2012年03月19日
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カテゴリ: 音楽 [洋楽]
Cinemaaustralia
洋楽特集 第5回
ご覧ください
PVが映画 の様な音楽をどうぞ・・・






時代と共にPVの価値観も大きく変わり

LIVEを撮影して済ませたり
港へ出かけてポーズを取ってチャッチャと撮影を済ませたり
バックでダンサーを脈絡も無く踊らせたり

の様なものは消滅し

お金を掛けてアーティスト・イメージに合った映像作品を創作する
大掛かりなものへと 移行して行きます

今回は映画のシーンを切り出した様な
ストーリー性のあるPVをいくつかご紹介します

それではスタート!

完全版レビューは>> コチラ




△▼ △▼ △▼
Michael Jackson - Bad (1987)
M・ジャクソン - バッド

収録アルバム『バッド』





マーティン・スコセッシ監督作品の本作は18分もの大作で
ほとんど映画の様な見応えのある出来。

本編にはデビュー間もない ウェズリー・スナイパー の他
母親の声の役で ロバータ・フラック が出演している

本PVの内容に 意味不明 な所がある様に見える方の為に解説すると


最初のシーンで「君はよくやった」とバツが悪そうに話しかける生徒は
恐らく金持ちのエリートで、
これまでスラム街出身のマイケルを軽視して来た経緯を感じる人物というイメージが有る

ここは学内トップになった(※多分)マイケルに、潔く負けを認める
アメリカ的 和解の場面 だと思われる


地下鉄で話しかける「男」とのやりとりは一見意味不明だが

当初からこの人物のマイケルを見る目線は胡散臭いと言うよりは
目を細めて 暖かげ であったり

最初乗り合わせた列車の車内で学童達がふざけている時も、
この人物は書類を片手に見て 笑って いたりする。

地下鉄では下車の時突然話し掛ける様に見えるが よく見てみると
マイケルと「男」は随分と和んだ雰囲気で座っていて
実はそれまでずっと話し込んでいたのが見て取れる

これらの点に付いては最近TVでPVを観る機会があり
大画面で鑑賞した所

冒頭で 学校の校門からマイケル達生徒に混ざって
この「男」が一緒に出てくる所が確認できた

つまりこの「男」は マイケルの学校の先生 だった訳だ


スコセッシは人物の背景が分かる様な ディテイル を演出に施し
その上で多くを描かない語り口で撮り上げる手法を好んで使う

その為演出意図が観客に 曲解 して伝わる事が少なくない

恐らくスコセッシは 人の行動とは傍から見ているだけでは分からないものだ
という自論から 曲解を受ける様な演出の手法を敢えて取るのだと思う



△▼ △▼ △▼

Cyndi Lauper - Time After Time (1984)

