たぬきぶたの日記2

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行きはよいよい帰りは惨め(1)




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行きはよいよい帰りは惨め(1)




行きはよいよい帰りは惨め(1)

前の内容に事故のことを書いていましたが、もう少し詳しく書いてみます。

笑い話のようで悲しい思い出なんです。


大学を卒業して1年が過ぎた。でも、まだなんとなく学生気分が残っていました。

5月の連休が終わった頃に、ちょうど1週間ほどのまとまった休みがとれました。

学生時代の寮の後輩たちに会いに行くことにしました。もちろん、目的はそれだけではない。
去年は田舎での生活を送りながらも、憧れの君との文通はしっかりとしていました。

学生時代と違って、自由になる日が限られています。幸いにもまとまった休みができたので、これを利用して信州まで、遊びに行くことにしました。


500kmも離れているわけですから、普通なら列車で行くのが常識というものです。

でも、原付の免許を取って1年ぐらいだったし、元気というか無鉄砲というか、

まあそんな人生を歩いてきたわけで、ここは一つバイクで信州まで行こうと決めたんです。

おふくろはもちろん止めましたよ。でも、なにを言っても思い通りのことをやる男ですから、

気にしません。

おふくろ「行きはバイクで帰りは汽車にならんときよ」

この言葉は強く印象に残っています。だって、その通りになったんですから。

(汽車という言葉はなんとなく蒸気機関車をイメージしますね。

当時はすでに電化されていたので電車が似合う言葉なんですが、

おふくろの言葉では未だに汽車を使います。)

「大丈夫だよ。」ほんとうにそう思っていました。

朝の9時に出発です。

国道2号線をひたすら東へと進みます。途中には警察のねずみ取りが頻繁に

行われているのでスピードが出せません。信号もあるのでどうしても平均時速は30km以下ですね。

神戸、大阪と排気ガスを吸いながら東へ東へ。

京都を過ぎて草津からルートを南へと変更しました。

国道沿いの景色が悪いし、信号も多い。

なにより関ヶ原の難所を原付が越えられるか心配でした。

自動車ならなんと云うことのない坂ですが、なんせ50ccのバイクです。

長い坂を走るのはやばいと、野生の感です。



草津から南下して奈良の手前の木津で先輩を訪ねた。

お世話になった先輩が木津高校に赴任したと聞いていたのです。

その先輩は30年後に木津高校を校長で退職しました。

最初と最後が同じ職場というのも珍しいですね。


5年ほど前までは、SLを撮影するために草津から柘植そして亀山までは何度もかよった土地ですから懐かしさも加わって、かつての撮影場所なんかをたどって行きました。

「ここでD51の貨物列車を写したなあ」

ヒッチハイクで無理矢理乗せて貰い、あげくは「あのSL列車を追い越して下さい」

なんて、高校生のすることじゃなかったね。


大学1年の秋に、亀山で参宮線(亀山~伊勢市)最後のSLとなった列車を写すために、一晩泊まりました。


そして早朝一番の列車で亀山から二駅のところへ行き、目的の列車を撮影しました。

たった一本の列車のために一泊するとはなんというバカ。あきれますね。

このときの写真は僕の写真集の中でも自慢の作品なんです。いつか載せますね。

話がそれてしまいました。亀山からの続きは次回にします。

では、おやすみなさい。


Last updated 2007.10.24 23:57:31


亀山から名古屋へ向かう道に迷ってしまった。地図によると国道があるので、この道で行けば確実だと判断しました。なんせここからは初めての道ですからね。

大きな国道に入ってすいすいと気持ち良く飛ばしていきました。

快調に走っているんですが、なんとなくおかしい。

なにがって、だって道沿いに店がない。

自転車も走ってない。バイクも走ってない。おかしいなあ、おかしいよお。

とまあ、疑問には思いながらも心は早く名古屋に着くことを考えていました。

家を出発してもう10時間は走っています。そろそろお尻が痛くなってきました。

柔らかいシートですが、さすがに長時間乗っていると痛くなりますね。

分岐点もなくひたすら北上を続ける僕と愛車のヤマハメイト。

(銀行マンがよく乗っているバイクです)

途中の休憩をするところもなく、(する気もなかったのですが)、やっと名古屋市内の標識が見えた。

このあたりで、誰かに聞くことにした。ガソリンスタンドがやっと見つかったので、

そこで聞きました。

僕 「名古屋市内はどちらですか?」

店員「あっちだよ、あー行って、こう行って」

僕「ありがとう。」

店員「ちょっと、あんたこの道路を通ってきたの?」

僕「そうですよ。なにか?」

店員「あなたのバイク50ccでしょう。」

僕「そうですよ。」

店員「え~。(あきれた顔)あんたの通ってきたこの道路は自動車専用道路ですよ。50ccじゃ通行できないんですよ。」

僕「え~。そうだったんですか。」

店員「違反ですよ。よく捕まらなかったね。」

やはりおかしいと思った。予感は当たりました。

でも、どこで入り間違えたのか、自分でも分かりません。

そういえば、途中でびゅんびゅんと追い抜いていくトラックにクラクションを鳴らされたことが何回かありました。

(「こら~。おまえこの道通ったらあかんやろ。」と言っていたんでしょうね)

今から思い出すとぞっとします。

要するに国道の標識はありますが、バイパス道路だったんですね。

高架道路でなかったので別に自動車専用道路を走っている感じはなかった。

ただ、お店がなかったのは気が付きましたけど。

まあ、済んだことはしゃあない。無事に一般道路に降りられたんだし、めでたしめでたし。



さて、そろそろ薄暗くなってきました。ここで今夜の宿泊先を訪ねて行きます。

大学時代の知り合いが名古屋にいることは知っていたので、そこに泊まろうと考えていたんです。

もちろん、連絡は・・・していません。

飛び込みです。なんという厚かましい男でしょうか。

住所も電話番号も知りません。どうしてたどり着くかって?

実家は知っていたんですよ。そこで実家の電話番号を105で聞いて、

住所を聞き出したんです。電話は当時は引いている人が少なかったので、直接に訪ねるしかない。 (なんという無計画、そろそろ呆れている人が多いのでは?)

やっと、住所を探すことができました。もうあたりは暗くなっています。

「ピンポーン。」

あれ、留守だ。

隣の住人に聞きました。若い二十歳ぐらいのお嬢さんでした。

「○○さんはいないのですか?」

「そうですね、彼女は今日は遅いと思いますよ。」

「こまったなあ、今夜泊めて貰おうと思っていたんですけど。」

彼女は僕のことを○○さんの彼氏だと思ったんでしょうか。

「帰ってくるまで、私の部屋で待ちますか?」(お~、なんと優しい。)

「はい、お願いします。」 ( 厚かましくて、ずうずうしい人間とは僕のことをいいます。)

信じられませんね。

長くなりました。今宵はここまでにしとうございます。



Last updated 2007.10.26 01:54:59



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