夢追いランナー笑石人の部屋

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'04 チャレンジ富士五湖


結果: 105kmを越えたところで自己申告リタイヤ
時間: 12時間17分11秒(100km計測ポイント)

[大会前々日~前日]
明日の夜は富士五湖へ出発しほとんど眠れないというのに、その前夜が仕事で徹夜に!
まずいな~。ってことは2夜連続徹夜してから117kmを走るのだ。これって萩往還の250kmよりキツイかも?

[~大会前夜]
あいにく、前日の仕事が往復で4時間近く掛かる山間部の現場。
山間部で車が使えず大型トラックを近くの民家に置かせてもらい、そこから現場までの約200mの山道をキャタビラ付の小型運搬車でピストン輸送することとなる。
おかげで1日中山道を往復したため筋肉痛になってしまった。こんなところでトレーニング不足が浮き彫りに…。
とりあえず順調に仕事は終え、睡魔と戦いつつも21時に無事に帰宅。
風呂、食事、着替えをさっさと済ませて22時には富士五湖へ向け出発!高速道路では、眠気防止のためカッ飛び(手に汗握る状態)、それが効を奏しAM1時には北麓公園の駐車場前に着いた。でも、この駐車場は、3時前にならないと開けてくれない。
やっと仮眠が出来る~っ!!しかし、次々に来る車で眠れない。(T_T)しかし前夜が徹夜状態だったのでいつまにかウトウト状態になっていた。(^_^;

[大会当日~スタート]
なんか騒がしいなと起き上がってみると、それまで待っていた車が駐車場に入り始めたではないか。2時ちょっと過ぎに駐車場が開いたようだ。私も慌てて駐車場に入り再び仮眠へ…。でも次々に駐車場に入って来る車や人声で眠れない。しかし、気付くと2時半を表示していたハズの時計が3時過ぎに!?気を失うように30分くらい眠ってしまったのでした。(^_^;
もう、外は、やる気満々のウルトラランナーで溢れている。さっさと受付して食事やトイレを済まさないとっ!外に出たら、う~っ、寒~っ。体感的には2,3度くらいだろうか?でも、風はないし満点の星空だし日中は暑くなりそう。

[今回の装備]
上: ランナーズとFSのコラボで作られた袖が脱着できるジッパー付のウェア
下: 直前にアートスポーツで買ったCWXのプロモデルのロングタイツ
インナー:CWXの総メッシュのショーツ
靴下: FSの5本指もの
シューズ:アシックスのサロマLSD-IGS
ウェストバック:JackWolfskinの小型モデルでボトル2本を固定できるもの。
バックの中身: デジカメ、ハンカチサイズのタオル、小銭、喉飴
ボトル2本: 中は空でスタートし、暑くなったころエイドで補給
手袋:レース用の薄手のもの

[とりあえず作戦]
前半はキロ6分半前後で走り、途中の休憩を入れても西湖のうどんステーション?(57kmエイド)を6時間半くらいで通過する。後半はギアを入れ替えキロ7分半~8分で乗り切る。
実際には、後半の休憩時間が長くなるので実際のペースはキロ7分を目指す。
あとは眠気との戦いに勝つため、何処が景色が良く撮影に適しているかを考え、かつ、ウルトラ仲間を探しながら走る!仲間を見つけて元気を分けてもらうのだ!!これがウルトラ完走の秘訣!?

[スタート直前]
装備を整え、スタート地点へ!
スタートはみんなギリギリに集まってくる。雰囲気も和やか!この感じがよい。今回は、多少仮眠はできたもののほぼ2日徹夜なので完走はかなり厳しそうだ。今のうちに元気な姿を撮ってもらおうっと!待機していた近くのランナーに撮ってもらう。記念の1枚だ。
後で、「カメラ持って走るなんて、この人余裕あるね!」なんて言われてしまった。体(とくに頭)には全く余裕はない。でも、せっかく天気が良い日に走るのだから楽しまなきゃ!

[スタート~山中湖]
とかやっているうちに、スタートのカウントダウンが始まる。
行って来ま~すっ!!と一斉にスタート!!少し明るくなってきたかな?と思うがまだ足元は良く見えない。気をつけながら花道を後にし左折。
おぉ~、富士山がぼんやり見えるではないか!!でも暗すぎて撮れないだろうから走ることに専念。
しかし、周りのランナーの早いこと!つられそうになるが、時間の貯金は体力の借金と言い聞かせ、のんびり走ることを意識する。それでも最初の5kmは6分/km程度だった。計画よりちょっと早い走りだ。山中湖を通過するまでは寒いのでついスピードを出してしまう。できるだけ自重するようにしないと!
10km計測ポイントを56分20秒で通過。
この付近は桜に被われた富士山が見える絶好の場所があったはず…。すっ、凄い、こんな早い時間だというのにカメラマンがうじゃうじゃいる。邪魔なのはお互い様だもんね。とりあえず1枚ゲット!
気分良く走り始めるが、寒かったのでトイレに行きたくなってきた。山中湖付近は一般のトイレがたくさんあるのでそこまで我慢。ほどなく山中湖に着く。テニスの合宿や試合でよく来た所。また、5月末の山中湖ロードレースでも走る慣れ親しんだところだが、1周約14kmはいつ来ても長く感じる。
とりあえず、我慢したトイレに立ち寄った。みんな状況は同じらしく結構込んでいた。ちょっとロスしたが、給水所ではほとんど休んでいないのでまだまだゆとりはある。
さぁ、体重も軽くなったしがんばろ~っ!と走りだした矢先、100kmの部のトップに抜かれた。たった17kmの差なのになんてスピードだ。トップランナーはさすがに早い。あっという間に視界から消えていった。(^_^;
朝靄がなくなったころ18kmのエイドに到着。ココには暖かい飲み物があるのでコンソメスープを戴く。ちょっと幸せ気分。でもまだまだ序盤なのですぐに出発。乗馬クラブから左カーブになり橋を渡るとサイクリングロード入り口だが工事中で行けない。ちょっとだけコースが変っていた。しかし1km弱のガソリンスタンドを左折し本来のコースへ戻る。サイクリングコースに戻ったら富士山が山中湖を挟んで大きく見えた!ん~っ、さすが日本一の山!圧倒される。すぐに撮影。(^_^;
20km計測ポイントを1時間0分15秒で通過。(Total: 1:56:35)
しばらく湖面沿いのサイクリングロードを走ると行き止まりとなり階段を上って一般道に戻る。歩道もなく道路も狭いので危険なところだ。
ママの森(お店は合宿やドライブとかでよく行ったなぁ~)展望台エイドが頂上で、あとはサイクリングロードまで下るだけ。それでも約1kmで10数メートル前後のアップダウンになるので結構足にくる。
サイクリングロードに戻ると、またも富士山こんにちは!なんか癒されるなぁ~。ここでも撮影。逆さ富士が綺麗に見えるところだけどつり舟に湖面がゆれてしまっている。
体が温まってきた頃には土産屋が多いところに近づき、忍野から来た道が見えてくる。スタッフが親切に誘導してくれ、お礼を言って山中湖を後にした。

[山中湖~河口湖]
来た道を戻るのが好きでない1wayコース好きの私は、早く通過してしまいたい気持ちに負けついスピードを出してしまう。おっと、来る時に忍野で桜と富士山の写真を撮ったポイントをそのまま通過するところだった。今度は邪魔者なしを撮るぞ~と意気込んで構えるが撮影者だらけだったので諦めてそのまま撮って走り出す。
30km計測ポイントを58分56秒で通過。(Total: 2:55:31)
しばらく行くとR138を河口湖に向かっていくのだが、ココが曲者。歩道に15cmくらいの段差があり数メートル毎に続くのだ。ウルトラの走り方だとすり足に近いのでつまづきやすいし、信号も多くマイペースで走ることができない。しかも交通量が多く排気ガスを吸わされてしまう。
しかも富士山が見えな~い!ってことでこの辺りは気晴らしにタウンウォッチングをしながら走ることにしている。フジ山ビールって美味しいのかな?ココを通るといつも思うけどばまだ飲んだことないなぁ~。そろそろレストランだなぁ~なんて考えていたら、なんだあのドームは???看板を見ると「富士山レーダードーム館」!?いつのまにこんなものができたの?
確か富士山のレーダーは用無しになって解体された(ている)と聞いていたが…もしかして移築?まさかね!?なんて気にしているうちに浅間神社入り口へ到着。ココは富士登山競走のコースにもなっているところだ。今まで一度も制限時間内に完走できていない鬼門の大会。お参りせずに通過しているだけだから制限時間をクリアできないのかな?帰りにお参りしていこうか?
あ~、日差しのせいか、街中にきたせいか、車の排気ガスのせいか暑くなってきた。遠くに富士急ハイランドが見えるがなかなか近づかない。そういえばハイランドも随分入っていないな?せっかく割引券がもらえるんだから前日入りして遊ばなきゃ損だよなぁ。でも一人じゃ面白くないか!じゃあ、誰と行くの?(自爆)走ることに関係ないことばかり考えているともうハイランド入り口のエイド。小腹が減った(考え事は意外とカロリーを使うみたい)のでおにぎりとバナナを戴く。食べながらストレッチをしてお礼を行って走り出す。食べたせいかさらに暑くなったので袖を外しウェストポーチにしまう。いやぁ~便利便利、快適快適!半袖スタイルになり足取りも軽やか?いえいえ、さすがに疲れは出てきた。
いつも東恋路の立体交差を右折するときは信号で待たされるので、今回は遠くから信号のタイミングに合わせてスピードを調整。ドンピシャで休むことなく通過。でも、ここで調子に乗ってしばらくスピードを上げたのが災いして、歩道のブロックに左足を引っ掛け思いっきりコケそうになった。つまずいた足も痛かったが、コケない様に思いっきり踏ん張った足の膝も痛めてしまったた。あ~情けない。まだ40km手前だというのに…。しばらく様子をみてゆっくり走っていたが、左足はスネの下(足首の上付近)が腫れていた。でも痛みは筋肉痛程度。右膝はもともと弱いのでいつもの痛みがちょっと早めに出たという感じ。大丈夫!行ける、行ける!と、気を入れ直して走る。
40km計測ポイントを1時間1分30秒で通過。(Total: 3:57:01)
タイムだけは至って順調!結構貯金もあるしなんとかなるさっ!そうだ、今日は良い天気なんだから富士山を撮らなきゃ!!そういえば、これから渡る河口湖大橋って一度も振り返ったことなかったな?きっと富士山が見えるハズだよなぁ~。よ~し、渡りきったら撮るぞ~!楽しみ楽しみ!と、河口湖大橋の緩やかなアップダウンを終え振り返ってみた。ん~、大きな橋のせいかちょっと遠い感じがする。しかも逆光気味。
でも、ここでもちゃんと全景で見られたので嬉しい!今度はどこで撮ろうか?
大橋を渡りきりすぐにエイドに到着。その前のエイドでたっぷり食べて飲んだのでココはちょっとだけ水を戴いてすぐに走り出す。
河口湖猿まわし劇場の手前で、さっき撮った大橋と富士とは正反対に構造物が見えない(時代劇でもつかえそうな)スポットが現れる。富士山と松並木が綺麗。ということで撮影!でも逆光で液晶がよく見えないのでファインダーを覗いて撮った。ん~まあまあの出来かな?なんてのん気に撮影していたらガンガンランナーに抜かされていた。(^_^;例の交差点で待たされていた人達かな?ここからはだんだん上っていくし気合入れるか!
とピッチを上げ先をいくランナーを追いかける。と見覚えのある背中が…。もしやと近づいてゼッケンを見ると昨年、萩往還のスタート前に写真を撮り合った山岳軍団の国井さんだ!私よりはるかに走力もあり、めっぽう山岳レースに強い方だ。ん、なんでこんなところを走っているんだ?気になったので声を掛けてみる。すると足を痛めているので今日は、流して走っているとのこと。走る作戦は私と同じらしい。しかし、足取りは軽く感じる。さすが山で鍛えている人はちがう!しばらく一緒に走らせてもらおう。とても静かな方なのでお喋りはホドホドに、と思ったがいろいろ聞いてしまった。月1回くらいのペースで山に登り、この後、萩往還、野辺山にも参加予定だとか!うわぁ~同じじゃないですか!実力が違うので一緒には走れませんが折り返しでは会えますね~!。
昨年、大雪で打ち切りになったエイドに到着。給水だけで、あれっ、ここって着替えのポイントじゃなかったでしたぁ?と聞いたら、今年は違うんだよ。西湖に向かう途中のヘアピンカーブの所だよ。パンフ見てないね?っと突っ込まれた。その通り、全然見てませんでした~。恥ずかしい…。ショックとこの先のコースがどう変っているのか不安になった。とりあえず、うどんステーションだけはなくなっていないことを祈る。お喋りをしながら走ると時間も距離も過ぎるのは早い。
50km計測ポイントを1時間4分47秒で通過。(Total: 5:01:48)
国井さんおおかげでようやく作戦どおりのペースに落ち着いた。

