『地下鉄に乗って』



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
衣料品会社の営業マン長谷部真次は
地下鉄の駅を移動中、携帯の留守電で
絶縁状態の父親が倒れたという伝言を聞きます。
そこへ突然、亡き兄と似た人影が・・
必死で追いかけて地下通路を抜けると
そこは昭和39年の東京でした。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

浅田次郎原作・・
すみませんん~読んでませんm(_ _)m

読んだ方がよくわかるのかな?
というのは、ストーリーそのものがわからないというのではなく
細かい矛盾点や人物間の心情などの
説明が映画では足りないような気がしたから。

悪くはないけど、とくにすごくいいって訳でも・・
という、一番感想を述べるのに困るタイプの作品かも(^_^;)

まずは、東京の地下鉄事情を知らないのと
昭和39年のオリンピック景気とやらも
まだ生前なので、当時の町を再現した様子に
ぐっとくるものがないのは当然といえばそうかも?
地下鉄はわざわざ昭和初期の車両を
実際に使ったそうなんですが・・。
そんな時代を生きた真次の父親、小沼佐吉。

この佐吉を演じているのが大沢たかお。
実は昭和39年から、さらに昭和21年、
さらには戦時中へとタイムスリップするのですが
その中で主人公が出会う、それぞれの時代の父親。
青年時代から老年まですべて大沢たかおさんが演じています。

夢と希望にあふれた青年、
戦後の闇市でしたたかに生きる若者、
威圧的な父親、同じ人間か!?と思うような変わりようなんですが
そこには戦争という背景があり
ある意味、時代に翻弄された生き方で
そうなっちゃったのかなぁ~・・と思われます。
そんな難しい役と考えれば、見事に演じてらしたと思います。

この物語は父と子の確執ともうひとつ
不義な恋愛に身を殉ずる女の姿が描かれています。
と、書くと内容がちらっと見えてしまうので
嫌な方はこの先読まないで下さいね(^_^;)

父親の恋愛、息子の恋愛、
縁を切っててもやはり血の繋がりは断つことが出来ない証拠に
同じように不倫してます。
映画の中では奥さんとのことではなく
不倫相手との関係を純愛のように描いてる節があって
この辺に嫌悪感を覚える方もいると思います。
なんだか不倫を正当化しているようにも見え・・。
劇中に出て来る小説『罪と罰』
これが後々、重くのしかかってくるのですが。
主人公の愛人みち子のとった行動や気持ちなど
一女性としてならわからなくもなく、
ラストがせつないなとか可哀相だなとかありますが、
結局その前に『ちょっとまてよ。おまえは愛人だろ』
というのがあり、素直に感情移入するのは
難しいような気がします。
逆においらは『それで良かったんじゃない。当然だろ』なんて
スッキリした感すらあり、それは冷たいでしょうかね・・(^_^;)

なんにせよ、この作品で感じたことは
人は自分の見たものや経験したことからしか
物事を判断出来ないってこと。
だから真実を知ることはある意味大切なのかもしれない。
(知らない方がいいこともあるが;)
でも、映画のように過去を溯って真実の姿を知るなんてことは
到底出来ないんだから、
やはり物事の内面を知るって難しいのね~。
この映画では、最終的に父親へのわだかまりがなくなったんだから
現在の父親と話をして欲しかったなって思います。
なんか、それが心残り・・。

しかしまぁー、当然ながら、おいらの両親にも
今の自分より若い時代があった訳で・・
でも、想像付きませんね;

2人の子供で良かったとは思ってるけど♪

もしも自分が親になることがあるなら、
やっぱり『お母さんの子供に生まれて良かった』
って言われたいですね。

恋愛模様はともかく、父と息子の物語としてはそれなりに
感じ取れるものがあると思います。

ちょっと最近親と疎遠だな~という方、
ご覧になってみては?


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: