love Soldier

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車輪

帰りの時間を知らせる音が
校舎内に響きわたり
いつもの自転車置き場で
君を待っていた。

遠くの方から息を切らせて
僕のもとへ走ってくる君がとても愛しかった

「送れてゴメンね!!」
着いてすぐに
いつも君はこう謝っていた。

全然怒っていないよ
君が走ってくる姿を見るのが
好きなんだ

僕がそう言うと
「バカ・・・」と言って顔を真っ赤にしていたね

2人で自転車をおしながら
帰ったあの道のコトは
今でも忘れていないよ。

毎日が幸せだった。
一緒にいてくれるだけで嬉しかった・・・

でも、いくら待っても
君はもう僕のもとへは走ってきてくれないんだね。

最後の帰り道
初めて君の唇に触れて
幸せな気持ちだった 僕の目の前で
赤い 赤い
今までに見たコトがないくらい
赤い花を咲かせていた

そのまま君は僕の前から消えてしまった。

どうして消えてしまったの?
何故奪ったの?
この現実を受け止めたくない・・・認めたくない

だから僕は今でも
あの音が響きわたると
いつもの自転車置き場で
足元を濡らしながら

  君を待っているんだ・・・




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