[河口湖~西湖]
しかし、国井さんは本当に上りが強い。河口湖から徐々に上りがキツくなっているというのにペースは変わらない。本当に足を痛めているんですか?とてもついていけませんよ~。と弱音をはいて歩こうとしたら、そのカーブの所がエイドみたいだよ。そこまで頑張ろう!と励ましてくれた。きっとペースも落としてくれたのだろう、なんとか歩かずにエイドに着いた。
あ~、着替えもあるし、食べ物もある!でもうどんはない。ってことは一昨年同様次の野鳥の森公園がうどん?ここは食べずにおこう。とりあえず、休憩だぁ!この先、国井さんについていく足はない。私は大休憩をするので自分のペースで行ってください、と伝え着替えの袋を貰い体育館に入った。それ程ひどい暑さでもないので、着替えずこのまま本栖湖まで行くことにした。顔を洗ってストレッチをして体育館を出た。すると、昨年の宮古島ウルトラ遠足で同室だった西永さんに遭遇!宮古島では初100kmだというのに必死で走ってゴールした私よりも15分ほど先に余裕でゴールしていた人だ。あれっ、ゼッケンの色が違~う!100kmの部じゃないですかぁ!いやぁ~、ここは100kmじゃないと完走できないよ~だって。
ウソウソ!私よりスピードもスタミナもあるくせに~っ!!117kmにでるなんて凄い、とかおだてられあまり突っ込めずお互いの近況報告をしていた。すると今度は、兎虎BBQのカッ飛び野村くんがやってきた。あれっ、77kmの部なの?えっ、早~~~い!!応援ボードにアート鈴木くん&HANAちゃんを激励するメッセージ(ドミンゴさんのもの)があるから、その前で撮ってあげるよ~!とその前で野村くんをパチリ。早い人もちゃんと休憩もするんだな~っと感心していると、じゃぁ、行ってきますと飛び出していった。ん~、とても真似できないが羨ましい…。あっ、今何時?ちょっと休憩しすぎたかな?あれっ、国井さんは?西永さんは?見失った!すでに出発したらしい。休憩し過ぎだ!頑張って行こう!よーっし、大休憩もしたことだしこのヘアピンカーブは絶対に歩かないぞ!と決め、超ピッチ走法で走る。でも、早歩きの大柄な人にあっさり抜かれた。コンパスの違いはやはり大きい?(^_^;まぁ、こればかりはなんともならないのでマイペースで頑張る。
激坂の途中で昨年の萩往還で私の後を数分後にゴールされた今井さんを発見!追いつき声を掛けたが、調子が悪そうで歩いていた。ここは歩いていくので先に行ってくださいと言われたので、頑張ってくださいね。うどんステーションでお待ちしていま~す!と言って別れた。
ようやく坂を登りきり文化洞トンネルを通過。ひんやりして気持ちがいい。ふぁ~っ、とおもわず声を出したら後のランナーも真似をした!?坂で暑くなった体には気持ちいいですよね~とか言って話しかけてきた。ここを何度か参加しているランナーらしく、コースのことや去年の雪のこととか喋りながら、うどんステーションまで一緒に走った。

