たぬきぶたの日記2

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筑豊 折尾~中間



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折尾~中間 (筑豊2日目)



昭和47年3月27日(1972)

前日のネガが台無しになってしまい、どこを撮影して、どこに行ったのかも分かりません。

しかし、早朝のネガがあり、その眠い体で撮影地に向かったことは記憶がある。

目的地は折尾です。ここは筑豊本線と鹿児島本線が交差する駅です。

もちろん線路は別ですが、若松から南下する筑豊線と門司港からの鹿児島本線の

貨物列車が筑豊線に乗り入れるために、折尾と次の中間(なかま)駅の間は

複々線となり、4本の線路をSLがひっきりなしに往来しています。とにかくSLの数を写すのならここが最高です。

ただし、景色はおもしろくない。市街地みたいなところをひたすらSLが通過するだけ。

だが、僕にはめずらしいSLを写したいと願っていたので、ここで撮影しなければ

目的が達成できない。折尾に到着したのは早朝だった。

昨夜は列車を寝床にしたので、夜行で広島まで戻り、鈍行列車で下関まで。

そしてまた門司港駅まで戻って行ったり来たり。だから熟睡できていない。

折尾についたときは、もうろうとしていた。筑豊線の折尾駅から降りるときは迷った。

何せ駅が立体交差しているから、ややこしい。今でこそ、都会の地下鉄では駅自体が

交差しているなんてのは当たり前だが、当時の僕にはあれれのれ~、状態。

とにかく無事に降りて、線路づたいに南下した。早速やってきました。



前日に冷水峠で写したD5142号機でした。まだ早朝なのでライトをつけています。

このネガはブローニー判です。35mmのネガはだめになっているので、これで行動を思い出していくしかない。



反対からD51206号機の貨物列車。

すぐに反対からまたもや来ました。



今度はD60でした。重い貨物列車ですからそれなりに煙を出しています。

次にここでの最大の目的だったSLです。それが8620形式です。



中間駅から分岐している香月線の旅客列車を牽引しているのが大正生まれの

8620形式です。この写真はピンボケです。かろうじて番号が見えますが、

35mm判をメインにしてバンバン写していました。

ブローニー判は機動性に劣るし、連続シャッターができません。

それに、ピント合わせが難しい。なんせ古くてボロですから、合わせた場所と

違うところにピントが合っている。それに高速シャッターができないのです。

まあ、こんなヘボいカメラで撮影しているのは僕ぐらいのものでしょう。

でも、無いよりはましです。現にこうして残っていてくれていますから。

作品の善し悪しではなく、思い出の記念作品ができたかどうかですね。



線路伝いに南下して線路が分岐しているところにやってきました。

さて、ここはどこなんでしょうか?分かりません。

現在の地図を見ると、このような線路はない。福岡にお住まいの方で

この場所をご存じの人はいませんかね。??



背景にはボタ山があります。この9600のテンダー部分は白い

ペンキを消した跡がありますね。春闘が決着したのでしょう。

ストのスローガンを書いた文字がきたない模様となって残っています。

当時は気分悪かったけど、今は「それも記念だ」と思えます。

そうだ、前回のアップで9600のことを書くと言っていましたね。でも、

長くなるからなあ~。どうしよう。

簡単に説明しますね。

大正生まれのSLは番号を4桁の数字で表していました。

旅客用に8620形式が結構完成されたSLということで、大量に生産されました。

8600、8610という番号がありました。それで、この8620形式は

どんな付け方かというと、1号機は8621です。8699までいくと次は18620。

18621、18622となる。貨物用の9600形式も同じように付けられた。

9601が1号機で9699の次が19600、19601となります。

この付け方がややこしいので、次に開発された9900形式から呼び方が変わった。

これをD50とした。1D1のミカド型(海外の人が付けた名前です。すばらしいSLができて

最高の称号を付けることにした。そこで、日本で最高の位である天皇を表す帝(ミカド)を

名前にしたという。)を乙線でも使えるように従輪を2つにしたのがD60。

D50をもっと改良してD51が作られ、性能が良かったので大量に作られた。

このD51を乙線用にしたのがD61。これは10両以下しか作られなかったと思う。

この昭和47年当時はまだ、D61は数両が北海道の留萌で活躍していた。

最後のSL貨物がD52。これは巨大なボイラーを持つ大型蒸気だった。

東海道の御殿場線でのD52が消えたのがそのころだったと思うが・・・。

あかん、この調子では、この日の筑豊線がアップできない。



D6064号機。門デフですね。やはり無骨なD60には標準デフが

似合っているように思うのだが。



 これは変わっている。なんせ煙突がスマートな直線的なものに代えられている。

普通は途中に出っ張りのある化粧煙突がノーマルですから、これは珍しい。

デフもD51の物を使っているみたい。角が斜めに切ってあるのはD51用です。

この場所で写したものがこれ。どこなんでしょうか。




ひっきりなしにやって来るSLを撮影していたら、やはり飽きてきた。

同じような景色でSLの番号はたしかに違うのだが、こんなにもたくさんの

SLを写すとなると、これはもう無理。地元でないから全部を写すのも限界です。

他にも写したいところは沢山あるし、フィルムも限られているので、次の目的地へ

場所を移動した。しかし、まあ、沢山走っていましたなあ。今では考えられないね。

「あ~、また来たか。しゃあない、1コマぐらい写しとこかあ。」

う~ん、なんという贅沢。今の時代にタイムスリップしてほしいよね。

今日の文も長かったなあ。反省します。



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