8.人工授精結果



2003.12(33歳)

結局、妊娠には至らなかった。

「人工授精を繰り返すと肝心な体外受精にいい影響を与えない」
という病院の考えから、T先生と話し合って今後は、体外受精に治療を切り替えようと決めた。
12月はその為の準備期間にあて、自然妊娠にも挑みつつ、薬で生理周期を整える事にした。

人工授精は期待してなかったので、それほどショックは受けなかったが改めて『自分は不妊なんだ』と実感してしまった。
それからは『自分は生き物として欠陥なんだ』と悲しくなったり、そこらにいる虫の方が偉く思えたりもした。

たった1回のつまづきだけど、この先を悲観してしまい
『人生、そして世の中、どんなに望んでもどんなに努力しても、思い通りにならない事がある』
と実感した。
『人生は修行、辛い人生を生かされている』ブッダが悟った通りだ。

気付けばその前の12月は依頼される仕事量が減り‘自分は社会から必要とされていない’とさげすんでいた。
そして今年は‘生き物として欠陥’とさげすんでいる。
毎年12月は自分自身の価値の無さに落ち込んでいる・・・。

そんな中

タイトル-がんばって
本文-なんとか体外受精前に妊娠しますように

落ち込んでいた私に最高のメールがT先生から届いた。
心から妊娠して欲しい!という気持ちが医者という立場を超えて伝わってきた。
本当にありがたかった。
頑張ろうと思った。

でも・・・
年末に金魚のまりちゃんが季節はずれの産卵をし
‘やっぱり、まりちゃんの方が生き物として上だな’
と思えてしまい、情緒不安定な日々は続いていた。

***** 9.乱れる気持ち へ続く *****






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