[西湖~精進湖]
待ちに待ったうどんに食らいつく。食欲もあるしまだ内臓は大丈夫そうだ。
食べ終ってストレッチをしていたら後から国井さんが来た。あれっ、先に行ったのでは???話しを聞くと体育館の出口付近でストレッチをしっかりしていたので時間が掛かったということ。一緒に行きたいですが、ついて行けそうにないしこの辺からペースを落として行きますのでとりあえず先に行きます。と言って先を急ぐ。
食後だしだいたい中間地点なのでココからはペースをキロ7~8分に落として体への負担を少なくしよう。さっきよりはちょっと楽かな、くらいにペースを落として走り出す。
R139に突き当たり右折しなんとか無事に道路を横断する。
60km計測ポイントを1時間33分24秒で通過。(Total: 6:35:12)
やはり休憩時間が長過ぎたかな?前半の貯金がほとんどなくなった。でも、足は河口湖手前で痛めた状態から悪くはなっていなかったのでまだなんとかなりそう。
軽い高所恐怖症なので長い橋は下を見ない様に下り精進湖方面へ右折。すぐに左側に精進湖が見える。道路からかなり下の方に湖面があるせいか底もよく見え水量が少なく感じる。釣り人は釣れていないのかとても静かだ。
竹田さ~ん、追いついた!と背後に人の声。振り返ると、既に先を走っているハズの西永さん(51kmのエイドで見失った)ではないか!あれっ?先を走っていたのでは?いやぁ~しっかり休憩していましたからね~。長い休憩をしていたつもりだったけどもっと休憩していたなんて!しばし、併走しながらお喋りに花が咲いた。
すると、コーラの絵が描いてある、手書きの看板が出現!その先で親子で私設エイドをしてくれているではないか!喋ってばかりで喉が乾いてしまっていたので、2人ともコーラを戴いた。CCレモンもあったが、ウルトラはやっぱコーラでしょ!
再び一緒に走るが、100kmの部の西永さんは余裕たっぷり。そろそろ自分のペースに戻した方がいいんじゃないですか?このまま私に合わせちゃうと余裕なくなっちゃいますよ~。私はここ数年リタイヤ続きだし…と切り出した。では、ゴールで会いましょう!と、ペースアップしていき早い時間で視界から消えていった。昨年の宮古島では40キロ過ぎごろに抜かされ、坂をゆっくり登っているうちにはるか遠くを走っていたのを思い出す。回想にふけっていると、66kmのエイドの手前で今度は国井さんが後から声を掛けてきた。えっ、もう追いつかれたの!?早いですね~?と言ったら、いっぱい休憩したから頑張らないとねっ!と追い越されてしまった。
国井さんと私の作戦はほとんど同じだった。ってことは私のペースがかなり落ちているってことだ!まずい、国井さんを見失わない程度で行かなければ!!
しかし、どんどん離されて行く。やはり足を痛めたのが効いているのか?まっ、何とかなるさっ!マイペースでいこう!と自制する。
ここのエイドはすぐ先でR139に戻り道を渡り歩道を走らなければならないのだが、交通量が多く渡るタイミングが難しい。待たされることを知ってか休憩している人は少ない。私も、水だけ飲んですぐに走り出す。しかし、疲れてダッシュできないランナーを安全に誘導するのは大変なことだ。スタッフにはホント頭が下がる。ありがとう、頑張って戻ってきま~す!と誘導してくれたスタッフに手を振って走り出す。

[精進湖~本栖湖]
R139を下り上九一色村の一部を走る。ここを通る度にサリン事件を思い出す。私は郵政省の仕事(別館だったので霞ヶ関からちょっと離れていた所)で徹夜だったおかげで助かったが、普段どおりに出勤していたら事件に巻き込まれていたかもしれなかったのだ。危うく難を逃れはしたが、一生忘れることは出来ないだろう。
数少ない信号を目指し坂を下り続ける。この下り坂で多くのランナーに抜かされた。もしかしたら鈴木夫妻や掲示板にカキコんでくれたsekaiさんに抜かれちゃうかな?とこの辺りからゼッケンを気にしながら走る。
ようやく遠くに本栖の交差点を発見!ここは地下道を通って右折するのだが、今までと違った急坂&階段なのでちょっと辛い。油断すると膝がガクっとくる。危ない危ない、ここは歩こう!エイド付近以外で初歩き。安全第一、と自分に言い聞かせる。ここさえ越えればすぐ本栖湖あんみつエイドだ!
ここでようやく富士五湖全てを自分の足でたどり着いた実感が湧き、自分の中で終った気分になってしまう「鬼門」とも言える場所だ。私同様の考えを持った人がやはり多く、ここに着いてリタイヤするか1周してリタイヤする人が結構いるようだ。餡蜜や応援隊のおかげ?それとも収容バスに先に乗ったランナーを見てしまったせいだろうか?
いつも、この辺から食べ物を摂ることが出来なくなってしまうのだが、まだイケそう。久しぶりに餡蜜をパクついてみた。でも、甘さ過ぎるので半分だけ流し込んだ。休憩していて、今回の大会の異変に気がついた。休憩を終えて走り出すランナーとすれ違ってくるランナーがいるではないか!えっ、何!?湖1周しないの???
折り返している!?そういえばさっき私を抜いていった80kmの部のランナーがもう帰ってきた。どこで折り返すんだ???先がわからないコースに不安なり、預けた荷物からウィンドブレーカーだけ抜き取ってウェストポーチに入れ、今まで空にしてきたボトルに水とスポーツドリンクを半分入れ出発。毎回、本栖湖付近で脱水&低血糖症状が出始めるので重くなるけど"保険"は必要だ!

