愛地球博覧会に学ぶこと



size=愛・地球博の会場には、CO2削減のための最新の環境技術がたくさん詰め込まれています。自然を利用したエコなアイデアを覗いてみましょう。

涼を運ぶ日本人の知恵「打ち水」。光触媒金属屋根に使うと……

愛・地球博 長久手会場。
 「打ち水」とは、夏場に路面に水を撒くことで涼を得たり、土埃が舞うのを防ぐために行われてきた昔からの日本人の知恵。この「打ち水」が、いよいよ3月20日から開催される愛・地球博でも試みられるそうだ。場所は日本ゾーンの中のひとつ、日本政府(経済産業省)が手がける長久手日本館。ここは新しい環境技術を体感できるアクティブ型実験パビリオンで、その環境技術のひとつとして、光触媒金属屋根を利用した「打ち水」が実証実験される。


光触媒金属屋根。
 長久手日本館は、床面積が約6千平方メートルのドーム型の建物。その金属でできた屋根部分に光触媒物質の酸化チタンを塗り、水の表面張力を小さくする。すると水は球状にならず薄い膜になるので、太陽光による蒸発が早くなって、周囲の気化熱が奪われる。光触媒金属屋根の上の方から特殊なホースで屋根全体に水がいきわたるように水を散水すると、館内がひんやり涼しくなる。また、涼しいだけでなく、室内は明るくなるので日中は照明がいらないという。

 地球温暖化現象で年々上がる気温は、とくに都市部にとって大きな環境課題だ。この愛・地球博の「打ち水」技術にならって、CO2を出さないで、快適な暮らしを実現したいところ。

日本の森林を豊かにするには……間伐材を束ねて一本の太い柱を作る

間伐材を9本使って太い柱を作る。
 日本の国土の67パーセントを占める森林のうち、41パーセント(*1)が人工林だって知っていました? 杉やヒノキの人工林は、間伐されないまま放置されているため、枝葉がうっそうと茂り地表に光が届かず、地中に根をしっかり張ることができずにひ弱な樹木が育ってしまう。これは、森林の保水能力を低下させ、表土流出の原因にもなっている。安価な輸入材が増え続け、国内の人工林は放置されたまま。間伐材は今やひとつの大きな環境問題!

 愛・地球博では、この間伐材を利用した会場作りが行われているそうだ。場所は、長久手会場。間伐材の直径12~13センチ程度の細い木は、もちろんそのままでは柱や梁に使えないので、間伐材を束ねた「束ね柱」が考え出された。束ね柱は、丸太のままの間伐材直径17センチの芯材の周りを、直径10センチの8本の丸太で囲んで作られる。間伐材は角材と違って、ひとつとしてまっすぐなものはないから、強力なバンドで固定しながら、1本1本人の手で丁寧に接着していくという。また、間伐材同士は、金属ではなく、竹製のコネクターを使用してつないでいる。これは、愛・地球博が閉幕した後、解体された時に、建築材料のリユース、リサイクルをしやすくするため。

これからは輸入材に頼らず、間伐材で内需拡大を目指す?!

(*1)『すぐわかる森林・木材データブック2000』(日本林業調査会刊)より

二酸化炭素を出さないクリーンな乗り物運行中!

自転車タクシー。
 愛・地球博の会場のグローバル・ループで、来場者の場内の輸送手段のひとつとして、「自転車タクシー(英名:Bicycle Taxi)」が運行するそうだ。自転車タクシーは、排気ガスを一切出さない地球に一番優しい乗り物というわけ。

 車両は、日本自転車振興会の自転車等機械工業振興事業の補助金を受けて、財団法人自転車産業振興協会の協力のもとに国内自転車メーカー3社が電動アシスト付自転車をベースとして乗客装置を備え付け、新規に開発した自転車タクシー(国産初・20台)と、既に京都をはじめ国内各所の公道で営業運行をしているドイツ製のベロタクシー(2台)の合計22台を使用する。

 運行区間は、グローバル・ループを一方通行で時計回りに運行。乗降所は、ループ上に4箇所。乗車人数は、車両タイプにもよるけれど、1車両あたり最大乗客2人+子供1人(+運転手1名)。同時に最大20台が運行される予定。ちなみに速度は、時速約5km/h。1区間所要時間は約10分。運行時間は9~19時(予定)で、利用料金は1区間(乗降所~乗降所間)、大人300円/回、子供(小学生以下)200円/回、身体障害者200円/回。

 全国で自転車タクシーが運行するようになれば、少しはこのめまぐるしく過ぎていく時間をスローダウンすることができるかも?!





