たぬきぶたの日記2

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さらば青春(6)




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さらば青春(6)



さらば青春(6)

翌朝は意外と寝覚めが良かった。緊張感は当然あります。

朝食を済ませると帰り支度です。特別に荷物もないけれど、両親への挨拶がどう言ったものか、悩みます。

結論としては転勤を含めた諸条件の解決についてわかり次第報告します。

ということで帰路につくことになった。目途は年明けから春頃までになりそうです。

予期せぬ彼女宅での1泊でしたが、彼女の生まれ育った家を見ることができてよかった。

今までに彼女の話ですごい所とは聞いていたので興味がありました。そして両親のことも。明るくて楽しい家庭だなあと感心していたんです。

いよいよお別れです。また会いに来るということで彼女の実家を去ることになるのですが、このときの彼女が最後の姿になろうとは・・・・・・この時点では思いもしませんでした。

三人の見送りを受けて車を出しました。明るい日差しに信州の風景が美しく見渡せます。昨日の霧が嘘のようです。

三年前に涙で下っていった坂道を少し軽やかな気持ちで進んでいきました。

高速道路に入って一路、自宅へ向かいます。

明後日にはまた友だちとこの道をスキーのために来るのです。

なんだか日本が狭く感じられます。たった500kmです。車で8時間。

でも、彼女や両親にとっては遥か彼方の男に思うのでしょうね。

彼女と知り合って8年の月日が流れています。

大学の寮に入って女子寮があるのを知り、食堂で見かけた彼女に不思議に興味をひかれ、縁あって仲良く話をするようになった。

一目惚れなんでしょうか。

結局、彼女とは手を握りあっただけです。

でも、寮で一晩を話し明かして過ごしたり、今回の二人きりの新婚生活みたいな夢のような体験をした。実家にも挨拶に行った。

年が明けて知り合いに転勤のことや自分の親の意向についても意見を聞いた。

僕が長男だけど入り婿の考えもあったが、両親に反対された。

5年の月日が二人の人生を別々の道へと決めてしまっていた。

(2007.11.11 14:26:47)

 後悔と懺悔

年が明けて春が来ようとしている。しかし、ひかるさんとのことは何一つ解決できなかった。

アドバイスしてくれる友人達もみんなであきらめろ、と言う。

チューリップの歌にあるように、

「ポケットに詰め込んで君を連れ去りたい」

でも、それで彼女が幸せか?自問自答の日々が過ぎていく。

その後の彼女からの手紙が来たかどうかの記憶が定かでない。

電話だったのかな。それも記憶がない。

このころは転勤が予定されていて、その準備や片づけで結構忙しかった。

とにかく3月の段階であきらめたことは確かなのです。

はっきりとあきらめますと、連絡した記憶もないが、彼女からの「無理だよね」の言葉が心に残っている。それがいつの時の言葉だったのか。

なんとなく、なんでしょうか。いろんな困難を乗り越えることができなくて、失意のままに生活していたように思います。

この青春時代の恋はどう評価したらいいのでしょうか。

一目惚れから話しをする機会が訪れ、そして憧れの気持ちを強く思うようになった。

いろいろと話をするうちにこの人とは条件が難しいことは分かっていた。

それでも好きな気持ちは抑えることができずに、彼女へのアプローチを続けた。

好きになってはいけない人を好きになった。

前に進むこともできず、かといって諦めることもできない。

自分の好きな気持ちを押しつけただけのことではなかったか。

それによって彼女を振り回してしまった。

そして悩ませた。もっと早く自分が諦めていれば、彼女を悩ませたり、両親へのいらぬ心配もかけずに済んだ。

振り返ってみると、やはり俺の考えが甘かったように思う。ほんとに申し訳ない。

後悔と懺悔の気持ちでいっぱいです。

ごめんね。ほんとにごめん。ひかるさん。

(2007.11.12 01:22:27)




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