たぬきぶたの日記2

たぬきぶたの日記2

昭和47年7月30日



昭和47年7月30日

筑豊地方には炭鉱がたくさんあり、他にも石灰岩の産地もあったので、

その運搬のために支線が張り巡らされていた。

関西にはないSLがあり、それを写したいと願っていた。その中にD50とD60がある。

D50という貨物用のSLは若松機関区と直方機関区に1両ずつしかなかった。

D60はD50の1D1型(ミカド型)を丙線用に改良したもので、従輪を2つにしたもの

です。そのD60が上山田線で旅客を牽引しているのを時刻表で見つけて、これを写してみたいと思っていた。

現在この支線は廃止されている。始発がどこだったか忘れてしまった。当時の時刻表や

ダイヤグラムもどこにあるのか分からない。

有名でない路線なので、撮影場所をどこにしたらいいのか、まずは実際に乗って

現地視察するしかない。

始発列車に乗り込んだら、D60が逆行運転で牽引した。平坦な線路で格別に撮影場所と

してよさそうな所は見つからない。

しかし、終点の上山田駅の1つ前の下山田駅の手前に小さなトンネルがあった。

長さ約50mほどの小さなトンネルです。駅からも近いので、その出口で撮影することにした。

早朝で辺りはまだ暗かった。

トンネルを抜けて、この出口で撮影したら、結構迫力あるのが撮れるかなと、

すぐ近くで構えた。しかし、暗い。露出計がマイナスを示して、まともな明るさでは

撮影できない。そうこうしている内に、列車が来た。

暗すぎてさっぱりだめだった。完全な失敗でした。このときのD60がトンネルを

出てくる時の迫力あるシーンに取り憑かれた。

筑豊の支線でこんな風景は他にありません。

きっと、ここで撮影した人はほんの僅かじゃあないでしょうか。

少し離れたところで、再度撮影開始。

これです。





D60を写したのはこれが始めてだったので感激でした。

列車本数が多かったので、何回も楽しめます。ただし、同じ場所ばかりですが。

朝もやの中から白煙を上げてブラストを響かせてくるD60。

それに、誰もいない。この写真の左には、道路があり、なんの変哲もない場所です。

見逃しやすい場所ですが、ぼくは気に入りました。ここには後日の撮影旅行でも2回ほど来ました。






ただ、逆光なんですね。夕方だったら、いい光線状態になると思うのですが。



右に見えるのは始発駅から8kmの地点を表していますが、廃線となった今となっては

どこなのか分かりません。どなたか、この線路がどこにあったのかご存じの方は

知らせて下さい。お願いします。



トンネルを反対側から見たものです。転車台のない小さな駅との往復運転なので、

このように、バック運転をします。このD60はそのために石炭を積むテンダーが

低くなって、運転士が見やすいようになっています。

何回か撮影したらなんと、D51が来た。え~、という感じです。びっくりでした。






トンネルの南側です。さて、この場所は今はどうなっているのでしょうか。

この手前が駅でした。下山田駅かな、上山田駅かな?

もっと丁寧に記録を付けていくべきだった。まあ、いいかあ。

どうせ、思い出だけの記録になっていくのだから。


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