NPO自然保護マップ
1. 愛知県
■ EGN(エキスポ グローバル ネットワーク)
http://www.who-aichi.jp/egn1.htm

 EGNの目的は、EXPOへの熱い思いを持つ誰もが、個人で参加でき、EXPO開催を契機に、中部地方の未来や地球の未来のために何ができるかを考え、NPOを通じて自ら行動する場を提供すること。そして人の輪のネットワーク作りを目指している。財団法人2005年日本国際博覧会協会に提案活動を行っている。

2. 愛知県
■ EXPO2005地球市民の会
http://www.expo-shimin.gr.jp/

 EXPO2005地球市民の会は、2005年の日本国際博覧会の成功に向けて、市民参加をより活発にするために、各界各層の企業や団体などに呼びかけて、平成10年5月に設立された。会長は、中京大学総長、梅村清弘氏。国際博への市民参加意識の高揚、博覧会計画づくりへの意見提案、博覧会推進市民ネットワークの構築、博覧会を生かした地域づくり、観客の受け入れ環境づくり、市民団体のリーダーの育成などを目指して活動している。

3. 愛知県
■ NPO法人日本救急蘇生普及協会
http://www.jlsa.jp/

 救急蘇生法の普及率は欧米と比較すると、日本のそれはとても低いそうだ。そこで、日本で多くの人が救急甦生法を実践できるようにと活動をしているのがNPO法人日本救急蘇生普及協会。心肺蘇生法、救急法、水難救助等の啓蒙を計る事により事故防止思想の普及を行い、もって健全な社会発展に寄与する事を目的として設立された。子どもから大人まで幅広く救急蘇生法の指導を行っている。愛・地球博ボランティアセンター参加支援部会専門研修の救急蘇生法の講師を担当している。

4. 愛知県
■ 特定非営利活動法人 わが家流子育て応援団ふりあん
http://www.furian.com/

 子育て中の当事者だからこそ気付くものを社会に発信したいという思いで活動中。メンバーが知りたい情報を集めて、子育て応援誌『たんたん』を発行したり、「子育て&子育ち にこにこサロン」を昭和区社会福祉協議会と協働運営するなど、現役ママの視点で活動している子育て応援団。

5. 愛知県
■ NPO法人コア・エンジェル
http://www.core-angel.com/top.htm

 高齢者、障害者またはその家族等で援助を必要とする人、その他手助けを必要とする人に対して、地域社会に根ざした介護、介助サービスを提供する事により、すべての人々が健やかに暮らせる地域社会づくりに貢献し、あわせて社会福祉の増進を図る目的で設立。高齢者への訪問介護事業、身体障害者への宿泊サービス、児童居宅介護等事業などを行っている。

6. 愛知県
■ 特定非営利活動法人 介護サービス さくら
http://www.kaigo-sakura.com/

 助け合う、学び合う、育ち合うことをモットーに「住み慣れた街で、家族とともにいつまでも安心して暮らし続けたい」と願う人たちが集まり『介護サービスさくら』が誕生した。通所介護、居宅介護事業、福祉用具販売・レンタルなどを行っている。

7. 愛知県
■ ネットワーク『地球村』名古屋
http://www.nagoya-chikyumura.jp/

 永続可能で平和な社会を実現する、環境と平和のNPO(市民ネットワーク)。本部は大阪にある。地球環境の現状、女性の人権、戦争と平和、世界の子ども達の現状、ODAの現状、環境と経済、身近な環境問題などの学習の場や講演会を開催したり、国際支援などグローバルに活動している。


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