C・ローパー - タイム・アフター・タイム

収録アルバム『シーズ・ソー・アンユージュアル』



その秀逸なメロディーに惹かれて マイルス・デイヴィス タック&パティ の様な
ジャズ畑のアーティストなど 様々なジャンルでカバーされる バラードの名曲

本作で恋人役を演じる人物は、シンディーの当時のマネージャーで
PVの制作費を浮かせる目的の為と思われるが

他のPVでもこのように身内を起用して 普段からスタッフを 家族のように扱う
シンディの人柄が見て取れる

人に元気を与える様な明るい性格の持ち主である一方で 感受性の強い 側面を持ち
一時期はスターである事に悩むあまり大勢に囲まれながらも孤独に苛まれ

自分のパーティーでもホテルの自室に引きこもり出席しなかった事もあったという



△▼ △▼ △▼
Mike&the Mechanics - Silent Running (1985)
マイク&ザ・メカニクス - サイレント・ランニング

収録アルバム『マイク&ザ・メカニックス』



GENESISのギタリスト マイク・ラザフォード によるソロ・プロジェクトで
全米大ヒットした曲である

本曲でボーカルを取っているのはマイクではなく ポール・キャラック
トニー・バンクス のソロでもボーカルを取っているGENESISゆかりの人物

本PVはスピルバーグ作品を彷彿するようなSFドラマ仕立てで

曲に意図的にセリフを被せるなど、まるで 映画の主題曲 のPVを観る様な
コンセプトで製作されている



△▼ △▼ △▼
Mick Jagger - Just Another Night (1985)
M・ジャガー - ジャスト・アナザー・ナイト

収録アルバム『シーズ・ザ・ボス』



ローリング・ストーンズ のボーカル ミック・ジャーガーのソロ・プロジェクトで
本曲は、映画のPVの様なコンセプトで撮られたものの様に見えるが

本作は実際の映画で
原題は『Running Out of Luck』というプロモ用映画作品のラスト・シーンである

日本ではTV放送の時 『ミック・ジャガーのおかしな逃避行』という邦題で放送され
知る限りではDVD化されておらず、現在視聴は不可能な作品である

内容はうろ覚えだが リオにPVを撮影に来たミックが街でカモられ身ぐるみを剥がされ
知らない場所に放り出され受難の旅をする中、知り合った女性が数々の幸運を呼ぶ

と言ったB級作品だったと思う

PVを撮影する監督役で デニス・ホッパー が出演していた



△▼ △▼ △▼
TOTO - Stranger In Town (1984)
TOTO - ストレンジャー・イン・タウン

収録アルバム『アイソレーション』



ボーカルの デビッド・キンボール が脱退し

それまでのTOTOの作品から一転して「ダーク」な色合いを持ち
アラン・パーソンズ・プロジェクト の様なエモーショナルな作風を持つ異色作となっている。

PVもドラマ性を持ち

『エクソシスト3』『エイリアン4』『ロード・オブ・ザ・リング』に出演した個性派俳優
ブラッド・ドゥーリフ 起用し ミステリアスな作品に仕上がっている



△▼ △▼ △▼
Madonna - Papa Don't Preach (1986)
マドンナ - パパ・ドント・プリーチ

収録アルバム『トゥルー・ブルー』



『ライク・ア・ヴァージン』『マテリアル・ガール』のイメージを大きく変え
「未成年の出産」という現実的な社会問題を一般的な父子家庭を舞台に

女性の等身大の視点で描いた マドンナの全米1位の大ヒット曲である

ファッション・リーダーとして全米女性の憧れの的であったマドンナが
女性の代表として社会問題に挑むのは当然の流れで

以降ビジュアルにメッセージ性を取り入れて社会現象を視野に置いた
世界的な展開を目指すようになる



△▼ △▼ △▼
Billy Joel - Allentown (1982)
ビリー・ジョエル - アレンタウン

収録アルバム『ナイロン・カーテン』



本アルバム制作中交通事故を起こし「ピアノ・マンはピアノが弾けなくなるかも」
というニュースが世界中を駆け巡った事を皮切りに、ビリーにとって不運の年の
始まりとなった

『素顔のままで』で唄われた夫人との離婚が影響してか
『ナイロン・カーテン』は本曲を含み 今までに無い社会的問題を扱った
異色作となった


マドンナ がスターダムに上ると共に作品が自然と社会性を帯びて
世界的な支持がヒットに繋がり今日に到るケースとは違い

ジャクソン・ブラウン の例と同様に、個人的な状況が影響して作品に社会性を
取らせる様な場合は ヒットが大きければ大きい程その後のアーティストの低迷が
大きくなる場合が多い



△▼ △▼ △▼
Prince - Purple Rain (1984)
プリンス - パープル・レイン

収録アルバム『パープル・レイン』



本作も先程のM・ジャガー同様 PVに映画のラスト・シーンを使用した

プリンスが最も油が乗っていたころの作品で、本曲は
アカデミー主題歌賞 を受賞した

映画は 自伝的作品 と謳っているが、主人公と不仲な父が自殺未遂をし
戸棚からかつては音楽家を目指したという父の古い譜面が見つかり

それを期に仲間とも和解しステージに立つ
と言った非常に ベタ な内容



△▼ △▼ △▼
Phil Collins - I Wish It Would Rain Down (1990)
フィル・コリンズ - 雨にお願い

収録アルバム『バット・シリアスリー』



50年代風ハリウッド・ムービーの雰囲気で エリック・クラプトン をゲストに
出す曲全てヒットする 飛ぶ鳥を落とす勢いの頃 フィル・コリンズ のヒット曲

初っ端からクラプトンのギターがむせび泣くバラードの名作である
音楽はゴスペル風アレンジの大掛かりで壮大な演奏になっていく

PVも映画のワンシーンの様な大掛かりなものだが、曲中の
マルタの鷹やマリリン・モンローなどの、名作映画のパロディが楽しい。



△▼ △▼ △▼
Kate Bush - Cloudbusting (1985)
ケイト・ブッシュ - クラウドバスティング

収録アルバム『愛のかたち』



早くからダンスや演劇風のパフォーマンスをライブに導入し
個性的な仕上がりの傑作PVを数多く残している孤高のアーティスト

本作は、実在の学者 ヴルヘイルム・ライヒ のオルゴン放射器をモチーフにし
父と子の絆を描いた感動的な作品に仕上がっている。

ライヒを演じるのはオスカー俳優の ドナルド・サザーランド
『24』ジャック・バウアー役 キーファー・サザーランド の実の父親

ケイトはこの役の為に長い髪を短く切り 父親の研究を手伝う
健気な息子役を好演している

当局に連れ去られる車内の父と 山頂でマシンを操る息子が
離れた場所で同じ成功を噛み締める 強い絆を描いたラストが秀逸



△▼ △▼ △▼
Paul McCartney - Pipes Of Peace (1983)
ポール・マッカートニー - パイプス・オブ・ピース


第一次世界大戦中のイギリス・ドイツ間のクリスマス休暇を題材にした作品

反戦歌として通っているが 実に呑気な戦争の風景がポールらしい楽観的な
作風にマッチして 暖かい気持ちに癒されるようなPVとなっている

ラストで居眠りを始めるポールの姿に 戦争に参加しない選択肢の示唆を感じ

スピルバーグのオスカー受賞作『シンドラーのリスト』にも通じる
戦時中最も勇気ある行為とは 「普通の人の感覚」 を持ち続ける事であるという

至極当たり前なメッセージを唄ったものに思える



△▼ △▼ △▼



それでは今回はここまでです。お疲れ様でした。






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最終更新日  2021年06月22日 02時08分12秒
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