ち着いた味わいでしっかりと甘みもあります。
デザートを食べても邪魔しないちょうどよい甘さでした。
05のシェーファーの甘口は買いかもしれません。
ということで一通り書いていきました。
今回の会費は会員6000円、非会員7000と設定したのですが、野田さんと相談したりワインもうまく工面して、料理もワインも会費以上の質のものがでています。東京ドイツワイン協会ということで野田さんは食事代をおさえてくださいました。ふだんはこの値段ではださない特別コースです。
昼間にこの値段は高いと感じるかもしれませんが参加された方は価格以上の大満足を得られたと確信しています。
運営に関わっている僕自身も楽しみにしていたのですが最高の会となりました。
今回を基準にされしまうとこれからの会が大変ではありますが・。
今回はあまりドイツワインを飲んでいない、という30代前後の方も数人参加されていたのですが、そういった方々は口を揃えてドイツワインがこんなにおいしいとは思わなかったとと言っていました。辛口のおいしいドイツワインはほとんど売っていなくてこういうのがあるとは知らなかったというのです。
ドイツワインの認識は世間(ワイン好きも含めて)ではまだそのレベルで甘口でないすばらしいワインの存在を知られていなくてそれはとても悔しいことなのですが、こういう会で少しでも知ってもらえる方が増えているのはとても良いことです。
ほぼ全員が好感触なので、それは布教、普及のためにも自信になっていてこれからもがんばっていこうと思えるのです。
今回はドイツワイン初心者だけでなく数十年ドイツワインに浸かっている方々にもお褒めの言葉をいただきそれはとても励みになったので、これからも甘口辛口問わずすばらしいドイツワインを多くの人に紹介していけたらと思っています。
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