[本栖湖(69km)エイド(着替えポイント)~折り返し]
エイドを出てすぐに折り返してきた兎虎BBQのノムくんとすれ違う。かなり疲れているように見える。自分への応援も含めて大声でがんばれよ~!と声を掛けた。
70kmの計測ポイントを1時間21分40秒で通過。(Total: 7:56:52)
ノムくんとすれ違ってまだそう距離は走っていないから鈴木くんは当分来ないな!でもsekaiさんはどれくらいのペースで走っているかわからないから気をつけなきゃ!と追い越すランナーやすれ違うランナーのゼッケンを注意深くチェック。
本栖トンネルを抜けダラダラとしたアップダウンが続き見晴らし台を左へ。77kmの部はここで折り返している。スタッフが、117kmの部は約4km先で折り返しです。頑張ってください!と激励してくれた。小さくガッツポーズを返す。
これからは暑くて喉が乾くので口を閉じ鼻だけで呼吸する。持ってきた喉飴をほおばる。これなら口を開けずにすむし低血糖防止にもなる。また、鼻呼吸は鼻から吸った空気が鼻腔を通る間に浄化、加湿され、肺が酸素を吸収しやすい形で送り込まれるのだ。これに対し、口呼吸は、空気中に漂う細菌やウイルスなどの有害物質がろ過されないまま、直接、体に取り込まれてしまい身体に負担をかけ、疲れの原因になるそうだ。しかも酸素が吸収されにくいらしい。(TV番組の○○○○大辞典で見ました。)
疲れや喉の乾きが出てくると意識して鼻呼吸をすることにしている。しかし、これだと喋れない…(^_^;ってなわけで、小刻みなアップダウンが続く本栖湖周遊道路は非常に疲れるし、暑い時間帯で喉も乾くので鼻呼吸に徹することにした。
しかし、折り返し先が約4km先ということは、8km走らないと見晴らし台には戻れないということになる。鈴木くんたち、sekaiさんはその間に折り返しちゃうんじゃないだろうか?激写するためにカメラを持って走っているのに…。
ん、カメラ!?あ~っ、西湖も精進湖も富士山を撮るの忘れてた!!(T_T)これは喋ってばかりいた罰だな~。気を取り直し富士山が見えるところで小休止&撮影。余裕あるね~っと折り返してきたランナーに冷やかされる。こんなに良い天気に恵まれたのは久しぶりなんだから観光気分で走るのもアリでしょう!と心で言い返し、走り出す。しかし、気分とは裏腹にすぐにスピードが落ちていく。やはりここのアップダウンが効いている様で折り返してくるランナーも辛そうだ。時々、うつむき加減で走ってくるランナーを応援する。
(半分は自分に!)しかし、急激に喉が渇いてきて、声を掛けるのも辛くなってきたので手を上げるだけに…。まずい、こまめに水分補給しなきゃ!15分毎に少しずつ水を摂る。しかし、暑さのためかガブ飲みしてしまう。折り返し地点はまだなのに1本目が空になってしまった。
距離的に途中にエイドがあるはずだから大丈夫!と言い聞かせ、喉の渇きが癒されたころ遠くに折り返しらしきエイドが見えてきた。しかし、本当に遠い…。サロマではるか彼方に見えた東急リゾート(今は名前が違う)を思い出す。見えて頑張れる距離はそう長くはないのだ!
しかし、もうすぐ折り返しエイドだよ、と励ましてくれるランナーの励まし(気休めに聞こえてしまう)に笑顔で応え、一度も歩かずに折り返し地点直前のエイドにたどり着いた。しかしエイドの様子がおかしい。どうやら飲み物が底をつきかけているようだ。とりあえず、1杯だけ飲まさせて戴いて補給は後続のランナーのために遠慮し、すぐ先と言われた折り返し地点へ。カーブで見えなかったが、200m程が折り返しでその先には通行止めの柵があった。スタッフがゼッケンに折り返しまできた証のシールを貼ってくれ、ようやく折り返し!
激励のエールを受け、ありがとう!必ずゴールします!!と言い放ち、折り返し地点を離れる。

[折り返し~本栖湖(85km)エイド(着替えポイント)]
帰り道はエイドに寄らずそのまま通過し、途中にあった80km計測ポイントを目指す。しかし、知っている人は既に折り返し済みなのでちょっと寂しい。
かなりテンションが落ちてきたが、それよりも気になるのはムカつき感だ。消化不良をおこしている感じ。ボトルに入れた水の量が多かったかな?出来のいいウェストポーチなのだが、重くなるとベルトが腹を圧迫しがちで、ウルトラみたいに長丁場だとボディーブローのようにじわじわとダメージが蓄積されてしまうのだ。本栖湖の着替えポイントでそれまでカメラ+飴+空ボトルX2だったものに、ウィンドブレーカー+約400ccの水分が加わったのだから1kg以上はあったはず。疲れて腹筋がヘロヘロになってきたところに自分でトドメを差してしまったようだ。
でも、脱水になって走れなくなるよりはマシだ。まだ吐き気までは育っていないので、腰から外しタスキ丈に付け替えて走ることにした。ちょっと違和感があるが、腹が圧迫されなくなって呼吸が少し楽になったようだ。
80km計測ポイントを1時間16分46秒で通過。(Total: 9:13:38)
まだ、なんとか制限時間内完走の望みはあるなぁ~なんてちょっと安心?(油断?)したら恐怖の睡魔に襲われた。瞬間的に寝てしまいフラついている。前からくるランナーがやけに励ましてくれる理由がわかった。ハッっとして目が冴えるが、それも数分で終る。
喉飴を舐めて気を紛らわすが、あまり効果がない。暑さでボーっとしているので余計にシャキッとしない。仕方ないので体力消耗が激しくなってしまうが、刺激を与えるためとっておいた水を頭からかけ流した。さらにここでペースを上げて負荷をかけてやる。辛いが眠気は少し遠のいた。
もう少しで見晴台だ!77kmの部の人達とすれ違うことができる!でも鈴木くんたちやsekaiさんたちはすでに折り返しちゃっているだろうなぁ~。と、ようやく他の人のコトを考えはじめた頃、よやく見晴らし台に戻ってきた。あっ、あのオバちゃん(行きにひかれそうになった車の運転手)まだいるよ~!
と不機嫌になって通過すると、前方からなんと鈴木夫妻らしい2人が来るではないか!イヤ、きっと2人に違いない!元気な2人にパワーを分けて貰おう。先に激写するぞ~と、デジカメを用意して2人に声を掛けた。2人とも元気そうだ!ここですっかりバテた顔をしてたら笑われちゃうし、お互い元気力UPすべく最高の作り笑顔で出迎え、記念撮影。旦那さん、奥さんとそれぞれ2ショットをとってもらった。一気にテンションが上がりペースアップと行きたいところだったが、さっきの無理なペースアップがたたってかキロ8分前後で走るのがやっとだ。これじゃすぐに鈴木夫妻に抜かれちゃうなぁ~。
まてよ、最後の坂を考えて制限時間30分前ぐらいを目指しているだろうからあっさり抜かれたらかなりヤバイ!?せめて次の着替えポイントくらいまでは頑張ってついてみようか。と考えながら走るがなかなか来ない!?もうとっくに抜かれてもおかしくないのだが…。本栖トンネルでようやく謎が解けた。
かなり前から背後に人の気配&足音が聞こえていたが、抜かないので変だな~って思っていたけど、鈴木夫妻だったんだ!トンネルを抜けしばらくして道を渡る時に振り向くと、バツの悪そうな顔をした2人がいた。「なんだ、いたの~?」格好悪い走りをずーっと見られてたのか!
でも、声を掛けようがないくらい酷い走りをしていたんだろうな~?気付かずにいたが、たった3キロの間で考えていたことはここに書いたことだけなのだ。かなり思考回路がヤラレている。でも、すぐ先はエイド、せめてそこまでは2人と一緒に走ろう。その先は…考えるまでもないコトだ。

