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村上春樹の「小澤征爾さんと、音楽について話をする」で
第3ピアノ協奏曲の緩徐楽章の魅力を発見して以来、
ベートーヴェンばかり聴いています。
中でも、最近とみにハマっているのが、
ベト7と第九の間に挟まれた地味な存在ですが、
全曲を通じて、第7番のような沸き立つリズムがあり、
変奏の域にまで徹底され尽くした主題の展開は、第9の強靭な集中力を予感させます。
(特に、第1楽章の中間部の盛り上がりは、若々しく、精力的です。)
それでいて、ハイドン風のコンパクトなサイズ。
ユーモアさえ感じます。
これは、交響曲のひとつの到達点だと思います。
ようやく最近になって、「偉大な」とか「楽聖」とかという権威を気にせずに、
自然とベートーヴェンを聴けるようになってきた気がします。
CDの紹介。
いわずと知れたスクロヴァチェフスキ。
テンポが速く、リズムのキレがよい。
カラヤン=ベルリン・フィルから古楽ブームまでの歴史を越えたところにある、
スリムで現代的な演奏。
巨匠チェリビダッケ。
とにかくテンポが遅い。
これで聴かせる、持たせる力量には脱帽。
ホワンとしたまろやかな音色と誰も傷つけないような優しさが独特で、
とっても魅力的なんだけど、
最後までちゃんと起きて聴けたことがありません(第4楽章の途中で必ず寝る。)
今のところ、フルトヴェングラーを除いては、
これが東西の横綱かな。