海洋温度差発電


海洋温度差発電
OTEC:Ocean Thermal Energy Conversion
海洋温度差発電 Q&A 解説
海洋温度差発電の活用法
海洋温度差発電で得たエネルギーを多目的に活用するにはどういった方法が有効だろうか。

海洋温度差発電で得たエネルギーによって、海水を淡水化したり、得られた電気と水を利用して水素を製造したり、海洋深層水の冷熱を利用した地域冷房など、さまざまな技術応用が期待されている。とくに、海水淡水化は、水不足の地域への飲み水の供給として大きな期待が寄せられている。また海洋深層水には携帯電話の電源に使われるリチウムなどの貴重な金属資源が含まれており、リチウムの回収なども可能と考えられている。

わが国の海洋温度差発電の状況は?
わが国では海洋温度差発電はどのように研究が進められてきたのだろうか。

わが国では1970年頃から海洋温度差発電の調査・研究が始まり、1974年に新エネルギーの研究を推進するサンシャイン計画の中に組みこまれた。1981年には東電がナウル共和国で120キロワットの発電に、1982年には九州電力が徳之島で50キロワットの発電にそれぞれ成功した。
佐賀大学では1973年から、先述した上原教授を中心とするメンバーによって研究が続けられ、佐賀大学海洋エネルギー研究センターが伊万里に建設されている。同施設には30キロワットの海洋温度差発電実験装置、海水淡水化基礎実験装置、リチウム回収基礎実験装置などの実験装置が設置され、海洋温度差発電と同時に複合的な利用技術の確立を目指して研究が進められている。さらに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2003年度に温度差発電による省エネ事業に補助金をつけることを決定した。サウジアラビアの企業と合弁会社を設立し、海洋温度差発電の本格的な事業展開をめざすベンチャー企業も登場している。


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