[本栖湖(85km)エイド(着替えポイント)~西湖]
エイドでは十分に給水し、トイレから2人が戻り一緒に出発した。しかし、とても付いて行けそうにない。このまま一緒に行ったら足を引っ張るのは明らかだったので「2人のペースについていくのは無理なので、お互いマイペースで頑張ろう!」と、先に行ってもらうことにした。
地下道を渡り上九一色中学校入り口までは、走って2人の姿が見える位置をキープしていたが、だんだんすれ違いのランナーが減ってきて2人の姿もカーブで見えなくなった頃、とうとう何も考えられなくなった。睡魔に負け、時々ガードレールにぶつかりそうになりながらフラフラと歩いていた。
喉飴を舐めてみたが全く効果はなく、下を見るのが怖かった大橋も気付いたら越えていた。
90km計測ポイントを1時間37分14秒で通過。(Total: 10:50:52)
冷静に考えるとかなり危険だ。事の重大さに気付きリタイヤを決めた。でも、収容バスがあるのはあと5km先だ。怪我してるわけではないのだから自力で行かなければ!でも交通量が多いので万一ガードレールを超えようものなら重大な事故に遭遇してしまう。気を引き締めるも数秒でダウン。
フラフラ歩いてしまっていた。するとリタイヤを決め込んだランナーに「大丈夫?ずいぶん前からフラフラしてたよ!」と声を掛けてきた。ダンディーな感じのランナーだ。次のエイドで一緒にリタイヤしようといろいろ話し掛けてくる。私の状況がかなりヤバイと思ったのだろう。常に私の顔を見て話をしてくれる。ずいぶん元気そうな人だがどうしてリタイヤしようというのだろう?と疑問に思いつつ、会話していくうちにだんだん思考回路が正常になってきた。すると残りを全てキロ8分を切って走っても制限時間に間に合わない事に気付いた。あぁ、今年もリタイヤか!と、ようやく自分の置かれている状況を理解することができた。身から出た錆びだ仕方ない!と諦め、うどんエイド(95km)野鳥の森公園まで喋り続け歩いた。
公園のすぐそばで兎虎BBQのほっすぃーさんらしき人に抜かされる。さらにコケて足を痛め苦痛の表情の女性とその人をひっぱていく男性(N野さん?)にも抜かれた。その際、まだ間に合うぞ!と激を飛ばされる。一緒にリタイヤ予定の人は冷静に時計を見て、「今からではゴールするにはキロ7分以内をキープしてもギリギリだ。今の疲れきった体では絶対無理だよ。」確かにそうだ…。でも、さっき我々を抜いていった人達やさらに後続ランナーはそれでもゴールを目指している。今の自分が情けなくなった。ゴールは無理でも行けるところまで行ってリタイヤしよう!それが自分の限界に挑戦しているランナーへの礼儀だと思った。
「ありがとうございます。喋れたおかげで眠気が吹っ飛びました。今から行けるところまで行きたいと思います。」と、私を起して引っ張ってくれた方にお礼をし、握手して別れた。ゴールが無理ならもう体をいたわる必要はない。ガンガン行ってみよう。
とりあえず、キロ7分以内をキープして何処まで行けるかだ!もし、キープできれば制限時間内ゴールも出来るかもしれない。ゴールまで体がもってくれるとは思えないが…。
気合いを入れて前のランナー全てを抜くと決め走り出す。ここから西湖へは下りが多い。この坂でキロ6分半くらいのリズムをつかんだ。ガソリンスタンド前あたりで1人で走る兎虎BBQのほっすぃーさんに追いついた。まだ十分走れる感じだが、スピードはない。制限時間を問わず(失礼!)ゴールを目指しているのだろう。
一緒に走ろうかと思ったが、やはりさっき決めたことを実践することがウルトラの先輩のやるべきことだと思い、そのまま先を行った。まるでフルマラソンを走っているかのようなペースで走り続け、すでに数十人のランナーを抜いていった。
97kmのエイドで水分を補給しすぐに出発。
湖畔沿いは先が見えるが蛇行しているため、なかなか近づくことが出来ずイヤなところ。オーバーペースがたたって、かなりバテ、スピードも落ちてきた。目標としている先のランナーがほとんど見えず、見えてもはるか彼方なので追いかけようがない。とにかく追いつき追い越す!このことだけ考えひたすら走る。頭がボーッとしてしてきたが、すでに喉飴は底をついていたので耐えるしかない。今後はエイドで甘いものをもらうことにしよう。コースが変わったせいで100kmの計測ポイントがズレていた。頑張って走りきった西湖湖畔にそれはなかった。

