石油温暖化対策税金について〔石連〕


温暖化対策に経済的手法を取り入れるという前提で、議論をするのはおかしい。CO2を減らす目的でCO2排出源に税金をかけるのでは、目的と課税手法が一致していない。また欧州では、環境税を一般財源化し、年金の負担にも充てているが、一方今回の環境省提案は目的税である。目的税は受益者負担が原則であるが、今回の税は原因者負担となっている。そしてこの税収から補助金を出すというのだが、省エネ機器などの開発は、補助金を出さなくても続くだろう。また例えば森林関係の補助金の行き先に、農水・文科・環境の各省がかかわっている。これらはそれぞれが結びつかない。課税の根拠も薄弱な中で、日本は税の導入を急ぎすぎている。
● 年金問題同様、一般の人も環境税に興味を持っていると思う。最近はマスコミも、最初に「税ありき」はおかしいと考えるようになった。現在環境対策に使われている8,000~9,000億円が有効的に使われているかを検証することは重要であると一般の人も理解できると思う。年金問題も当初は、「こんなに難しいことを。」といわれていたのが、ここまで国民的な議論に広がった。
● 税の使われ方をもう少し明らかにすべきである。環境といえばOKのような風潮がまかり通れば、この先色々な税金が通ってしまう。数字合わせの議論は受け入れないとの世論の流れを作るべきである。


● 石油業界を打ち出の小槌だと思ってはいまいか。石油連盟が主張している点は、まさに正論だと思う。
● 石連は、もっと具体的に事例・データ等をあげて、主張したらどうか。例えば、既存温暖化対策の検証を行うことや、この税が導入されると日本経済にどのようなマイナスが生じるかといったシミュレーションも行うことができるだろう。こういった具体的な点を、今後展開してゆくべきである。
● 温暖化対策税反対の議論を進めていく中で、被害者意識を出すべきではなく、ポジティブな貢献を出すことが必要である。技術革新を盛り込むと当面は生産現場からCO2が増えることになるかもしれないが、ある時点から減っていくことが重要である。長期的スパンで地球温暖化対策に十分貢献している実例・実績を出していくべきである。

[伊藤モデレーターの総括]
● もっと詰めた議論をすべきである。石油連盟の主張・見解の中身を出すべきである。シナリオを示して論じたほうがより説得性を持つ。
● 世論の喚起が重要である。「数字合わせ」、「はじめに税金ありき」では一般のひとは受け入れない。狭い議論にならないよう、長期的なスパンで、持続性のある豊かな国を目指した本質的な議論をすべきである。
[高萩委員長の総括]
● 温暖化対策税反対については世論を味方にすべきだと考えている。そのためには、
(1) 石油業界のエゴという印象を与えない
(2) だれでも納得できる資料で説得する
(3) 業界の負担を全面にした議論をしない
(4) 税の本質をついた議論をする
(5) 環境対策(自主行動計画、燃料対策等)を推進するが重要と思う。

│開催概要・メンバー│石油産業の環境対策│


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