[西湖~河口湖]
道路を右折し西湖を離れる。文化洞の手前に計測ポイントがあった。
100km計測ポイントを1時間26分19秒で通過。(Total: 12:17:11)
90kmから95kmまでは歩いていたのだから、かなりハイペースで走ったことになる。飛ばし過ぎ?残り17kmだからキロ7分45秒でギリギリ間に合う。でも途中の休憩や最後の坂があるのでキロ7分前半で走りつづけなければダメだ。
100kmの大会だったらゴールしているというある程度の安堵感と、今までのオーバーペースがたたってペースがさらに落ちる。とりあえず、トンネルの先のエイドまでは歩かずに行って小休止しよう。
トンネルを抜け100kmのエイドに到着。先にいたランナーは2人、しかも2人ともリタイヤを決めていた。収容バスのことをスタッフに聞いていた。ん~、悪魔の誘惑だ!スポーツドリンクを飲みながらストレッチをしてすぐに出発。
緩やかなアップダウンが過ぎいよいよヘアピンカーブの激坂へ。ここはさすがに飛ばすと膝と太腿ががヤラれていまう。ホドホドのスピードで下る。それでもブレーキを掛けながら下りるこの坂は足に堪えた。
なんとか、キロ7分前半くらいをキープし河口湖湖畔の狭い道路を走る。ここは狭い道だけど結構車が通るので車に気をつけて端の方を走る。が、釣り人が乗ったRV車にドケと言わんばかりにアオラれ、アクセル全開で走りされれ黒煙をまともにくらった。側溝のフタの上を走っているというのに!
周りに石があったら投げていただろう。カッとなり頭がボーッとしていたのは一時的に解消されたが、少し前から頭痛もしている上に、今の黒煙を吸ってしまい気持ち悪い…。さらに激坂での振動が効いたのかときどき胃液が逆流してくるようになった。さっきのエイドから22分経っているから約3キロは走ったはずだ。次のエイドまでは約2キロ。せめてそこまでは走りきりたい。吐き気に襲われないようペースを落として先を進む。昔、河口湖西湖・勝山マラソン(20km)のゴールとなった公園の辺りで西湖で抜いてきたランナー3人のグループに抜かされた。かなり気合いが入っている感じでベテランらしき人が引っ張っている。あのペースを維持できれば制限時間内完走はできるだろう。付いて行きたいがとても無理。ここで完全に緊張の糸がキレた。すると今まで耐えてきたはずの痛みが耐えがたくなってきた。脚の先から腰までもうボロボロだった。歩いているのと変らないくらいのペースまで落ちた。そして、昔参加した河口湖西湖・勝山マラソンのゴール地点の公園を過ぎた上り坂では走れず、トボトボ歩くことに…。すると「もうすぐエイドだよガンバレ!」という観光客からの声が…久しぶりの応援で目頭が熱くなった。足が自然に走り出す。「次のエイドまで走れ!」体が脳に信号を送ってる。
吐き気、足の痛みに込上げて来る熱いモノが加わり呼吸はしづらいがキロ8分くらいで走れるようになった。これが最後の力か?遠くにランナーらしき人が溜まっている。エイド?105kmのエイドか?よし、今年はここがゴールだ!テントが見え、「終った…」心でつぶやいた。
しかし、エイドに着き、びっくり!なんと鈴木夫妻がいるではないか!!サロマみたいにギリギリ完走をするつもり?だったら、まずい!ここで燃え尽きた状態で声を掛けたら、これから先を行く2人のパワーを削いでしまう。「あれっ!?追いついちゃった~」とまだ先を行くような雰囲気で笑顔で声を掛けた。我ながら役者だ。でも様子がおかしい。健ちゃんは座り込んだまま苦笑い。華ちゃんの方が元気そう。最後の作戦会議。あと残り12km,制限時間内完走まで1時間15分。キロ6分半くらいで走れ続けるか?悲しいかな男性2人は無理。望みは華ちゃんだけ。
「頑張ってみる!」と華ちゃん。「間に合うと思えば、必ず間に合うよ!!」と握手をして見送った。凄い、キロ6分くらいのペースでカッ飛んでいった。みるみるうちに小さくなり視界から消えていった。本当にイケルかも!?しかし、残された2人は…次のエイドまで行く!?と歩きはじめた。(^_^;
そこへ、萩往還で知り合った金丸くんが管理する掲示板に時々登場していた中村さんが追い付き声を掛けてくれた。胸にゼッケンがない!マラニックスタイルで走りながら走友を応援しているそうだ。いきなり完走を諦めリタイヤするところで会うなんて…本当に恥ずかしい限りだ。証拠写真を撮られ、中村さんは走っていった。初対面だったが優しい人だと思った。走っている時は何でもなかったが、日が西に傾き気温が下がり、風も吹いてきて寒い。ゆっくり歩くにはちょっと厳しい。健ちゃんは既に力石モードになりだしたのか声にも力がない。「寒い」とつぶやいたのでウェストポーチにいれておいた薄手のウィンドブレーカーを貸した。でも身長が違い過ぎるので着れず、腕だけをカバー。ないよりはマシ?いやダメだ、スタッフがいたら収容車を呼んでもらおう。すると意外と早くテントが見えた。エイドだ!と思ったら、テーブルには何もない。RCチップのチェックポイント?でもスタッフに聞いてみた。「リタイヤしたいんですけど…近くの収容車呼んでもらえないでしょうか?」「いまの時間、リタイヤする人が結構いるので収容車はなかなか来ませんよ。さっきの人は40分待ってました。どのくらい待つかわかりませんよ。」と言われたが、あと4km以上先のエイド(大型の収容バスがある)まで歩けそうにない。「ここで待とう!」と風が当たらない場所で休む。

[収容~ゴール]
すると、スタッフが「観察車が来ますので収容してもらえそうです」とのこと。10分も経たずに車がきた。でもバンなので2人とも荷台…外で何十分も待つよりずっといい。喜んで乗せてもらった。なんでも富士北麓公園に直行してくれるらしい。以前リタイヤした時は、109kmエイドにつれて行かれそこで大型の収容バスに乗り換えたのだった。コース通りに車は走る。窓の外にはランナーが見える。自分の限界に挑戦し続けるランナーはみんな格好いい!先を急いでいった華ちゃんは一体何処を走っているのだろう?健ちゃんと窓にへばり付いて探す。なかなか見つからない。109kmのエイドも過ぎたがそこにもいない。え~っそんなに飛ばしてるの?まさかリタイヤ?イヤそれは絶対ありえない!!「あっ、いたいた!いましたよ~っ!」と健ちゃん。船津登山道入り口の交差点を渡っていくのを発見したらしい。さすが、旦那さん、よく見つけました!車はすぐ脇を通ったが、さすが走りに集中していて気付いてもらえない。
しかし、速い!キロ6分強くらいのスピードだろうか、前を走っているランナーをどんどん抜いていた。あの小さい体(人のことを言える身長じゃありませんね)にこんなパワーが残っていたとは…。きっと制限時間内完走は間違いない!そう確信した。荷台は振動が強く気持ち悪くなったが、気持ち悪さよりも安堵感・睡魔の方が強く耐えられた。おかげで無事に?北麓公園に到着した。
NEXT CHALLENGE のタオルをもらい、荷物を受け取り駐車場へ。先にゴールしている兎虎BBQのノムくんの車で休憩し、後で華ちゃん、ほっすぃーさんを出迎えるからと健ちゃんと別れた。しかし、すぐに戻ってきた。「どうしたの?」「車がないんです!」「応援にでも行ったかな?私も最後までいるつもりだから、とりあえず私の車で休んでたら?」とバタバタと車を片付けて乗りこんだところ、ノムくんが戻ってきた。申し合わせたかのようにすぐ近くに車が止まった。健ちゃんはノムくんの車に戻りウィンドブレーカーを着込んで暖を取っていたが、完全に力石モードに突入。すぐに外に出てモドしていた。本当にお疲れさま…。その光景をみたら、眠かった頭の中を今日の辛かったシーンがフラッシュバックしてきて熱くなった。しばらくは眠れそうにない。
辺りが暗くなった頃、車を降りてみんなでゴールに行った。競技場に戻ってくるランナーの姿は暗くてよく見えない。アレかな?ちがうな~?とにかく赤Tシャツを探すがなかなか見当たらない・・・。まさか、もうゴールしてたりして!?すると爽やかな笑顔でフィニッシャータオルを巻いた華ちゃんが~っ!!もうゴールしてたの?
そりゃ、そうです。あの坂を歩かずに走り通したそうですから。10時間46分で余裕のゴール。すばらしい!!ほどなくほっすぃーさんも発見!70kmで収容されてしまったそうな…。みんなの前で悔し涙を流していた。制限時間がどうのというよりもよほど自力で完走したかったのだろう。その執着心があれば、次は絶対完走出来るよ。ん!?70kmっていうと我々2人が収容されたところより4km以上も先じゃないか!初のチャレンジで健ちゃんの距離を越えている。まだ走る気力も体力も残っていたなんて…すごい!!残る課題はスピードだけ?
今回の兎虎BBQのメンバー4人揃ったところで、記念撮影!みんなイイ顔しているなぁ~。しみじみそう思った。自分は???
最後のカウントダウンが始まった。1人のランナーが競技場に入ってきた。間に合いそうにないが懸命にラストスパートをかけている。目頭が熱い。3,2,1,0。大会終了。やはり間に合わなかった。しかし、ゴールを祝福するため私を含め付近にいた人達が集まり拍手で迎えた。感動のゴール!!
その後もランナーが真っ暗な競技場に戻ってくる。あと何人いやあと何十人走っているのだろう。とても真似できそうにない。敬意を表したい。本当にお疲れさま、完走おめでとう!来年はきっと時間内完走しましょうね!!

[振り返って]
タラレバはきらい。状況が変れば完走できたかなんて誰にも分からないしあまり意味がない。睡眠不足でも、練習不足でも、多少いたくても、気持ち悪くても、大雨でも、暑くても、翌日仕事でも、その他悪条件でも怪我なく無事に走りきれるだけの体力・精神力・執念?をつければいいのだ!
まだまだ鍛え方が足りないだけだ。もちろん、対策も万全で臨もう。策がよければより完走に近づくことができるもんね!
走るスタイルは人それぞれ。ひたすら完走時間の短縮をめざす人。上位順位を狙う人。観光しながら、写真を撮りながら、お喋りしながら、とにかく時間内完走をめざす人。時間内は無理でもとにかく完走する人。ゴールは無理でも富士五湖制覇を目指す人。etc.それぞれが自分の限界や目標にチャレンジする。スタイルは別でも目標が高いだけに達成感も高い。
残念ながら達成できなかった健ちゃん、ほっすぃーさん、次はきっと達成して感動の涙を流しましょう!!
あっ、もちろん私も感動の涙がでるよう、鍛錬しておきます!!
最後に、大会運営者、ボランティアスタッフ、ランナー、観光客、ドライバー、そして顔もしらないHP来訪者の方々、本当にサポート&応援ありがとうございました。懲りずにまたチャレンジします!m(_ _)m


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